7059 コプロ・ホールディングス
コプロHDは、建設業向けの派遣業です。’19/03上場。四季報の同業他社にディア・ライフ[3245]、インターライフホールディングス[1418]、日総工産[6569]。ディア・ライフとインターライフが同業他社ってのは理解が難しい。派遣業としてみるのがフツーなんじゃないのかな。つか同じく施工管理士派遣を行ってる夢真HDを外すとか四季報は正気か?
<人材派遣会社がやるべきこと>
労働力人口の減少と堅調な景気を背景に、日本全体で人手不足が続いています。人材関連の企業にとっては、労働力を確保することさえできれば利益を上げやすい環境となっています。こういった状況下では、いかにして求職者にとっての評価を高めるか、そして離職率を引き下げるか、が経営のポイントとなります。そういった点で注目しているのが施工管理技術者派遣のコプロ・ホールディングス(7059)です。
同社の清川社長は、十数年前に派遣スタッフに対する過酷な取り扱いで社会問題となったクリスタルグループの出身です。若くして同社の施工管理技術者派遣子会社の社長を任されましたが、グループの体質についていけず、2006年に独立して同社を立ち上げました。
同社は設立以来、ほぼ1年に1拠点の新設ペースを崩さず、きちんとした管理が可能な状態で拡大を続けています。派遣技術者とはできるだけ密接なコミュニケーションを取るように努力しており、派遣先で精神的に追い詰められていないか、違法な作業に従事させられていないかなどもチェックしています。安全面に関しては、顧客である大手ゼネコンの担当者を講師として招くなどの施策を行っています。
従業員の定着に努めたことなどにより、同社の平均派遣料金/賃金は業界最大手を大幅に上回っています。また、離職率が低いことや力任せの採用を行っていないことから、求人費の負担も小幅にとどまっています。来期以降の建設需要端境期においても高齢技術者の引退により労働需給の逼迫が続くと予想されるなか、同社の戦略は妥当性が高いと判断しています。
派遣業は、マージン率(粗利率)を確認すると状況がわかります。
マージン率は、派遣先の売上から派遣会社が費用として差し引くコストの比率です。俗な言葉で言えば中抜きの比率です。マージン率は派遣法の改正により開示が義務付けられています。目安としてホワイトカラー(バックオフィス系)なら25%前後、ブルーカラー、技術者職なら30%前後が平均かと思います。
マージン率の高い企業は、離職率に気を付けた方がいいでしょう。このコストは、福利厚生費や各種保険にも使われますので一概に少ないほうがいいとは限りません。ただ長居する利点がなければ、手元の給料が増えたほうがいいに決まってますので、マージン率の低い派遣会社に転職してしまう可能性はあります。
マージン率を上げる場合、派遣者の手元の給料に直結しますので、比率の変更はかなり難しいと思っていいでしょう。よって派遣業の利益率を向上させる場合、販管費を削るしかなく、削ると当然、離職率が上がります。
さ、同業他社の状況をみてみましょうか。東京に近い事務所のマージン率を取り上げています。
- 労働者派遣のマージン率等公開資料 | 株式会社コプロ・エンジニアード
コプロHDの子会社。東京支社で38.7%、平均で40%近いです。 - 派遣法に基づく情報公開について | 夢真ホールディングス
夢真HDの東京本社で35.3%、平均で35%程度でしょうか。 - IR情報:情報公開|夢テクノロジー|YUME TECHNOLOGY
夢真HDの子会社で関東支店で28.91%、平均で30%。案外、マージン率高かったんですね。利益率が低いのはコストが掛かりすぎてるのかしら。 - 派遣法に基づく情報提供|メイテック
技術者派遣といえばメイテック、横浜で40.8%、平均で40%前後。
- 労働者派遣事業の状況について|ヒューマンリソシア株式会社
ヒューマンHDの子会社、東京本社で24.7%。 - パーソルテンプスタッフ株式会社 労働者派遣事業の状況について
パーソルHDの子会社、丸の内オフィスで20.5%、平均で23%程度かな。
ということでマージン率40%は相当高いと言えましょう。
離職率、平均雇用日数が知りたいところですが、HD化しているので有報では開示されないでしょうね。苦瓜さんの記事からすると離職率は低いとありますが、そうなると相当良いオペレーションかもしれません。私なら転職しますけど :-P
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さて、コプロHDの資料からは離職率が分かりませんので夢真HDの資料で代用します。18.12.19の第40回定時株主総会 決算説明資料(PDF)を参照しています。
定着率の裏返しは離職率になります。つまり30%近い離職率なんですな。派遣業の離職率は業種によって異なるのですが、大体20%あたりが実感でしょうか。
ちなみに上場企業の従業員ですと10%は切ってもらいたいところでしょう。IT系は20%行ってしまう場合もありますが、採用費用と言う名の人件費がかさむことになるので、業界としても考え方を変えるべきだと思うんですけどね。まあいいや。
離職率が高くなるとそれを補うためにまた新人を雇用し、教育する時間とコストが掛かります。人材難の時代に離職率が高いというのは非常にもったいないことが分かっていただけるかと。
コプロHDの離職率が知りたいなあ。
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どうでもいい話かもしれんが役員報酬が気になった。
2億円て、高くね?
後、株式会社コプロ・エンジニアードの採用情報(初任給/従業員/福利厚生)|リクナビ2020とかもちょっと引っかかることがあるんよねえ。収益性、成長性はあると思うんだが持続性にやや疑問ありといったところかな。これは直接聞かないと分からないや。
- IR情報 | コプロホールディングス
IR本拠地。決算説明資料の用意あり。個人投資家向けページあり。
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