2015年4月21日火曜日

6889 オーデリック - '15/03の「担当ファンドマネージャーの見方」

大和住銀日本小型株ファンドの月次。3月は6889 オーデリック

<軟着陸は難しい>
経営において最も難易度が高い局面の一つは、高成長段階からの成長減速局面です。客観的に考えれば成長減速が予想される局面でも、社内の各組織が自然とそれに合わせた動きをするとは限りません。各社が社内事情を優先しシェア上昇を前提とした積極策を取り続けた結果、市場全体が供給過剰で苦しむ例も多く見られます。この視点から注目すべき企業としてオーデリック(6889)を紹介します。
同社は照明器具メーカーで、得意の新築住宅向け(工事店ルート)ではパナソニック(6752)等と並び大手の一角を形成しています。新築住宅向け照明器具のLED化は当初量販店ルートに比べると遅れ気味でしたが、2011年の震災以降一気に転換が進みました。LED照明器具は蛍光灯用に比べると付加価値が高いため、同社はその波に乗って数億円~十数億円で推移していた営業利益を2014年3月は40億円台にまで拡大しました。
しかし、一気に市場の過半がLEDに転換したため、2015年3月期からは難しい局面に差し掛かっています。今後はLED化のスピードが減速不可避なうえ、競争激化による価格低下も予想され、さらに消費増税駆け込みの反動も加わって大幅な業績悪化のリスクが発生しました。
これまでのところ、同社はこの困難な局面で上手に対応しているように見受けられます。第3四半期累計で営業増益を確保し、通期での営業増益達成は微妙なものの、前年を大きく下回ることはないと見られます。また、最も懸念していた在庫に関しても、増加幅を許容範囲内に抑え込んでいます。今後はまだLED化の途上にある商業施設向けで、特に一般住宅と属性の近い外食店に的を絞って拡大させていく方針です。

オーデリックは、照明機器を扱う企業です。四季報の同業他社に6932 遠藤照明6924 岩崎電気

苦瓜さんの言う通り、震災後の省エネ対応で極端な需要があったのですが、その後、LEDの特性上、LED自体の寿命が長く置き換え需要が減るとされていた業種でした。

私の中では遠藤照明という銘柄の雑なファイナンスが目立ち、オーデリックも同セクターと言う事でヲチから外していましたが、今見た感じだと結構割安で放置されている感じがありますね。

今日(4/20)の株価で予想PER7.05倍、実績PBR0.97倍、配当利回り3.04%、配当性向2割程度とちょいケチという状況。去年5月に発表した3ヵ年中期計画(PDF)は、弱いながらも着実に売上、利益共に伸ばす計画になっています。

結構、手堅い割に悪くない。

いつものB/Sの確認。GMOクリック証券の財務分析より。


成長企業として見れば悪くない。震災特需で開眼でもしたのかしら。

その他流動資産の増加の確認せよとのメッセージが出てたので確認してみたのですが「原材料及び貯蔵品」にあたる所でして、確かな成長であるなら文句は無いでしょう。有利子負債が殆ど無いあたりは、成長株としては物足りなさを感じます。現金もやや多いか。

続いてP/L。


震災後、売上、利益共に急増しているのが分かるでしょうか。

悪くない。

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纏めると、やはり消費増税後の新設住宅着工戸数の減少が、売上減少懸念として今の株価になっているのかと思われます。

ただ3Qまでの業績からすると大きくは影響を受けていないようですし、中計通りの数値が出るとするなら割と今の株価は割安のような気がしないでもないです。

ここまでスルーさせるということは、やっぱり遠藤照明が悪い(濡れ衣。

  • http://www.daiwasbi.co.jp/products/search/fund/pdf/20150331_kogataSB37M.pdf

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