株主総会なう pic.twitter.com/1vKqabS2Xb
— Mc.N@休職中 (@SyncHack) 2015, 6月 20
4921 ファンケルの株主総会に参加してきました。
目的は、株主総会が土曜日開催だったことと、機能性食品の動向が知りたいというのがありました。ファンケルは初期の段階で機能性食品に注目しており、先行者として利益が出しやすい環境にあるのではないかと考えていました。
場所は、横浜アリーナ。コンサートにも使われる大規模会場です。最寄の駅が新横浜ということもあってGoogle Mapsのナビがしきりに新幹線を使えと奨めてきてウザかったですね。会場は半分を株主懇談会会場で、もう半分が株主総会会場という区切りになっていました。懇談会会場では、サプリと化粧品と即売会と健康チェックブースとファンケル銀座店の説明が設置されてました。即売会は結構な人気のようでした。
参加者は、1500人規模の会場で800人程度。土曜日ということもあって殆どが個人投資家で女性の割合が4割と相当高かったのが印象的でした。ヤング率も高いですし、お子様同伴の株主さんもいたようです。ボッチ感は少ないものの、ファミリーと女性が多いという点ではどうでしょうね =)
質疑応答は以下の通り。
- 戦略的広告投資って効果が薄いんじゃね?
化粧品は商品の認知、良さ、購入場所を意識した広告を打っている。ヘルスケアは、カロリミット、発芽米、青汁の広告を随時打っている。CM以外でもインターネットを活用しており、様々な媒体を通じて広告を行っている。広告後の調査を行っており、今のところ効果が高いとの認識。
売上の回復傾向が見られる状況で更に売上を伸ばすには広告が必要との認識。サプリの1万人無料モニターも広告の一環。3マス以外の広告でも頑張る。6/11の機関投資家向けの説明会以降、徐々に株価を戻しているのは、この広告戦略が一定の理解が得られているのではないかとの認識。 - 業績悪くね?
前期後半から回復し始めた。底を打った感が強い。今期は広告を積極的に打つことで売上増を目指す。 - ファンケル銀座店、どうよ?
前期は前の2.5倍の売上と業績を伸ばしている。現在、インバウンド需要をこなすため1階フロアーを改装している。レジを3台から6台に増設する。
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中国からの観光客がハコ買いしていくらしい。観光バスのスケジュールで、風のようにやってきて風のように去っていく人が多く、その速度にレジが付いていけないとのこと。 - 売上増の勝算どうよ?
中計で今後売上を3年で1.6倍に増やしていく。今まで同業他社と比べ売上規模の割に広告が少ないと判断。今後年間で70億円の広告費を積み上げていく。店舗の増加、インターネット通販、研究開発に力を入れていく。 - 中国どうよ?
174店舗出店。全体の売上は7%増にとどまっている。サプリメント部門が△7%減少しているが、これは中国でコラーゲンドリンクの風評被害が広がったため一時的に売上が減少してしまった。前期後半では影響が薄れている。 - 海外事業の展望どうよ?
台湾、シンガポールから撤退した影響で売上減になっている。撤退は赤字解消が出来なかったため。中国ではコラーゲンドリンクの風評被害の影響があり売上減になった。現在、台湾へは販売代理店を通じて展開しており状況はいい。
今後もアジアを中心として海外展開を続けていきたい。
- 社外取締役の役割は?
金融経験を生かした意見を貰っている。
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社外取締役は1名しかいない。コーポレートガバナンスとしては弱い印象。経歴からするとお飾りっぽい感じは否めない。 - 役員数多くね?
開発から販売まで一気通貫で事業を行っているので他社より役員数は多くなっている。必要な人数だと考えている。
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役員数14名、内社外取締役1名。プロパーで固めている傾向が強く、極めて内向きな人選に見えた。創業者が帰ってこないと纏まらない理由でもあろう。 - 女性の比率どうよ?
管理職で全体の34%、社員全体では60%が女性。 - 研究者の人数ってどれくらい?
スタッフ全体では170名、内従業員は150名。化粧品とサプリの割合は半々程度。来年には2号館が建設され、50名の増員を予定している。 - 店舗の女性のお肌が2人に1人はよろしくないんだがチェックしてんの?
店舗を回ってチェックしてる。1200名のスタッフがいる。販売員の健康状態も重要なパロメーター。
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スタッフ向けに割安で販売したらいいのにね。お肌チェックは定期的にシートで確認させるような仕組みが必要かもね。目視以外にも機械で確認するとかやったほうがいい。カウンセリングも用意したらどうだろう。
多分、そいう回答を望んでいたんだと思うが、気が回っていないというか。 - 池森さん(創業者)、一言!
一時引退したが、その後売上が低迷した。赤字事業を放置したりと社内のマインドが低下しているのが分かったので昨年から復帰した。今後、更に業績を伸ばすためには今、積極的な広告戦略が有効だと考えている。幸いスター商品に恵まれているのでポテンシャルは高い。ただし広告の効果が見られなければキチンと撤退する容易は出来ているので安心してもらいたい。
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経営者の中では一際、強いメッセージ性の発言が目立った。やはりこの企業は池森さんの企業なんだなという印象。後継者作りで苦労しそうだ =)
当方、懇親会会場で担当を捕まえて根掘り葉掘り聞くスタイル =)。ここからが本番ダヨネー
- 機能性食品の状況どうよ?
4/1から施行された制度だが、書類審査や試験で60日必要なので6月の今の時期にようやく商品が並ぶことになった。出だしは好調。 - 書類審査や試験の費用はどれくらい?
モノによって大きく異なる。数百万~数千万と幅広い。 - コンビニとか並べてもらえるん?
引き合いはある。機能性食品が盛り上がれば専門のコーナーが出来るのではないかと期待している。 - パッケージは日本語だけなんだがインバウンド需要やる気あんの?
パッケージは日本語だが、その他のラベルや札等は多種多様の言語を揃えている。 - 訪日観光客に売るにはドン・キホーテに置いてもらわないと不味いんじゃね?
一部店舗には既に並んでいるが、訪日観光客の多くはドラッグストアで購入するようだ。どうも中国の口コミチャネルがあるらしく、どの製品がどの店にあるのか理解した上で観光しに来ているらしい。 - 直近の好調な月次の理由は?
消費増税後の反動が見られた。広告の効果も強い。最近、サプリの容量を15日分の他に30日分というのを用意したが思ってた以上に好調で単価を上げることになったのではないか。 - 「えんきん」ってまんまじゃないですかw
6/19発売。機能性食品の制度を活用する事が出来た。中高年向けサプリとして期待している。
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今までのパッケージではブルーベリーが含まれているから目の疲れに期待できると悟らせるようなパッケージ作りだったんだが、今回のパッケージはブルーベリーというモノではなく効能を前面に出している所が新しいと思ってる。期待できるんじゃないですかね。 - 「ウコン革命」どうよ?期待しているんだけど?
ドリンクよりより強い効果が期待できる商品。今まで認知度が低かったが、今後、積極的に広告を打っていく商品。 - 単価高いけど他製品との優位性あんの?
○○mg配合という事ではなく、体内で効率がいいバランスを心掛けている。薬品が多く含まれていれば吸収されやすいと言う事ではなく、効果を得るには薬品のバランスが重要。 - 今期、広告費ブッコむみたいだけど、化粧品とサプリ、どっちが主体?
半々。
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利益面だと化粧品なんだけど、正直、サプリの方が成長性を感じているのでサプリに力を入れたらどうかとは思うんだが、、、
- インバウンド需要あんの?
強い。特にファンケル銀座店は人気店になっている。最近はMERSの影響で中国の観光客が韓国を嫌って日本を選択しているようだ。
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日本にMERSが来ない事を切に祈るわ。 - 銀座店のインバウンド需要ってどんな程度?
3割が訪日観光客の需要になっている。リニューアル中の松坂屋銀座店が営業を開始すれば、その駐車場を利用した観光客が更に増える見込み。 - 銀座店は人気のようだが何らかのリベートを支払ってるん?
観光ツアーには一切支払っていない。観光客の人気スポットらしく、観光客の希望で訪れている。 - 銀座店は化粧品とサプリ、どっちが売れてるん?
化粧品の方がやや多い。サプリは箱買いしていく客が多い。 - 化粧品って中国本土でも売ってるんだよね?なんで売れるん?
税金的なものが強いようだ。
13時開会 → 13:40質疑応答 → 14:45閉会後、遺伝子調査のセミナー参加。
思ってた以上の収穫があって満足です。懇親会の人達に色々聞いて回ったんですが、どの方も受け答えがしっかりしていて、人材面では恵まれているのが分かりました。ポテンシャルは高い企業なのでしょう。それを活かす経営が足りなかった、と言うのがこの数年だったのかもしれません。
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ちょっとポジショントークでもするかな。まだ仕込んではいないんだけどね =)。
まず今月4月の月次を見ていただきたい。
消費増税後の反動の影響は勿論なんですが、2年前の4月月次(6447百万円)と比べても売上の成長性はあるんですよ。スター商品が揃い始めているのも追い風でしょう。
機能性食品の追い風の波に乗れれば更に期待できるかもしれません。これは他社も機能性食品の優位性のある広告を打つことが前提にあります。今の所、トクホの駆け出しと同じく、見慣れない怪しい商品の位置付けですからね。
今回の機能性食品によるパッケージのインパクトを見ていきましょう。初の「機能性表示食品」が誕生! 「えんきん」「健脂サポート」、6月に発売 (PDF)より。
どうすか、このパッケージのインパクト。
中に含まれてる成分に大して変更はないんですよ。だけど、右のパッケージの方が売れそうな気がしませんか?顧客はブルーベリーを摂取したいんじゃなく、目の疲れを癒したいと思って買うんですもん。ご丁寧に「臨床試験済み」と頼まれもしないのに記載してるあたりにくい演出ですわ。6/19から発売なので売上はこれから反映されます。期待しちゃうな。
インチキ臭いという話もあるんでリンクを置いとく。
でもなあ。この手の商品はインパクトが全てだと思うんですよ。機能性食品の専用の棚が出来たらそれこそインパクトが強くなるし、消費者のマインドも盛り上がると思いますよええ。
さて。
今回、問題になっている広告費についてみてみましょう。以下は2015年3月期の決算説明会資料より。
積極的なマーケティング費用で今期は殆ど利益が出ない状況になります。設備投資や研究開発費と異なり、広告費は効果が出なければほぼおカネをどぶに捨てる行為です。
ただ今まで広告を積極的に打たなかった反動は強いですし、スター商品が揃い始めているのは追い風になるでしょう。後はこの企業のポテンシャル次第ですけど、私の見た感じだと相当ポテンシャルは高いですよ。今までは見せ方に失敗してただけでしょう、多分ね。こいう企業が正回転し始めると強いと思いますよ。そのキッカケは創業者の復帰でしょうね。
で、中期計画。
私は、栄養補助食品の年平均成長率25%に期待してる。化粧品の方は、顧客の切替コストを考えると従来の顧客が離れていかない程度に頑張ればそれなりに成長できると思ってる。
いつものB/Sの確認。GMOクリック証券の財務分析より。
かなり保身的なのは分かるだろうか。無借金で安定的にキャッシュを稼いでいる割に現金がブタ積み。ここ数年の配当性向は100%近い。
そんな企業が今期は背水の陣を敷いてきているってこと。仮に失敗しても致命傷には至らないとは思うけどね =)。
ファンケルのサプリメント展示 pic.twitter.com/FIK00JwnG3
— Mc.N@休職中 (@SyncHack) 2015, 6月 21
今日のオミヤ pic.twitter.com/yl20HMuc9s
— Mc.N@休職中 (@SyncHack) 2015, 6月 20
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