2015年6月24日水曜日

【株主総会メモ】 3800 ユニリタ (15.06.17開催)




3800 ユニリタの株主総会に参加してきました。旧社名のBSPの方が分かりやすいかもしれませんね。

目的は、優待が新設されたので何か持ってたと言うのもあるのですが、今後、企業の設備投資が増えていく過程で、今まで更新されてこなかったソフトウェア環境が大きく見直されるのではないかとの思惑を持ってまして、その中の一社にこの銘柄がありました。ユニリタのホームページを見た感じですと、積極的に個人投資家向けにIR活動をしているというのも印象が良かったです。

日程は、どこの企業とも重なる事が無く、参加しやすかったのもプラスでした。

場所は、第一ホテル両国。JR両国駅から現地に向かったのですが、見た目より歩きました。オススメの大江戸線を使うのが正解ですね。

参加者は、300人規模の会場で300人+αと大賑わい。急遽、会場外にも椅子が設けられるほどでした。個人投資家が多く、ヤング率は高いです。フレンドリーな雰囲気でして、経営者の方が株主さんをよく覚えていて話しかけていたのが印象的でした。ギュウギュウ詰めで窮屈であったものの、ボッチ感はありませんでした。お勧めです。

質疑応答は以下の通り。

  • メインフレーム事業への割当が低いのではないか?
    現在7名がメインフレーム事業を担当しているが、維持管理を行う分には十分と判断している。メインフレーム事業は先々の事を考えると拡大は難しい。顧客は軽いシステム(オープン)への変更を希望しており、システム運用事業へ切り替えている最中。スピード重視。マーケットシェアを獲得していきたい。

    同意。メインフレーム自体が維持管理できる人材が減っている状況なので、いずれ顧客も切り替える記事を迎えるまでには、対応を間に合わせる必要はあるでしょうね。
  • データ活用事業のM&Aってシナジーあんの?
    前期、データ活用事業としてビーコンIT社と合併した。このビーコンIT社は、元々は一緒の会社で、事業分野が違うと言う事で別れたのだが、今回シナジーが見込めそうなので元の鞘に収まった。
    今まで利益が低かったのだが合併で黒字化が実現できた。今まで顧客ニーズに応え過ぎて強みが活かせていなかった。自社技術を生かす営業を心掛けている。全体としても合併で底上げされている。
    リストラは行っていない。人が足りない分は補充している。離職者のない珍しい合併で、恵まれている。営業は50名と今の規模では多い方。

    主力はパッケージ販売ですので営業が多いというのはプラスとして捉えた方が宜しいかと =)。
  • 人材確保どうよ?
    採用はうまく行っていない。人手不足の環境では、いい人材が大手に持っていかれてしまうので、景気がいい時は積極的に採用はしない方針。逆に景気が悪くなった時に人を多く採用する方針。今期は絞り込んで10人程度を予定。
    平均年齢39.2歳、平均勤続年数9.7年とソフトウェア業界にしては人が辞めていない。既存の社員に対して新しい技術に切り替える様、育成しているが時間は掛かる。1年で2割、3年で6割の社員が新しい技術を習得する計画にしている。

    ソフトウェア業界にしては実に素晴らしい就労状況なんですけど、新しい技術を覚えるのには若い人の方がいいんじゃまいか、と食い下がってみたんだが何とか今いる人材で切り盛りしたいらしい。今後の成長に対して人数が少ないんじゃないか、と食い下がってみたんだが、パッケージソフトウェアの特徴からすると、そんなには人は要らないとの認識でした。
    子会社戦略あたりで、子会社の方が若い人材が多そうな感じでしたので、そっち側がフォローする形になるんだろうか。
  • 今更SaaSて何すんの?
    現状のパッケージソフトウェアのSaaS対応を行っている。様々な用途に合わせた手段の一つとして開発する。大企業のプラットフォームからの移行を狙っている。

    クラウド戦略の中の一つ、という位置付けっぽい。成長戦略のバズワードとして盛り込んだ感半端無いw。上手く嵌れば新たなストック型ビジネスとして面白い展開が出来そうなんですけど、まあ様子見でしょうこれは。

  • 鞍替え上場どうよ?
    1部上場は目標。どこかのタイミングでチャレンジしていきたい。
  • 優待の負担どうよ?
    長年の株主からの期待に沿った形にした。
    前年度までは否定的だったのだが度重なる株主からの要望で検討を繰り返した結果、今回の優待を実施した。お蔭さまで前年度と比べ株主数はグッと増えた。負担はあるがいずれかのタイミングで回収できるものと考えている。
    タイガースファンのような株主を増やしたいと考えている。

    回収、という言葉でふと増資が浮かんだんだがまあしばらくは大丈夫でしょう。一部上場のタイミングで増資はあり得そうですけど =)
  • システム運用の業績が伸びない理由は?
    他社が入ってこない領域を中心に開発を行っているが、一気に出来るものではない。その分、参入障壁が高い。営業は既存顧客を中心に回りたがるが、新規顧客を増やすのが企業の健康のバロメータと考えている。
  • 報酬枠を増やした理由は? (第6号議案 取締役の報酬額改定)
    今回のM&Aで枠を増やした。H12年に設けた報酬枠でM&Aによる役員増や社外取締役の分を考えると心もとないので枠を増やした。現状、ギリギリの範囲で支払いは出来ている。
    役員報酬は私(竹藤)の一存で決められる訳ではなく役員会を経て決められている。
  • 株価が評価されない理由は?
    事業にセクシーさがないとよく言われる。地味で理解されにくい事業であるのかもしれない。今期は宣伝広告費を少し増やす。新しい事に挑戦する事で評価されたい。
  • IR方針どうよ?
    機関投資家向けには取材を受け、話をし、記事を書いてもらったり、レポートを書いてもらったりしている。個人投資家向けにはHPやレポート、今回の懇談会を通じて知ってもらう工夫をする。

    質問者はIRフェアに参加してもらいたいようだった。
  • 日経新聞からBSPという企業名が無くなってびっくりした!
    社名変更については事前に通知を送ってはいるのだが、届いてなかったのかもしれない。
  • 海外戦略の中国どうよ?中国は不安!
    現在20名程度の規模。海外に出たい目標がある。可能性に掛けているが軸足は日本にあることは変わらない。
  • BIG DATAどうよ?
    現状、ビジネスには至っていない。金融機関を中心に研究開発段階。データをどう生かすのかが重要になってきている。
  • 配当性向とROEどうよ?
    30%+優待で応えて行きたい。ROEは平均の10%より上で合格点だと思っている。
  • 定款変更の農業ITは具体的なビジネスはあるのか?
    無い。夢、希望の段階だと思っていただきたい。

    ハッキリと答えてきやがった。リスキーな定款変更を気軽にしてくるあたり、ちょっと面白かった。フツーの経営者とはズレてそうだ =)
  • マイナンバーの影響どうよ?
    無い。

    ハッキリ答えやがったw。含みを持たせるとかリップサービスとか全くない所に男気を感じますた。
  • 状況がいい時に人員整理した方がいいんじゃね?
    今ある人材を活かしていきたい。退職金精度は無く、年功序列もないのでボンヤリしているとちっとも給料が良くならない企業なんだが、それでも辞めていかない。
  • サイバー攻撃対策どうよ?
    ウィルス感染は2件発生しているが個人情報などの漏えいは発生していない。セキュリティはイタチごっこだが何もしない訳にもいかず常に監視する事が重要と考えている。
    セキュリティは隠さない事が重要。

    分かる。分かるが個人投資家には分からないと思うわ、その感覚。

この後の株主懇談会が本番 =)

  • ホームページ開いたらイキナリ動画が再生されるのはビビるので止めれ!
    対応する

    まだ対応していないぞおいw。
  • 競合どこよ?セールスフォース?
    特定の企業と直接競合する事は無い。製品ごとに競合する事が多い。その中の一つにセールスフォースが含まれることもある。
  • クラウドは自前で持つの?
    クラウドを自前で持つことはしていない。顧客が自ら持っているプライベートクラウドに対応する事はある。AWS(Amazon)、Azure(Microsoft)等のパブリッククラウドにも対応している。
  • SaaSの顧客メリットって何?
    顧客が希望すれば対応する。従来のパッケージと併用する形になる。
  • パッケージ商材、多過ぎね?
    少ないと考えている。もっと増やして顧客の選択肢を増やしたい。
  • 受注から納品までの日数は?
    2ヶ月位(記憶が薄いのでもしかしたら正確を期していないかも。でも相当短いのは印象にある)。パッケージなので時間は掛からない。
  • 保守サービスの比率どうよ?
    4割程度は保守メンテ。

    利益の高いサービスで安定している特徴があるのでこの比率は心強い。
  • 中計の目標値、高過ぎね?特に最終年度
    確実に達成できる数値と言うよりはチャレンジングな数字にはなっている。新規技術への対応が出来れば達成できる数値ではないか。

    先の見通しは見えにくい状況が続く感じですかね。しかしまあストレートにズバズバ答えてくれるので気分はイイ。痛快と言ったらいいのだろうか。

10時開会 → 10:30質疑応答 → 11:30閉会後、株主懇親会へ。

事業転換の真っ最中でしたね。現状、キャッシュカウ状態のメインフレーム事業が廃れる前に、何とか今いる人材を新規事業に回して製品の幅を広げよう、という戦略のようです。キモは既存の人材の技術習得速度と営業でしょうね。

転換期特有のリスキーなタイミングではあるものの、独自開発であることによる高収益は魅力が高いでしょう。先々が見えにくい状況ですが、上手く嵌れば相当長い間、利益を出す事業になるかもしれません。

でもクラウド技術って進化の速度がアフォみたい早いですからね。ナカナカ難しい課題です。


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