2014年9月29日月曜日

【株主総会メモ】 3686 DLE (14.09.25開催)


3686 DLEの株主総会に参加してきました。

目的は、鷹の爪の作者であるフロッグマン(蛙男)さんを一度見ておきたかったという確固たる理由がありまして、要はミーハーなんですな。DLEのビジネス自体、あまり把握していなかったというのもあって、経営者の考えなど聞いてこようかな、という軽い気持ちもありました。

場所は、いきいきプラザ一番町という麹町にある公民館のような雰囲気でした。近場の駅は麹町というオサレな所なのですが、目的地まで遠く、分かりにくく、坂道が厳しいときてる。Google Mapsに連れられてようやくたどり着くことが出来ました。改善の余地有でしょう、これは。設備としては結構良くて、いつも経営者に見下ろされる株主総会が多い中、今回の場所は、舞台のような感じで変な違和感は感じませんでした。

参加者は、100名程度。ヤング、女性率は高め。老夫婦連れというのを最近よく見かけるようになったのですが、今回はそれらしき投資家はいないようでした。鷹の爪ファンが3割、投資家7割というバランスは良かったかと思います。ボッチ感は全くありませんでした。鷹の爪ファンがいるってのが心強かったのかもしれません =)。

質疑応答、説明会での質問は以下の通り。

  • 小野さん(蛙男)への依存度が高過ぎるのは如何なものか?
    徐々に依存度が低くなっている。
    ベンチャー故に属人的な状況が強くなってしまうのは仕方がない状況ではある。今期の鷹の爪の売上依存は43%まで下がってきている。クリエイターの育成が上手く行っており、名指しで指名を受けるまで成長している。
  • ファスト・エンタテイメント事業について
    DLEの強みとして開発サイクルが非常に短い事が挙げられる。
    例えばジブリだと構想から公開まで1~2年は掛かってしまう。DLEは、短いと1日1回納品する事もある。納品後、改善点や問題点があれば即、手直しを入れる事が出来る。ソシャゲのようにユーザーの状況を見ながら改善が出来るのが強み。ネット時代に即しているのではないか。

    直訳すると即席娯楽だろうか。こっちの方が日本には親しみやすいとは思うんだが =)
  • IP戦略について
    独自IPを出来るだけ費用を掛けずにメディアに露出していくかがキモになる。
    LINEのスタンプなどもその一環。露出度が高くなれればIPの収益に繋がる。独自IPを作りつつ、様々な分野でプロモーションや広告で使われることで2~3年後のライツ収入を期待している。
  • 上場して変わった事は何か?
    上場して良かった。
    上場して仕事が色々多くなった。エンターテイメント事業の活性化に一役買ったと思っている。エンターテイメント事業で上場したのは10年ぶりなんだそうな。今のエンターテイメント業界はマネタイズが上手く行っていないので何とかしたいと思っている。特に海外は、上場前と上場後で食いつきが明らかに違う。
  • 四季報に増資疑惑が書かれているけど実際どうよ?
    今の所、そのようなキャッシュニーズは想定していない。
    機関投資家向けに可能性として話したのを聞いて書かれたのかもしれない。上場で10億程度のキャッシュが手元にある状況。機会があれば増資という手段もない訳ではない程度。

    ビミョーな案件だけに無いとは言えない口調ではありましたが、ニュアンスとしては考えていなさそうでした。私も表現がしにくく語弊があったらすまん。
  • ハズブロー(Hasbro)社との連携どうよ?
    今の所、プロモーションの受注のみ。機会があれば日本、アジア向けに連携していきたい。

    ハズブロー社は米国2大玩具メーカー。DLEでは社外取締役としてハズブロー社の経営者(ダンカン・ビリングさん)に入ってもらっている。
  • 最近、キャラクターの物語性が失われているんじゃねえの?
    可能性として様々な分野を試したい。
    今のエンターテイメントは物語が貧弱で、これを改善すれば例えFlashアニメでも受け入れられると踏んで作ったのが鷹の爪だった。独自IPとして様々なメディアへ露出し収益の基盤となった。独自IP以外の位置付けとして「バカボン vs フランダースの犬」と言うのがあるが、これは例外。あまりに反響が大きかった。基本的には付加価値が大きくなる分野に力を入れていきたい。またストーリー性の無い、例えばキティやリラックマのようなキャラクター物についても可能性として取り組みたいと考えている。
  • 北米どうよ?
    今期、10本は作りたい。
    物語性はその地域に根付いた文化を判っていないと受け入れられない。よって米国では米国向けのコンテンツを作る事にしている。シナリオは米国人のクリエイター、デザインは日本人という組み合わせ。このやり方は現地でも受け入れられている。
  • キャラクターの「飽き」についての対策どうよ?
    寅さんのような長く愛されるコンテンツを目指したい。
    飽きられるほどメディアに露出したのなら大成功と考えている。確かにキャラクターはそのまま放置しておくと飽きられてしまう。飽きられないための努力を惜しまない事が必須と考えている。サプライズ等、有効な手段は色々考えている。
  • 参入障壁低いんじゃね?
    IPのマネタイズがキモであり参入障壁になり得ると考えている。
    作るのみのクリエイターだけなら参入障壁は全く無い。DLEはコンテンツ管理によるマネタイズに力を置いている。例えばキー局などで様々なビジネスの話が来るが、彼らはIPの殆どを占める契約にしようとする。このようなマネタイズが難しい契約は結ばず、基本的には独自IPをメディアに露出していき、後々の収益に繋げるビジネスにしたい。
    海外では更に参入障壁が高いものになる。

  • 配当方針どうよ?
    成長の踊場になったら考える。今は成長ステージなので投資に使いたい。
  • 優待どうよ?
    検討中。長期的なファンを作るような優待にしたい。
  • 業績予想ブレすぎじゃね?
    そもそもエンターテイメント事業自体が水物。売上の数値を固定化してしまうことは返って投資家の方に不親切と考えてこのような業績予想にした。勿論、業績予想を上回る実績を目指したいとは思っている。
  • 社員少ない(61名)のに総出で株主総会なんてやってて大丈夫?
    会社の一大イベントなので総出で取り組んだ。会社運営の方は予定通りなので大丈夫。
  • 今の株価どうよ?
    分かんない。
  • イベントの告知は早くしてよ!地方だとナカナカ都合が付かないのよ
    改善する。
  • 島根で皇族結婚があるけど何かやらないの?
    特になし。静かに見守ります。
    乗っかろうとすると売名行為として見られてしまう空気があり、地元でも静かに見守る風潮になっているようだ。
  • アンテナショップとかどうよ?
    基本的に固定費が掛かる事業には手を出さない方針。
    今回は他から話があって竹下通りと東京駅地下街に出店している。キティショップ等、他のキャラクターショップに相乗りする形で声が掛かる事があるのでそれに乗っかっていきたい。
  • 最近レオナルド博士のキレがない
    ご都合主義の発明でそもそもキレはない。株主総会で指摘されたので検討する。

    ちなみにこれは蛙男さんが総統の声で回答している。爆笑ものである。

13:00開始→13:15質疑応答→13:40株主総会終了→15:10会社説明会終了という流れ。オミヤ無し。

何より面白かったのは業績説明のスライド動画でして、ナレーションが鷹の爪の吉田君と総統の声で説明しているんですよ。しかもよく見ると何か吉田君が小さく頷いているんですよ。もう笑うしかないじゃないですか。エンターテイメントを分かっていらっしゃる =)。この説明の間、笑いが止まらなかったんですが会場は案外と静まり返っていて、もう駄目。この雰囲気で笑わない方がどうかしている。

完全にツボってたと思います =)。行ってよかった。

資料はロードショー資料を軸に説明していました。他にも聞き取れなかった事は細かい事もあるのですが、流石に疲れてきましたのでこの辺で一区切りにします。雰囲気が掴めれば幸いかと。

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なんというか。

鷹の爪の一発屋かと思いきや、色んな戦略を練っていた事に驚きました。情報では色々聞いていましたがやっぱり実際に経営者から聞いてみるのとでは、理解度が違いますね。成長企業ならではの高揚感も味わえました。

強いて例えるならMicrosoftのようなビジネスモデルなのかも。MS-DOSをライセンス販売に特化し、権利を放出する事を一切しないビジネスで、MS-DOSが組み入れられる度にライセンス料が雪だるま式に増えていく、というあのビジネスモデルですよ。あれはプログラマーの勝利ではなく、ライセンス管理の勝利でした。

Microsoftとは言い過ぎかもしれませんが、このビジネスが上手く回れば思ってた以上のビジネスになりそうな予感はしました。


儲かるかは知らんけど、ここ数年は面白い状況が拝めるかもしれませんよ =)。


(追記:14.11.10)

実際に流れていた業績動画が公開されていましたので張っときます。笑うしか無いでしょこれ。

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