2019年5月17日金曜日

2820 やまみ、2810 ハウス食品Gとの提携した理由を考えてみる (19.05.17) - 銘柄ミニメモ

銘柄ミニメモまとめ

やまみの19.05.13のIRニュースより。


ハウス食品が一方的に資本提携してくれる。第三者増資ではないので株数が増えるわけでなく、保有株数は3.5%と経営に口を出すレベルにないわずかな数なのは好感が持てました。提携は新規事業のみなのでしょう。

で、何をやりたいのか。


米国の豆腐事業の逆輸入


ハウス食品の米国での豆腐関連事業を国内に逆輸入したいのかなと読めました。

そもそも国内でハウス食品の豆腐は見かけたことがありませんし多分、シェアもないと思われます。国内に生産技術を持った工場を持っていないのでしょう。一方で、米国での豆腐事業は圧倒的なシェアを持っているとのこと。

2006年には東海岸のニュージャージーに工場を設立し、アメリカ全土への展開が可能になり、売上を更に伸ばしています。現在では、ハウス食品はアメリカにおける豆腐シェアはナンバーワンになっています。

アメリカでは、しらたき、お揚げ、こんにゃくなども製造販売しています。しらたきはダイエット食品として注目されており、しらたきに豆腐を混ぜた「豆腐しらたき」を販売したらヒット商品となったようです。
-- ハウスは豆腐のトップメーカー? | 気になることを調べてみましょう

米国で培ってきた商品を日本でも展開したいのでしょうね。豆腐しらたきってどんな味なんでしょう。カルフォルニア巻きの逆輸入っぽくて面白そうです。


分野調整法という法規制


もう一つ、分野調整法というのが絡んでいる模様。

分野調整法という法律によって、ハウス食品は豆腐事業を大々的に展開することを制限されています。この法律は、中小企業が行っている事業に大企業が参入することに歯止めをかけて、中小企業を保護することを目的としています。

以前、森永乳業が防腐剤を使用せずに常温で1年近く保つ完全滅菌真空パックの豆腐を開発して販売しましたが、分野調整法が適用されて販売中止になりました。分野調整法では、豆腐の他にもラムネや焼酎割用飲料などが適用対象となっています。
-- ハウスは豆腐のトップメーカー? | 気になることを調べてみましょう

なるほど。ハウス食品本体が製造すると法に触れる恐れがあるので、やまみを通して生産・販売を行いたいということなのでしょう。コトバンクによると、この分野調整法はオイルショック時に中小企業を守るために制定された法とのこと。確かに当時は必要だったかもしれない法かもしれませんが、現在は人材不足と言われてる状況で大きな資本が参入できないのはいかにも非効率です。

今や必要のない法と言えましょう。規制緩和というのはこのような法も関係しているのでしょう。


解禁された常温豆腐の可能性


米国で販売している商品を見てみましょう。


Organic and Non-GMO Tofu, Gluten-free noodles & more | House Foodsより。

よくは分からないのですが、セイボリーにまぶされたり揚げてあったりと食文化の違う商品がありますね。しらたきもあります。

見て分かる通り、米国の豆腐は常温保存ができる豆腐です。日本の場合、常温での豆腐の販売は法で許されていませんでしたが、最近になってようやく法改正が行われました。これもひとつの規制緩和と言っていいでしょう。

で、この常温豆腐、解禁になったもののあまり市場には出回っていません。私が検索した感じでは大手では森永乳業くらいしか製造していなかったんですね。

これはもったいない、ということで質問したのが3/24の勉強会の話につながるわけ(今日の雑談 (3/26))。あの時は聞いてる感じだとなんか歯切れが悪く、あんま検討していないんかなとガッカリしたんですが、水面下でちゃんと手を打ってたわけです。


ということで


この提携は、商品開発とネームバリューはハウス食品が、生産技術はやまみが担当する、日本での常温豆腐の開拓が狙いとみました。森永が出せてるのでハウス食品が出したって分野調整法には触れないでしょうし、触れそうならやまみが販売すればいい。

ハウス食品との提携で常温豆腐の経験を積んだ暁には自社でも当然オリジナル商品を出していくものかと思われます。

先は長いですが割と面白い展開が期待できそうです。

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