2018年3月11日日曜日

上場企業の定款を入手する方法 - おまえらのための株式投資

創業者、定款(ていかん)で遊ぶなかれ



クックパッドの創業者にも困ったものですね。


実質有効とは思えない定款なので変更があったとして実害はないとは思うのですが、そもそも定款は法の制限が加わる重要な項目なのです。それを安易に、明らかに私的要因を盛り込むというのは如何なものなのかと思った次第。

今後、株主から「毎日の料理が楽しみになった場合があるので、第三者の調査機関を通じて調査せよ」と言われたら、その手のコストを支払うことになるのでしょうか。こんな面倒くさいの、創業者の次の経営者からすれば迷惑でしかないし、そもそも解散条件を加えるとかゴーイングコンサーン的にそれどうよ?


定款の変更は度々行われるが、成立には条件が高い


定款(ていかん)とは、社団法人(会社・公益法人・協同組合等)および財団法人の目的・組織・活動・構成員・業務執行などについての基本規則そのもの(実質的意義の定款)、およびその内容を紙や電子媒体に記録したもの(形式的意義の定款)である。
-- 定款 - Wikipedia

定款は、多岐に渡って会社の規則にあたる事項について記載されています。定款の変更は、重要な意思決定の変更とされ議決権の2/3の賛成を必要とします(株主総会決議 - Wikipedia)。スチュワードシップ・コードの絡みもあって機関投資家も議決に棄権することで責任を放棄することが難しくなったこともあり、議決権の2/3を達成することは容易ではなくなりました。

とはいえ定款の変更は度々発生します。

  • 事業目的の追加
    定款に記載された事業目的とは異なった事業を行う場合、定款の変更が必要になります。とはいえ定款変更は敷居が高いのは分かっていることでして、目的に「その他、~に付随する事業」とあるのが一般的で余程、突拍子のない事業を始めない限り、なんとかなる場合がほとんどのようです。
    それでも変更する場合は、経営者の意思であったり、資産運用に関わる事業(不動産賃貸業、クリーンエネルギー事業)を売上として計上したかったりといった事情がみえたりします。この辺りは株主総会で揉めるところですね。
  • 会社法の改正に伴う場合
    例えば会社法の改正で社外取締役への経営責任が変更された際、責任限定契約締結を定款に盛り込む企業が大半を占めました。そうしないと誰も社外取締役を引き受けてくれないですしね。
    監査等委員会設置会社への移行の場合も定款の変更になります。
  • 発行可能株式総数、単元数の変更
    株式分割や株式併合を行う際に変更する必要があります。単元数は東証の意向で、18.10.31までに100株単元に統一することが決まっています。
    発行枚数の変更は、増資やらストックオプションで刷りまくった影響でリミットに届きそうな企業が変更してくることがあります。株主総会では「将来に備えて云々」とか言ってその場を乗り切った挙げ句に議決後、早速増資開始とかまあよくある話です。
  • 資本金の減少
    株主資本から資本金を減らし利益余剰金に余裕をもたせることを目的とした変更があります。配当原資の確保という点で納得の行く場合もあるのですが、資本金を減らすことで税優遇を受けることを目的とする場合もあって警戒する必要がある場合もあります。
  • 役員数の枠増加
    新会社設立や海外法人が増えてくると増えていくことが多いようです。規模を拡大する過程で役員数を増やすことはよくあります。とはいえ役員数が多い企業というのは「船頭多くて船底沈む」的な企業が多くありまして、注意が必要な場合もあります。
  • 商号の変更
    社名変更も定款変更が必要です。


定款を確認しよう!


定款は会社の重要情報な割に、企業ホームページで公開されていない場合が多いんです。定款の変更ばかりアナウンスするのにそもそも定款がみれないとかおかしくないですかね?とは思うのですが、誰も指摘をしないのでしょう。

ということで今回の目的である、定款の入手の仕方について説明します(23.05.05変更、定款の置かれてる場所が変更されていました)。

  1. 東証上場会社情報サービス | 日本取引所グループを開く
  2. 『東証上場会社情報サービスはこちら』を選択
  3. 『コード』に証券コードを入力し『検索開始』を選択
  4. 『縦覧書類 / PR情報』を選択
  5. 「定款」の『情報を閲覧する場合はこちら』を選択

これで大丈夫。以下はGMOインターネットの例。


定款は割とフリーダムな記載があって興味深いです。GMOのグループ企業は全社、以下の目的が盛り込まれてます。


なんだこれ。

2 件のコメント:

  1. 初めて知りました。とてもいい情報ありがとうございます。

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    1. 投資と直結するネタではないのですが、たまにはこいうのもいいかなと思って紹介してみました。というか企業のホムペにちゃんと掲載してほしいですよね。

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