2334 イオレ
イオレは、ネットサービス「らくらく連絡網」を運営している企業です。四季報の同業他社にじげん[3679]、フリークアウト・ホールディングス[6094]。
<個人情報の価値>
インターネットの世界では、個人情報は時として大きな経済的価値を持ちます。その獲得を目指して、国籍・業種・規模の大小を問わないさまざまな企業が多様なアプローチを行っていますが、個人の側でプライバシー意識が高まっていることもあり、必ずしも損益的に成功している事業が多いとは言えません。そういった状況下で、独自の切り口で個人から情報の提供を受け、事業に結びつけている企業がイオレ(2334)です。
同社の主力事業は、2005年に開始した「らくらく連絡網」です。学生サークルやPTA、消防団などの任意団体における内部連絡をメール等で配信するサービスで、現時点の登録者数は38万団体、670万人に及びます。基本的には無料のサービスで、従来は登録者に対する広告メールが収益の中心でした。
「らくらく連絡網」の収益モデルを転換したのは小川現社長です。小川氏は、2014年に会員属性を外部の広告マッチングシステムと連携し、その後ツイッターやインスタグラムなど他のサイト上における広告の内容も、同社に登録された属性に関連付けて表示させることを開始しました。同社において、広告主の需要が最も高い属性は大学生と看護師で、いずれも求人関連であることが共通しています。
同社は新規事業として、インディードのような情報自動収集型の求人サイトに対応した、求人企業へのサポートも開始しています。これら事業への先行投資で前期は減益となりましたが、今期は順調に利益率を回復させています。求人業界は、新卒採用サイト間の競合激化や就職協定の無力化、アルバイト・中途採用における情報自動収集型サイトの台頭といった市場の激変期にあり、同社のような新しい取り組みを行う企業の戦略が注目されます。
日本リビング保障は以前、ログミーファイナンスでのIRセミナーでのお話が参考になろうかと。
この時、小川さんは社長ではなかったのですが、以前からIRには積極的に活動していました。
ビジネスとしては「らくらく連絡網」などのネットサービスから得られる個人情報を匿名化し、その情報を広告に連動させることで収益をあげます。他には例えば閲覧履歴から個人の属性を推定し広告に連動させるビジネスもありますが、イオレは直接個人情報に密接した情報を保有している強みがあります。
そうですね。よく趣味や医療に特化したサイトがあるじゃないですか。あれが無料で閲覧できているのはサイトの広告収入はもちろんのこと、あなたの閲覧履歴を集めてそれを広告に連動させることで更に収益を伸ばしているんです。いやあ怖いですね。特にEUでこの手の情報売買を制限しようという流れがあり、各国の対応が気になるところではあります。
まあ日本のプライバシー保護は、常に世界から遅れているので大丈夫かと思いますが。
なかなか強気な中計ですね。
「ジョブオレ」という新規サービスの立ち上げは期待できそうです。多分、ここを大きくするには広告出稿を取っていかなければならないと思うので、この手の営業の力の入れ具合でしょうか。人材確保まで見た利益率なのかな。
成長意欲があり、IRに積極的なのは評価できるでしょう。とはいえ、広告業界でかつ求人領域ですので景気に大きく左右されやすいのは注意しておいたほうが良いかと思います。
- IR情報| イオレ
IR本拠地。決算説明資料、書き起こしあり。個人投資家向けIR活動に積極的。
0 件のコメント:
コメントを投稿