7804 ビーアンドピー
<どんな事業でも差別化はできる>
日本の株式市場では、毎年数十社の企業が新規公開を果たしています。中には斬新なビジネスモデルを持つ企業も存在し、それが投資家に理解されれば高い評価が与えられます。しかし、事業内容自体は平凡でも、運営のやり方次第で高収益と継続的な成長を実現している企業も存在します。その一例が最近上場したビーアンドピー(7804)です。
同社は業務用プリンターの出力業者です。ヒューレット・パッカードやセイコーエプソン、ミマキエンジニアリングなどが生産する各種の大型プリンターを100台以上備え、ポスターや屋外バナーなどの印刷を行っています。事業内容自体は参入障壁が低く、製品品質も失敗さえしなければ大きな差はありません。
しかし、同社は事業運営のやり方を工夫し、業界では一歩抜きん出た存在に成長しました。最大の特徴は交代制の夜間勤務を導入し、夕方に受注した案件を翌日に納品するといった短納期対応を実現したことです。主要顧客である広告業界は作業スケジュールに余裕のないケースが多く、割高な料金を支払っても短納期を求める企業が多く存在します。また、営業マンに対しては大きな権限委譲を行い、単なる御用聞きにとどまらない提案営業を実現しています。受注の付加価値を高めることで、10%台後半の営業利益率を実現しつつ、賃金面でも業界ではトップクラスの水準を実現してきました。
前2018年10月期の営業利益率は21%にも達しましたが、反面で現場に疲弊が見られたため、今2019年10月期は採用を強化する一方で受注を抑制し、営業利益率は10%台に戻る見込みです。しかし、参入障壁の低さを考慮すれば、これでも十分な利益率と言えるでしょう。今後も、従業員満足に気を払いつつ、バランスの取れた成長を続けていくことに期待しています。
B&Pは'19/07に上場しています。
VCのExit案件ではなさそうです。株の放流も少なそう。多分、上場目的は知名度工場による人材確保と顧客確保でしょうね。
苦瓜さんは印刷業に興味が強いのかもしれません。以前、前年に上場したラクスルとプリントネットにも触れています。
プリントネットの評価が高かったように読めるのですが、原料費、輸送費の高騰、積極的な設備投資で大きく利益率を下げています。ラクスルも紙不足による価格高騰の影響を受けているとの記載があります。コンシューマーが強めであるということを差し引いても、このビジネス業界は向かい風であろうことが想定できます。
また印刷業は景気敏感株に近く、景気が悪くなると発注が抑制される傾向が高いです。このあたりを加味して検討する必要があるでしょう。
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上記の通り、参入障壁が低い業種でもあります。200万円程度する大判プリンターを数台購入するだけで事業が開始できる業界です。こんな業界ですのでガリバーは多分、存在しません。そこに付け入るスキはいくらでもあるという見方もできるでしょう。
今回の上場により付加価値と生産性の向上が期待されます。
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サンゲツとの協業は興味が湧きました。サンゲツは経営者が変わってから成長意欲が高くなった企業です。現在は過去に積み上げてきた資産を配当と自社株買いに当て、海外へのM&Aを積極的に行っている最中です。
サンゲツはインテリアの総合商社でして、即納を武器に事業を行っています。そのサンゲツと壁紙の印刷で組む話が進んでいるようです。上手く行けば大きくなりそうなビジネスのように感じました。進捗が気になります。
- IR情報|株式会社ビーアンドピー
IR本拠地。決算説明資料、個人向け説明ページあり。
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