2019年7月25日木曜日

名証IR EXPO 2019 ダイジェストメモ

IRフェアまとめページ



今年も名証IRエキスポに参加してきました。例によってサービス少なめのメモ書きなので気になったら各自、自分で調べてください。


ミダック[6564]


社長の矢板橋さんが上場1年で辞めるのはどないな理由なのかを聞くためだけに寄ったのですが、ブースに新社長の加藤さんが座ってまして直接、今回の交代劇について聞いてきました。なぜ社長に気がついたかというと、岡三のオンライン説明会の模様で予習していたからなんですな。


ちなみにこのオンライン動画、かなり硬い。数値の説明に終止しているのでもっと事業内容を詳しく説明したほうが良いのではないか、という話をしました。

社長交代は、2部上場と新最終処分場に一段落ついた段階で辞めることを決めていたらしい。今後、北関東への進出を考えると税理士出身である会計に詳しい加藤さんの方が適任であるという考えもあったらしい。M&Aも検討しているのかと思われる。

廃プラスチック問題は経営環境としてはプラス。手持ちの焼却施設は100%近い稼働率で値上げ交渉がしやすい状況にある。焼却施設を増床できないのか聞いたが、増床すら行政とのやり取りで3年以上掛かり計画にはない様子だった。ペレット製造なら半年程度で認可が降りるらしいのでこっちは検討していないのか聞いたんだが、ペレットを製造したとしてもそれを焼却する先が見つからないことには厳しいとの見通しだった。輸出すればいいのにとは思ったのだが。廃プラスチックの保管期間延長(14日→28日)は8月下旬に決定するらしいが、根本解決には至らず。


自治体の焼却施設の受け入れは進まず。焼却施設能力以上に受け入れると炉の寿命が短くなることもある。プラスチックを洗浄し、再利用できるものとそうでないものを仕分けするのがトレンドらしい。

上場は10年前に決めたらしい。その時に所有と経営の分離を意識し、経営陣の中に創業者陣は熊谷さんしか残していない。矢板橋さんや加藤さんはこの時の立ち上げメンバーとのこと。ここの経営陣は皆若いのも魅力の一つだろう。

新最終処分場の減価償却費と今後の売上について聞いてみたが、はっきりした回答は得られず。初期工事に費用がかさむのは前回聞いたとおり。今期はもう少し減価償却費が増えそうな雰囲気はあった。

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社長交代は一回売却する方針なのですが、今回の名証IRで直接社長の話が聞けたこともあって保有し続けることにしました。ブースでは土日ずっと社長がミニ説明会を開いていて、たくさんの人が聞いていました。

最近、株価が評価されていることについて聞いてみたんだけど、やっぱり某株式評論家が推しているのが効いているのかもしれない、ということも言ってました。一時的な株価にはなってほしくないところですけれども。


太陽化学[2902]


老舗バリュー投資家に人気の名証上場企業。

ニュートリション事業(カテキン、テアニン、グァー豆製品)、インターフェイスソリューション事業(乳化剤)、アグリフード事業(たまご、フルーツ、さつまいも)の3本柱。前者2つが高い利益率を占めていて、売上成長著しい。インド産のグァー豆製品は健康食品として北米で人気。加工に自信あり競合は今後も出てこないのではないかとのこと。海外比率15%。インドの生産工場の資本を40%→80%に上げた。アグリフードは競合が多く利益率も低い。アヲハタ、長谷川香料あたりが競合になります。

今年は16名入社、新卒は院生が中心。離職率は極めて少ないと思っていい、という話だった。

IRには消極的で名証IR以外でIR活動は行っていない。機関投資家向けの決算説明会も開く予定はないようだ。鞍替え上場についても消極的。このあたりを改善するだけで株価が評価されそうな気はするがもったいないことだ。

経営は創業者陣営で固めており、ご子息もすでに入社済みとのこと。

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商品力に強みを持っていると感じた。元FMのYさんが面白い企業はないのか聞かれたのでここを紹介した。別れ際「ここは買いだよぅー買いー」とご満悦の様子。お気に召しまして何より。


オリバー[7959]


業務向け家具メイン、東証上場目指す名証一部銘柄。名証IR初参加、立会外分売や優待も付けているので早々に鞍替えしたいのでしょう。時価総額291億円。

業務向け家具は、飲食店チェーン、ホテル、医療施設などに納入しています。デザインより丈夫で長持ちしある程度のロットをこなせることが重要とされているビジネス。例えばホテルのベッドは納入先のこだわりがあり受注が難しいが、それ以外の椅子や机を取っていく感じらしい。製造は地元の関係会社に外注することに。

今注力しているのはオフィス家具。この分野は競合が多いが、最近の傾向は、オフィスに安らぎを求めるデザイン性の高い設計が求められ、当社の活躍の範囲は増えているとの認識でした。写真では、落ち着きのある木製の家具が多く配置されてました。一般的なオフィスというより意識高い系のシェアオフィスで使われていそうな家具でした。ただ椅子に限ってはこだわりがあり、他社ブランドに負けるらしい。そりゃクソ高い椅子に座りたいよな。

ちなみにCATVは創業者が米国に出張に行った時にCATVの将来性に目をつけて、近所のCATVを買収したとのこと。シナジーはまったくないが収益性はあるのでそのまま。結局CATVを伸ばす予定はナサげだった。米国と日本とではCATVの環境が違うからねえ。安定した収益にはなるとは思うけど成長性となるとビミョーな気はしました。

鞍替え上場は、認知度向上のため。確かにオフィス家具に進出するなら知名度は重要かと思われる。

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オフィス家具の同業ですと、コクヨ、イトーキ、オカムラ、内田洋行あたりかと思われるが、いずれも企業よりも利益率が高いのは注目に値するでしょう。

名証銘柄は財務リッチなのが多く、この銘柄もそうでした。現金、投資有価証券の学が大きく占めている状況なので減配は考えにくいでしょう。今期から配当性向を20%→30%に変更し、安定配当を目指したい。安定配当をアナウンスするならDOEを配当政策に加えたらどうかと言ってみたものの、DOEとはなんぞ?という受け取られ方をされました。

そっかー(´・ω・`)



パレモ・ホールディングス[2778]


全社の客単価が極端に低いのが気になったので聞いてきた。


簡単な話で、パレモはアパレルと雑貨店の小売店を運営しているのだが、最近は雑貨店の売上が伸びており客単価が落ちているとのことだった。アパレルは数千円、雑貨は数百円という単価で雑貨が売れれば単価が下がるのは当たり前のことだ。雑貨とアパレルは分けるべきではないのか、とは言っといた。投資家が混乱するとかよくわからないことを言っていたが今の状況のほうが余程、混乱するわ。

ユニー系でエンデバーユナイテッドが買収。去年までは不採算店の閉店を積極的に行ったため利益は出ていないが、今期辺りから利益ベースまで持っていくようだ。Exit時期が気になるところ。投資実績からすると4~5年なので来年あたりに大きく売り出しするかもしれない。今もちょいちょい売却しているようだが。


池袋の雑貨店に視察に行ってきました。同フロアーに3COINSもあり、かなりの競合具合だったように感じた。雑貨店としての開発力は3COINSの方が上かもしれない。アパレルと混合してるのそれどうよ。



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不採算店の統廃合がようやく終了し、利益が出てくる時期になっているのが注目ポイント。投資ファンドのExitが近いこともあって数字を作ってくる圧力(ぉぃ)は強まっているとみています。雑貨店の成長に期待したいところなんだけど、ハレノヒをみた感じでは開発力に難あり。もう数店みて回りたい。



中央紙器工業[3952]


ダンボール二次製造。ダンボールの原紙を仕入れ、加工する。同業他社は1000社以上はあり、地元密着企業が多い。

中央紙器工業は、トヨタ向けに出荷。主に自動車部品の輸送に用いられるダンボールを製造販売。少数多品種に強み。廃プラスチックの流れで需要が増えるかと思いきや、トヨタの考えではトータルコストをみており、ダンボールよりプラスチックを使った方がトータルでエネルギーが少なく済むのならプラスチックを採用するんだとか。ダンボールとともにプラスチック緩衝材も取り扱っている。

最近では自動運転やADAS関連技術で交通事故が減る傾向にあり、自動車部品輸送も減ることにより事業としては向かい風。自動車以外での開拓が必要だろう。

古紙価格が下落しているので原料安に期待できるのか聞いたのですが、ダンボール原紙を製造している企業の価格改定は3ヶ月毎らしくすぐに影響は出てこないとのことでした。

安定収益、安定配当には自信がありそうでしたが、成長性は難しそう。


日本空調サービス[4658]


また社長が変わってた。社長就任期間は6年までと決めているらしい。長期的な企業成長にはマイナスなのではないかと聞いたのですが、このあたりは社風なのかもしれません。海外M&Aの成功は自信になった印象。RAC事業(設備工事)が30%と従来より高くなっているのが気になったので聞いてみたが、太陽光発電の特需があったらしい。

他にも色々聞いたものの捕まえたIR担当がヤングらしく納得した回答は得られず。まあIRフェアへの参加率は高いので次の機会に聞きます。


大同メタル工業[7245]


中国の排ガス規制の緩和での需要増加が追い風になりそう、とのこと。


新商品として、風力発電向けの軸受シールを開発、採用に向けて取り組み中。ボールベアリングと比べてメンテナンスが格段に楽になるのがメリットらしい。

日韓貿易摩擦(?)の影響を聞いたが今の所、影響は聞いていないとのこと。韓国は造船で高いシェアを持っており、同社は船舶向けの部材で高いシェアを持っているので韓国からスネられると売上に影響が大きいんよ。前回の中計が大ゴケしたひとつに、自国産業を守るために造船で自国以外の部材の使用を禁止した影響をモロに受けた経緯があり、今回も影響が出てくるんじゃまいかと気にはしてる。

シェアの高い製品を数多く持っており、成長意欲が高く、配当利回りも5%以上とかなりの割安感ではあるものの、韓国方面から嫌な感じがするんよね、、、、。


ユー・エス・エス[4732]


JAAへのM&A以降の成長性乏しい。

衛生オークションの成長性を聞いてみたが、今は中古車を直接みることを望むバイヤーが多く、稼働率は高くないとのこと。中古車買取のラビットやオートバイオークションについても成長性は難しいとの認識。JAAのM&Aでもビミョーだっただけに大型M&Aはもう無理かもしれない。

前にも増して受身の姿勢が目立った。理想的なキャッシュカウ銘柄なのかもしれない。


フジミインコーポレーテッド[5384]


主力の研磨剤、CMPは日韓貿易摩擦(?)の影響は受けていない。そもそも研磨剤の納入先は、国内のSUMCO・信越化学工業で、彼らが研磨剤で磨いて出荷しているとのことで影響は受けない。研磨は他の企業がやってると思ってた。CMPは今の所、規制リストに載っていない。

ミライアルの1Q決算説明資料を見る限り、ウェハーの需要は落ちていないのは分かるのだが、メモリ価格の下落、日韓貿易摩擦による生産調整が入ると厳しくなるのではないかと思っているのですが、どうなんでしょうかね。

半導体からの脱却を図るもののそれ以上の収益性の高い部材ってそうはないのよねえ、、、


ジェイテクト[6473]


今回初出展ということで期待したものの、IR担当が手慣れていない感じでして不満が残りました。工作機械の状況を把握したかったのですが、現状の状況を上手く把握していないというか、同業他社に対しての強みや利益率の低さについて納得できる回答ではなかったんですよね。

SDGsやESGへの取り組みについては強化中らしく、よくできたアニュアルレポートでした。流石は大企業。


ニチハ[7943]


株価低調の理由を聞いたんだが機関投資家の利食いではないかと言っていた。米国の成長性を高く評価されていたのが一段落したのではないか。というか私も米国市場が赤字から黒字になる変化を狙ってぶっこんだので機関投資家と同じノリやね。

主力の戸建ては頭打ちは認識。非住宅へ注力中。窯業はコストやリニューアル面で非住宅需要に合致した商品。非住宅だと面積が広く施工できる工務店が少なく、ゼネコンが受注できない状況だったんだそうな。このあたりは解消中とのこと。

米国も戸建てよりは非住宅の方に注力。需要は高く、2021年(だったかな)に一レーン増やして増産体制を作る予定。


東祥[8920]


株価低迷について聞いたが不明とのこと。よう分からんよね。


アイホン[6718]


株主数減少で一部上場維持が危ういんじゃが?と聞いてみたが、配当を厚めにしたことで大丈夫なんじゃまいか、という認識だった。


オウケイウェイヴ[3808]


ピアボーナスっぽいビジネスをブロックチェーン技術でやりたいようだ。

プロックチェーンでやる必要性を感じないと聞いてみたが、コストが劇的に下がるというのが主張。マイニングをしてくれるコストは誰が払うのか聞いたんだが、それは協力会社がやると。協力会社がコストを払ってでもマイニングしてくれる理由については分からず。

ブロックチェーンでの売上が異様に高い利益率になってるのは、ブロックチェーン周りのアプリとかの売上があり、他社にはできない技術、らしい。他に外注先を増やさないのか聞いたんだが、本来やりたい仕事ではなく、ブロックチェーンでの感謝経済とやらに注力したいと。

Q&Aの収益性が戻ってきたのは、営業を強めたこととBtoBのサービスを広げたことによる。

終始謎。ガンガレ。

丸順[3422]


名証IRに参加した方のレポートが参考になるかと(見知りの人ですけどね)。


私も大方同じような説明を受けてます。

冷間プレスを増産するために3000tクラスのプレス機を導入予定とのこと。結構な設備投資になろうかと思ったのですがコストについては聞き漏れ。ホットスタンプ(鋼材を温めてプレスする工法)は行わない方針。冷間プレスに自信があるようだ。

CAEは以前、サイバネットシステムを取り上げた時に知りました。


自動車業界向けに伸びていると聞いていたので丸順もご多忙にもれず設備投資したんだなと。他の自動車部品メーカーもCAEによる試作製造のコスト削減をメリットとしており、まだ伸びしろがあるんじゃまいかと思ってたんですが、社長交代直後、株主総会で成長軌道について聞いたんだけど時間がかかりそうなのよね。とはいえ1Q決算で異常値がでて株価を上げてるんだけどさ、、、(´・ω・`)。


ということで




今回は、アニュアルレポート、決算説明資料の記載についてと配当方針について色々聞いてました。機関投資家離れが激しい中、また戻ってきてくれるための資料作りは必要だと思うんよね。

機関投資家ももっとアドバイスしてあげればいいのにね。ホント、ちょっと改善するだけで評価が大きく変わる企業って多いんよ。

参考


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