2018年4月16日月曜日

4312 サイバネットシステムをみてみよう - おまえらのための株式投資

おまえらのための株式投資まとめ

4312 サイバネットシステムって何してはる企業なん?


この企業は、CAE(Computer Aided Enginieering、コンピューターによる工学支援システム)ソフトウェアの販売、サポートを行っています。


取り敢えず動画を見て欲しい。4分ほどだ。



何をやってるのか分からないと思う(ぉぃ

動画内でちょいちょい3D CADの図面が出てきましたが、この図面から様々な物理シミュレーションを行うソフトウェアがCAEにあたる技術です。この技術により、試作段階で様々な環境試験(熱、風、加速度等)をコンピューター上でシミュレーションすることができるようになりました。

例えば、自動車のフォルムを設計した場合、従来の場合なら粘土で試作を形成し風洞実験などを繰り返す必要があったのですが、この技術によってコンピューター上で設計した設計図をコンピューター上でシミュレーションすることができるようになります。


CAEによって試作コストと時間を大幅に短縮できるのが顧客メリットになります。


ポイント:開発ではなく販売・サポートに特化


この企業の興味深いところは、ソフトウェアを開発するのではなく、販売・サポートを行っている点にあります。つまりソフトウェアの開発コストを費やすこと無く、サポートによる安定したストック型収入を得られます。

その割に利益率が高いのには訳があります。この手のCAEソフトウェアを開発する企業は、強い販売網を持っていないようです。このソフトウェアの特性上、使用方法が難しく、サポートがしっかりできる販売会社と組む必要があります。

CAEの売上は、開発元と販売元で折半しており、半分はサイバネットが取り分でそれが高い利益率となっています。


強み:高い技術力と安定したストック型収入


上記の通り、販売・サポートに特化しているものの、技術としては日々進歩している分野であり、サポートするには高い技術力が必要になります。

B/Sの負債に「前受金」があるのも特徴です。ライセンス更新で積み上がっている資金でしょう。前受金が貰えるビジネスは、資金繰りに困らず強いビジネスを行っている証左とみています。


弱み:顧客の投資意欲と人材不足


ソフトウェア業全体の弱みなのですが、ソフトウェアは不景気になると真っ先に削られるコストです。効率化には効くのですが無くても困らないので、不景気になると削られやすいのです。

主要顧客のひとつである自動車産業は、この手の研究開発費を削るとは思えませんが、電気機器・精密機器あたりの製造業は厳しいところも出てくるかも知れません。

またこの企業もまた人材不足に悩まされているようです。

聞いたところ、人材確保が全然進まず、人材確保のチームを単独で作ったとのこと。急に改善する問題ではありませんし、もしかして人材獲得のための費用を積み増すかもしれません。ちょっとしたリスクでしょう。


機会:これからの技術とニーズの高さ


3D CAD自体、そんなに長い歴史があるわけでもありませんからね。ようやく技術として浸透し、紙からコンピューターに移行してきている時期で、それを応用する技術はこれから受け入れられるフェーズに入ってくると見ています。技術も今より進歩するでしょう。

試作コストの削減は大きなテーマでしょう。勿論、従来の実機による試作も必要でしょうけど、その回数は大きく減らせるはずです。


脅威:販売権の解除


販売に特化しているので販売権の解除が脅威になります。

サイバネットは単なるライセンス販売企業ではなく、ライセンスとともに技術的ノウハウを付加したサービスをあわせて提供しています。専門技術の知識とノウハウという独自資産があると競合は参入できず、また開発元も別の代理店を探すことが難しくなります。
サイバネット社員の5割弱は誰にも負けない技術的専門知識を持つエンジニアであり、それがサイバネットの独自資産となっています。
また、サイバネットはカナダ、北米、欧州の開発会社を買収し、これらの会社が開発するソフトウェアを自社製品として販売・サポートすることも行っています。
-- 事業内容に関するFAQ|サイバネット

上記で説明したとおり、運用が難しく日々進歩している技術ですので顧客サポートが重要になります。自社で販売するにもノウハウと顧客リストが必要になりますし、他社が真似ようにも技術力はそう簡単に手に入るものではありません。

人が、参入障壁なんですよここは。


まとめ


最近、監視銘柄としてみていたんだが株価の動きがおかしいので紹介してみた。



このところの下落相場とは関係なく新高値更新を続けてる。うーん胡散臭い。最高値は1300円近辺でそう遠くないのもお気に入りポイントだ。


18.02.28に公開された中期経営計画より。

このまま行けばかなりの成長率になる。が、やはり懸念すべきは人材不足によるコスト増でして、人材確保ができなければ中計も達成は難しいだろう。サポートはどうしても労働集約型にならざるを得ないからね。

18.03.09に新体制で経営陣も変わったことだしどうなることやら。

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