2018年3月26日月曜日

9639 三協フロンテア - '18/02の「担当ファンドマネージャーの見方」

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9639 三協フロンテア


三協フロンテアは、仮設ユニットハウスの販売・レンタルを行ってる企業です。四季報の同業他社に日成ビルド工業[1916]ナガワ[9663]東海リース[9761]

<建設業界の人手不足に対する一つの解答>
建設業界では、数年前から人手不足が問題となっています。生産性の低さが大きな要因の一つですが、土地の狭さや耐震性能の必要性といったわが国特有の問題もあり、効率の改善は簡単ではありません。その中で、限られた分野とは言え、一つの解答を提供している企業が三協フロンテア(9639)です。

同社は工場で組み立てを行い、折り畳んで輸送して現場に設置するユニットハウスの大手企業です。特に、大型工事の現場事務所などで並べたり積み重ねたりして用いられる連結タイプを得意としています。守備範囲としては、単独タイプを得意とするナガワ(9663)と、本格的なシステム建築を得意とする大和ハウス工業(1925)や日成ビルド工業(1916)の中間に位置すると言えるでしょう。

事業形態としては仮設レンタルが中心ですが、近年はきちんと基礎工事を行った上で顧客に売り切るケースも増加しています。数年間限定のイベント施設や仮店舗などに加え、より長期的な利用を意図した場合でも、工期の短さ・施工コストの低さからユニットハウスが選ばれることが多くなっているのです。同社はこういった需要に対応するため、より柔軟な並べ方や三段積みが可能な新製品も投入しました。

2017年10-12月期までの業績は熊本地震の仮設特需の反動で減益となっていますが、その部分を除けば成長が続いています。建設業界の生産性向上は、口で言うほど簡単な問題ではありません。これといった妙薬は存在せず、ユニットハウスのようなこなれた技術を、顧客が自らのニーズと制約条件を見つめた上で使いこなしていくことが重要なのだと当ファンドでは考えています。

仮設ユニットハウスのレンタルは今後、東京五輪を見据えたイベントや工事で需要は増えていくものかと思われます。この手の資材銘柄は、震災・災害に抵抗力があるのが特徴でして嫌いではないです =)。

いつものB/Sの確認。GMOクリック証券の財務分析より。


2013年度から激太りしてますね。なにか転機でもあったのでしょうか、気になります。それでも株主資本が一定的に増加しているのは好感が持てます。

続いてFCF。


2013年度から営業CFがマイナスで、財務CFがプラスです。これは無理に太ってる感じが否めないですね。

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これは11.03.11の東日本大震災の影響でしょうね。

需要に応えるためにユニットハウスを買いまくってレンタルに回した、と考えるのが妥当でしょう。有形固定資産(B/S左側の緑色の部分)の半分は「レンタル資産」とあったので間違いないでしょう。長期借入金(B/S右側の赤色)が急速に増加しているのは、手元資金では無理なので銀行から貸してもらったのが2013-2015年までの状況ですね。

ユニットハウスの償却期間が気になるところです。2016-2017年の減価償却費が営業CFに多大な影響を及ぼしてますしね。

現在(3/23)で配当利回りは2.5%程度で、配当性向は3割程度。悪くはないがスゲー良い訳でもなく凡庸なバリュー銘柄ですがその分、ボラティリティが少なく心穏やかに保有することができる銘柄のように感じました。


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