2019年5月11日土曜日

1973 NECネッツエスアイ - 華咲く中小型 ('19/02)

華咲く中小型(スパークス・M&S・ジャパン・ファンド)まとめ

1973 NECネッツエスアイ


NECネッツエスアイは、オフィスのインフラ整備を行っている企業です。NECが筆頭株主。四季報の同業他社に伊藤忠テクノソリューションズ[4739]ネットワンシステムズ[7518]コムシスホールディングス[1721]


NECネッツエスアイはNEC向け工事会社として1950年代に設立された企業です。当初はNEC社の製品の設置工事を専らとしてきましたが、ネットワーク需要の多様化などを背景にNEC社への依存度を引き下げてきました。現在NEC社向け売上は同社全体の3割に留まります。同社は、主に国内のネットワーク構築市場を事業領域としています。国内のインターネット普及は一巡し成長余地は乏しいように見えますが、生産性向上や働き方改革などネットワークの活用による市場の拡大余地は大きいものと考えます。特に、同社はネットワーク設計、施工、運用に至る一連のソリューションを提供できる、という高いプレゼンスを有しています。

一方で、過去旺盛だった携帯電話向け基地局設置工事や地方自治体向けの防災無線デジタル化など、今まで業績を牽引した事業の需要減少により業績が伸び悩んだ結果、市場からの成長期待が剥落している状況にあります。通信キャリア各社は「5G化(第5世代移動通信システム化)」においても設備投資の抑制を続ける方針を示しており、市場参加者が成長期待を持ちにくいことも事実です。

しかし、私どもは、情報化の進展は構造的なものであり、同社が国内のネットワーク構築市場の中で高いプレゼンスを持つことを鑑みれば、中期での成長確度は高いと考えています。加えて、通信キャリア向け事業においても、KDDI社と合弁会社を設立するなど着実に布石を打っており、NECネッツエスアイへの再評価が進むものと考えます。

評価できるのは今期から始まった三ヶ年の中期経営計画でしょう。この企業の成長速度からするとかなりアグレッシブな計画になっています。同業他社と比べても強いでしょう。


いつものB/Sの確認。GMOクリック証券の財務分析より。


緩やかながら着実に成長しているのが分かります。

比較的現金の保有比率が高いのが気になります。負債に前受金がないところを見ると工事の回転率が高いのか、立場が弱いのかあたりかな。手元に現金を持っておきたい理由なのでしょう。

続いてFCF。


安定してキャシュが稼げているのと事業投資の少なさが分かります。

配当は、13期連続増配を謳っています。DOEを意識しているあたり、投資家を意識しているようで好感が持てます。


5Gでの需要は当分先のようですが、5Gに向けた投資(5Gラボ?とか言ってたかな)は着実に行っているようです。期待できそうです。

これはこの企業に限らずこの業界全体の話なのですが、売上は4Qに集中しそれ以外はほぼ赤字を計上します。なので4Q決算が株価の一時期の天井を打つことが多いことは一応、一般論として言っておきますね =)。

IRページの充実は評価できます。1000番台の銘柄でここまで頑張っているのは珍しいでしょう。

  • IR | NECネッツエスアイ
    IR本拠地。決算説明資料、動画(音声)、中計、質疑応答ログ、個人投資家向けページあり。

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