2014年12月17日水曜日

2686 ジーフット - 野村IRフェア2014

2686 ジーフット


ジーフットは、イオン系列の靴小売業です。四季報の同業他社に2670 ABCマート8185 チヨダ9990 サックスバーHD。ASBEEがABCマート、Greenboxがチヨダの東京靴流通センターのビジネスに近いかもしれません。

20代のヤング層向けのASBEEとイオン店舗のGreenboxの2形態を中心に出店。

Greenboxは、什器や賃料の出費がなく売り上げに応じた出店料を支払うので比較的出店費用が少なく出店しやすい特徴がある。イオン店舗の靴販売なので広く世代に合わせた品揃えと上履き等の販売が出来るので安定した売上を計上出来る特徴がある。400店舗ちょい。

ASBEEは、ヤング向けに展開。300店舗ちょい。川崎ラゾーナ店は坪面積あたりの売上がトップ10に上がる程の好採算。坪面積はASBEEの中では小さい。

  • 中期計画は公開していないの?
    内部用には用意しているが外部には公開していない。イオンとの兼ね合いがあって公開出来る時期とそうでない場合がある。来期は公開する予定。
  • 直近の既存店の月次が悪化しているんだけど?
    10月の既存店は90%を切っているが、これは計画的に行っている結果。今までは売上重視で今の時期辺りで全品20〜30%オフセールを行っていた。確かに売上は伸びていたのだが粗利率を下げることにも繋がり、人件費も上がる割には利益が上がらない商売をしていた。このセールを抑制し、割引セールの製品を絞ったため、今期の既存店の売上が減ってしまった。一巡するには来年の今頃まで掛かるかもしれない。
    イオンとの兼ね合いもあってセールをやらないわけにも行かない状況もある。
  • 名証とかありえへんわ、鞍替えどうよ?
    検討はしている。今の規模だとマザーズではない。とはいえ東証を狙うには株主数が足りない。またイオンが7割方株を保有しているのもネック。イオンとの協議を続けてる最中で度々、立会外分売をして株主数を増やしている。今後も徐々にイオンからの売却が増えてくれば鞍替えも視野に入るかもしれないが、イオン次第なので何とも言えない。創業者が持株をすべてイオンに売却したため7割に達したが、それまでは5割程度だった。
  • 為替の影響どうよ?
    為替の影響は左程受けていない。300社程度の靴製造から商社を通じて購入しているので為替分はある程度、商社がクッションになっている。価格転嫁は、季節の変わり目の品替えをするタイミングで比較的すんなり行える。定価が意識されにくい利点もある。
  • 原油安の影響どうよ?
    メリットが多い。輸送コストの増加が重荷になっていたが原油安のお陰で価格交渉がしやすくなった。また原油は靴底の原料でもあるのでコスト削減にも繋がる。
  • M&Aどうよ?9892 卑弥呼とか買収しちゃおうぜ!
    以前、卑弥呼の話はあった。販売網が百貨店中心でシナジーが少ないのと、卑弥呼の場合、小さな靴工場の集合体で構成されていてそれらとの融通性や、創業者やその相続者等の状況を見るとM&Aするには適していないと判断した。足りない部分はM&Aで補うという考えは持っているがいい話というのも中々出てこない。
    検討は続けている。
  • PBブランドどうよ?
    粗利率に影響するので随時進めている。現状は33%だが40%程度まで自社のPBブランドを立ち上げたいと考えている。ゆくゆくは50%あたりまで引き上げたいがそれ以上となると業態的に難しいのではないか。
  • ABCマートと比べて利益率低くね?
    PBブランドが多く、靴を絞っていて、販売が上手い。PBブランドについては随時進められるところから進めていきたい。

    ABCマートの個々の店舗の売り方や出店とかもちょっと教えてもらったんですが省きますね =)。同業他社をよく分析していて利点と欠点をよく把握していました。凄いわ。
  • 今後の出店計画どうよ?
    ASBEEの知名度を高めて、首都圏中心に出店を伸ばしていきたい。Greenboxはイオンの出店に合わせて今後も継続的に出店をする。
  • 人件費高騰の影響どうよ?
    出てきてはいる。地域に住んでいる人達を中心に採用し、教育に力を入れていて定着率に寄与している。接客力に自信。人材確保という点では苦労している。

    ここでもABCマートとの比較が興味深かったのですが色々アレなので省きますね =)
  • 品揃えが総花的でこれといったブランドがないだが?(ABCマートを横目に見つつ
    今後の課題。見せ方を工夫していきたい。

    何か一つ、インパクトのある新製品・新ブランドを出せたら顧客も喜ぶし、従業員も売上が伸びて自分達の成長を糧として頑張れるし、株価も上がって株主も嬉しい。沈んだ日本経済を浮上させるキッカケになるかもしれない。すべてが上手く回るのでぜひ頑張ってください、と言っといた。
  • IRサイトがあまりにもショボイんじゃが?
    今後の課題。今まで人材が少なくIRまで力が回せなかった。もう少し時間が欲しい。

この銘柄は、月次と決算の状況で成長過程に入ったんじゃないかと気になっていたんですよ。何かあるのはなんとなく分かっていたのですが、IR資料がショボくてそれを掴むことが出来ませんでした。今回のIRフェアでようやくキーが揃いました。

今のままなら大して面白みはないかと思います。課題だらけです。

だけどね。これは確実に改善出来ると思うんですよ。課題が認識できれば解決するのも努力次第で何とかなるものです。靴小売は過当競争が少なく比較的恵まれたビジネス環境で、イオン系列という安定した収入もあり、成長戦略を持っている。足りないものが埋まった時、私は今の株価のままではないと直感しています。まあ時間は掛かるでしょうし、数年は今の株価を続けるかもしれません。まあ見てておくんなまし。

今回のIR担当の方はよく理解していて当たりでした。他にも個々の店舗の坪当たりの人数や接客対応、出店場所、同業他社との比較など色々聞いてみたのですが、よく分析していました。纏めるために色々資料を見たら今日のIR担当者そっくりの顔写真を見つけました。その下の肩書に「取締役社長」って書いてあったんですが、気のせいですよね。

見なかったことにしましょう、、、orz

(追記:14.12.18)


偵察に行きました =)。

近場にイオンが無かったので品川シーサイドにあるイオンまで足を延ばしました。駅からも結構歩きました。品川と言っても完全にロードサイド店ですね。

Greenboxは、完全にイオンに溶け込んでいてフロアの一部になっています。別会社が運営しているとは思わないでしょう。12畳程度の敷地に子供靴や上履きが所狭しと置いてありました。学校で使用する上履きは販売できる店が限られるのでとてもイイ収入源でしょう。店員もレジもイオンと共用ですので確かに人件費は掛からないでしょうね =)。売上はイオンと折半になってしまいますが、安定した運営になるでしょう。

ASBEEは、狭いと言われていた川崎ラゾーナ店。客入りは悪くない。セール中の商品が多かったのが気になったかな。Leeというブランドをやや前に出している印象だったけど、やっぱりパッとはしないかな。ビジネスマン用の靴は欲しいな。ブランドを絞って用途別に商品を数多く並べて、店員の数を押さえるのが良さそう。ABCマートの真似はしなくてもいいけど、良い所は吸収してほしいねえ。店員は3人で広さはマクドの150人規模位。

課題が多くていいじゃないですか =)

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