2015年6月25日木曜日

7587 PALTEK - '15/05の「担当ファンドマネージャーの見方」

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7587 PALTEK


PALTEKは、半導体を取り扱う専門商社です。四季報の同業他社に3132 マクニカ・富士エレHD2676 高千穂交易2760 東京エレクトロン デバイス

<結局最後は人>
企業の競争力の源泉は何か、という質問に、全ての事象を説明できる解答は存在しません。それは、資金力であったり、ブランドであったり、取引先との信頼関係であったり、さまざまな場合が存在します。しかし、最も普遍的に競争力の源泉となっているのは社員であると考えています。そして、その力を背景に、10年前の主力事業喪失からついに立ち直りつつある企業がPALTEK(7587)です。
同社は半導体の輸入商社で、中でも携帯電話基地局や医療機器など高度な電子機器の心臓部に用いられるFPGAに強みを持っています。FPGAとは、パターン化された論理回路を大量に搭載した半導体で、専門的なプログラムで操作することにより、複雑かつ多様な用途に対応することが可能です。メーカーとしては、米国のザイリンクスとアルテラがほぼ市場を二分しています。
同社は操作プログラムの開発力に強みを持ち、かつてはアルテラ製品で100億円以上の売上高を上げていましたが、10年前に米国本社の方針変更によって突然商権を剥奪されました。直後にザイリンクスの販売権こそ獲得しましたが、大口顧客はすべて既存の商社に押さえられています。仕方なくアルテラ時代からの顧客である中堅・ベンチャー企業を攻略しましたが、両社製品の基本設計はかなり異なるため切り替えには多大な労力とリスクが伴います。一時FPGAの売上高は20億円台にまで落ち込みましたが、その後「過去の自分たちと戦うような」地道な活動を積み重ねた結果、昨年は80億円台にまで回復しました。
その働きが認められ、今年に入ってザイリンクスは複数の大口顧客向け販売を他社から同社に移管しました。FPGAの回路はどんどん複雑化しており、商社に求められる技術力が一層高まったことが背景と考えられます。主力事業喪失の中でも人員整理を行わず、技術力を向上し続けたことが、10年経ってようやく報われたと言えるでしょう。

PALTEK、懐かしいですね。一時期、バリュー投資家の中では有名な銘柄だったんですが、上記の理由から随分、低迷期が続いていました。今確認してみたら、割と悪くない状況まで復帰していたんですね。

上記のAltera社はFPGAという半導体を開発している企業なのですが、6月にIntelが買収することを発表しています。Alteraを扱う商社はまた色々大変そうですね。Intel系の商社に重きが置かれるんですかね =)。



個人的にはIntel社の過剰な生産設備を流用したかったのと、知財ポートフォリオを増やしたかったのかなと思ったのですがどうなんでしょうね。FPGAは、再設計可能な半導体でして、機能に応じて様々な半導体チップに多態できる製品です。ケータイ等、実装面積が小さい電子機器に活用されやすいようです。

でだ。

PALTEKでは、FPGAの技術サポートに注力しており、売り切り型のビジネスというだけではない強みがあるようです。様々な用途で使える反面、個々に設計が必要な商品なので技術サポートは必要不可欠なのです。

1Q決算は、かなりの営業利益だったのですが、金融商品(仕入値引債権)の影響が強いようです。判断に困りますね。

いつものB/Sの確認。GMOクリック証券の財務分析より。


流石、代表的な財務リッチ銘柄だけあって悪くない感じですね。在庫が多いのでこれの価値がどの程度なのかで判断が分かれる所かと。FPGAは廃れる速度は緩やかなので、気にし過ぎる必要は無いとは思うのですが、江守GHDの件もある事ですし注意は必要かもしれませんね。

ここ数年の棚卸資産の多さが気になりますね。金融商品絡みでしょうから、一概に判断しにくいのですが。

続いてフリーキャッシュフローを見ていきましょう。


落ち着いてますね。バランスが取れる様、色々調整しているのでしょう。

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纏めると、往年の割安株としては悪くは無いのですが、為替の影響を強く受けるのは嫌ですね。プラスでもマイナスでも大きくブレるのは好みではないです。

商社ですので配当性向を厚めに取ってほしい所ですが、PALTEKは20%程度と低め。ようやく事業が軌道に乗り出したという段階で配当を要求するのもアレですけど、そうなると他の銘柄にも目が移りますよねえ。

ビミョー。

  • http://www.daiwasbi.co.jp/products/search/fund/pdf/20150529_kogataSB37M.pdf

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