3276 日本管理センター
<アパート業界を見直す>
昨年1年間で、アパート業界に対するイメージは非常に悪化しました。人口減少地域や過剰供給地域における空室率の上昇という構造的要因に加え、シェアハウス分野における詐欺的商法、二重契約書を用いた買主への過大な投資の斡旋、過去の大規模な施工不正など不祥事が続々と明るみに出て、関係各社の株価も大半が低迷しています。しかし、低価格の賃貸住宅は極めて普遍的で裾野の広い需要に支えられた存在であり、一方的に悲観するのは正しくないと考えています。
日本全体の人口が減少に転じた現在では、アパートの新規供給はあまり必要ないのではないかという意見があります。しかし、現在の貸家着工件数はバブル期の半分以下に過ぎません。地域別の人口移動や、十分に補修を行ってこなかった物件の経年劣化、生活様式の変化による陳腐化といった要因を考慮すると、必ずしも過剰供給とは言えないと考えています。全国ベースの空室率は、全く市場性がなくなった地域や経営意欲が失われてしまった物件も含まれており、あまり参考にはなりません。しばしば報道されるタス社発表の空室率も、集計対象に満室物件が含まれておらず、誤解を招きやすいと考えています。
加えて、今後は外国人労働者の増加が、市場を下支えすると予想されます。日本全体の人口減少に比べると増加数は小幅ですが、大半が賃貸住宅に居住することを考慮すると、地域によっては、インパクトは小さくないのではないでしょうか。
大和住銀日本小型株ファンドの引用はここまでなんですが、同じく苦瓜さんが担当している「ニッポン中小型株ファンド」のコメントに、日本管理センターが追記されていたので引用しておきます。
当ファンドでは、他社が建築した中古アパートのサブリース契約を手がける日本管理センター(3276)に投資しています。建築会社に保証賃料の引き下げを提示された大家は、感情的な問題を抱えていることも多いため、同社が改めて妥当な条件で契約を結べるケースが多く存在していると考えられます。業界に対するイメージ悪化による新規供給の減少や、外国人労働者の増加による稼働率上昇は、同社の利益率に対して中期的なプラス要因になると考えています。
残念ながら、TATERU問題、かぼちゃの馬車問題、スルガ銀行問題、レオパレス21問題等の相次ぐ不動産関連の不祥事により投資用不動産への融資が厳しくなっている状況が続いているようです。スター・マイカ、イーグランド、エリアリンク等の中小型株の不動産セクターでも早々に販売用不動産の売却、規模縮小を行っている企業が目立ちます。
不動産セクター全体としては厳しい状況が続くのではないかとみています。
日本管理センターは、サブリースに建設に携わらないことでオーナーの立場に沿った運営ができる強みがあります。不景気の中で借上戸数を増やしていったこともあり、ストック型収入の伸びが期待できるかも知れません。
興味深い企業ではあるのですが株価推移は残酷なものです。色々考えさせるものがあります。
- IR情報 日本管理センター
IR本拠地。決算説明資料、動画、月次、中計あり。
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