2018年12月30日日曜日

7320 日本リビング保証、2334 イオレ、3987 エコモット - ログミーファイナンスIRセミナー (18.12.15)

IRフェアまとめページ

先日(12/15)にログミーファイナンス主催の個人投資家向けIRセミナーに参加してきました。この時の模様は、ログミーファイナンスのサイトでログとして記録されていますので是非参考にしてみてください。

諸事情により説明会後の質問コーナーで私が先頭に立って質問を仕掛けているので、何故、そのような質問をしたのかを説明してみようかなというのが今回の趣旨になります。


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諸事情を説明すると、今回のIRセミナーは質問時間を20分取っており、下手をするとかなり時間が余ってしまうので、そうなりそうになった場合に備える必要性があったんですな。しかも今回参加する企業は、BtoB企業でなかなか質問しづらいのではなかろうかという懸念があり、質問の手が少ないようなら積極的に関与する必要が出てきたということでして、結果、3社全部に質問をすることと相成りました。

若干予習はしましたが、予め質問を考えてたわけではなく、むしろ難題叩きつけたほうが面白い展開を期待していたりしてました =)。


そもそもログミーファイナンスって何?



私は内部の人ではないのですが、なぜか説明することが多くなってきたので書いときます。

ログミーファイナンスは、機関投資家向けの決算説明会の内容を記録し公開することをメインの事業としています。今まで、機関投資家向け決算説明会の内容は、個人投資家には非公開であるところが多く、不満が出ていました。そんな中、書き起こしで事業展開をしていたログミーの部隊が説明会に入り込んだ、というのが走りになります。

興味深いのは彼ら、株式投資が分かっていないという点です(※ホメてます)。

つまり情報に色がない。

これはかなり重要なことでして、何が重要でそうでないのか分からないので、発言をそのまま書き起こすことに専念しています。今までセルサイドが書いたレポートを通じてでしか決算説明会で話されたことが分からなかったことからすれば、これは大きな進歩と言っていいと思っています。とはいえここまで来るのにかなりのアゲインストだった話も聞かされており、業界としての閉鎖性も問題でありましょう。

彼らはそこに風穴を開けてやろうという野心があり、これからの展開にも期待しています。

よく聞かれる質問に「機関投資家の質疑応答の内容について書き起こしはされないのか?」というのがあります。彼らとしても書き起こしたい要望はあるものの、企業側の心配もあってケースバイケースなことが多いとのこと。うっかり余計なことを喋ってしまう懸念を気にしているのかもしれませんが、決算説明会で話された発言はすべての投資家が知り得るべき開示情報という認識は持ってほしいとは思っています。

これは個人投資家側の要望としても伝えていかないといかん、とは思ってます。

でまあ今回の書き起こしをみたら私の質問がそのまま書き起こされてたわけでして、うーんそいうことだよねえ、とビミョーな気分にはなりましたとも =)


7320 日本リビング保証


日本リビング保証は、住宅設備の延長保証サービスを提供する企業です。'18/03上場。四季報の同業他社にあんしん保証[7183]ジェイリース[7187]イントラスト[7191]

予習には以下のサイトを利用しました。


いつものB/Sの確認。GMOクリック証券の財務分析より。


上場直後もあって現金は多めなのですが、ビジネスモデルとは言え自己資本比率の低さが目に付きます。この状態で配当を出すとみなし配当になりかねないので、初配は時間がかかりそうな印象です。

もうひとつ。B/Sの負債で大半を占める長期前受金とリンクする資産に弱さを感じました。よもやとは思いますが、NOVA事件のようなことがあれば経営が危うくなります。ぶっちゃけて言うと現金が足りないのかなと。そんな状態で不動産投資という財テクに手を出しているあたりはどうなのかなと思った質問がこれ。

御社の自己資本比率を見ると、1桁台となっています。そうなると、何か問題があったときに対処しにくいのではないかなと思ってます。それに対して、何らかの対策はありますか? 
無借金ではあるけれども、自己資本比率があまりにも低く、現金も少ない状況にあるので、何かあった際にどうなるのかなと気になっています。そのあたりの話を聞かせてください。

回答は30億円程度の現金化する資産があるので大丈夫とのこと。この手の質問になれているのかもしれん。

もう一点の質問。

保証料の入金とともに、損害保険料の支払いも同時に行われるという認識ですが、入金として10万円をもらっている段階で、損害保険料の値上げが行われると、また状況が随分変わってくるのかなと思っています。

保険会社への再保険での値上げ懸念を上げてみました。これは不動産業との絡みもあります。多分、その点を考慮して保険料を決めているというありきたりな回答が来るかなとは思ったのですが、この点のリスクがどの程度影響あるのかが聞ければ儲けもの程度でした。

私どもが保険会社から評価されているのは、ロスコストを抑える力がある点です。例えば、給湯器が7~8年目で壊れたとします。普通に給湯器の会社さんに行くと「もう交換時期ですよ」といわれて、7~8年で必ず交換させられます。

ところが、我々はプロなので、部品さえあれば……クラシックカーではないですが、部品さえあれば絶対に動くのです。部品の供給年数がだいたい13~15年のため、絶対に交換はせず、修理で済ませます。そうすると、交換したら30万円かかるところを、1万5,000円で済ませることができます。

素晴らしい。これよこれこれ。参入障壁の低さを補う付加価値がこいうところに表れているのは、ちゃんと説明したほうがいいんじゃまいかと思うんです。

こいう工夫、個人投資家は好みますよ =)。


2334 イオレ


イオレは、ネットサービス「らくらく連絡網」を運営している企業です。四季報の同業他社にじげん[3679]フリークアウト・ホールディングス[6094]

新規のネットサービスを展開するのではなく、既存のサービスを活用した広告システム「pinpoint」を成長の柱にしています。既存サービスで持ち合わせている顧客のセンシティブな属性を広告事業に活かすのが作戦です。Indeedとの連携あたりを聞こうかなと思っていたんですが、なんか変わっちゃいました。

DMP事業を軸にする企業が増えてきたので業界の状況を聞いてみました。

DMPという業界は、たぶん参入しているところがけっこう多いと思うんです。御社の立ち位置的に、DMP業界でどれくらいのシェアを持っているのか。もしくは、そのシェアを広げられるのかという話を聞かせてください。

戦略としてDMPを外に開放するのではなく、自社で管理できる範囲で限定公開する方向のようです。シェアを広げるとしたらIndeedのようなサイトとの接続数を増やすことが重要かもしれません。

次に漫画村ね。ネット広告の問題と行ったら漫画村でしょ。これについてはDMPが外向きに公開されておらず、利用する媒体が限られているという点で納得しました。大丈夫でしょう。

Cookieの話、というかネット広告とプライバシー対応というのが、最近のこの業界の課題でしてこの質問の回答の仕方で経営のあり方をみます。様々な回答がありますが、国内で問題ないから大丈夫、という回答を示すところは、成長性とリスクへの対応力が低いと考えています。

みなさまが「LINE」などを使う際に、インストールされると思います。このインストールするときにデバイスを特定する、iOSユーザーであれば「IDFA」というIDがございます。Androidユーザーであれば、「Advertising ID」がございます。このIDと匿名加工化した情報を弊社が紐付け、IDでの連携を各媒体さんと行っていると(いうことです)。そのようなところで申し上げると、確かにITP問題などは悩ましいものではあるものの、弊社に関しましては(影響は)限定的なものかなと思っています。

知ってた =)


3987 エコモット


エコモットは、建設を支援する機器を開発する企業です。'17/06上場。四季報の同業他社にオプティム[3694]テラスカイ[3915]ユビテック[6662]

以前、取り扱っていたので割と予習は不要でした。


まずは利益率が低いところから攻めています。

1点目なのですが、売上高と利益のところを見てみると、ちょっと御社は粗利が他の会社より低いのかなと思っていて、このあたりに何か理由があるのかなと気になっていまして。ソフト屋さんってけっこう、10パーセントぐらいの利益率があるじゃないですか。

御社の場合はたぶん一貫でやっているのですが、どちらかと言うと「物販で売上を立たせているのかな?」というイメージはここから見えたので、粗利がちょっと低めな理由を教えてください。

回答は素直に物販中心が原因であることを言っています。想像通りですがもう少しはぐらかすかと思ってた。となると利益率が高いストック型のビジネスのスピード感はどの程度を想定しているのかが気になるところ。残念ながら時間切れで聞けず。

2点目の取引先が官公庁中心なのか聞いてみたところ、こちらは想定外。官公庁相手でも利益率は変わらないとのこと。官公庁相手だと売上が政府に依存することになりあまり宜しくないかなあ、と思って聞いてみた次第。

3点目です。御社は、営業キャッシュフローでマイナスが多いじゃないですか? これ、どうなのかなと思っていまして。(決算資料を)見てみると、売掛金の回収がけっこう長引いているのかなというのがあって、それは何か理由があるのかなと(思っています)。回収が遅れると、あまりいいことじゃないのかなと思っています。

これは回収の遅さを疑っています。実はこれ前期4Q決算以外にも今期2Q決算でも営業CFがマイナスを推移しています。売上が急増している場合には回収が遅れがちになるケースはままあるのですが、マイナスの期間が長すぎるのは経営の弱さを感じました。

取引先との立場の弱さが続いているのか。最悪、粉飾の定番(?)でもあるのでこの辺の回答次第ではどうかなあ、と思ってたりして質問しました。

そして、営業キャッシュフローです。1つとして、やはり下期偏重のため、3月に売上が集中します。そのため、年度末にきたときに、営業キャッシュフローが赤くなることがあります。

もう1つは、売上債権の回収です。コンストラクションソリューションの「現場ロイド」、土木のやつ(IoT)ですが、土木・建設の商慣習と言いますか、受取手形を出すお客さまがかなり多いんです。なので、回収に120日~150日が当たり前にあるところがあって、キャッシュ的に少しきつくなる。売上が上がれば上がるほど、営業キャッシュフローは赤くなるという状況になっています。

せやろな。

とはいえ2Q決算の営業CFの説明にはなってないよね。回収に時間がかかってるのは取引の立場が弱い証拠です。ストック型ビジネスでもこの遅さですと気掛かりなことは多いですよね。

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