2015年6月14日日曜日

3857 ラック、3036 アルコニックス - 今日の決算説明会さん

決算説明会(@gantky1)さん、まとめページ

3857 ラック


ラックは、ソフトウェア開発の下請けを行う企業です。四季報の同業他社に3042 セキュアヴェイル4288 アズジェント4674 クレスコ







ラックは、昔からセキュリティ系では必ず名前が出てくる老舗ですね。NHKとか報道番組にもよくコメントを求められたりしてます。売上ベースでは、SI事業が7割、セキュリティ事業が3割程度です。利益率ではセキュリティ事業の方が高く、SI事業の方は一般的なソフトウェア下請けと同程度です。

セキュリティという分野は、ソフトウェア産業と同じく属人化が強く、人頭に比例した売上になります。セキュリティに強い専門家が必要で、一般的な業務と異なり、それなりの専門知識やらナウなクラッカーの手口を常に監視していなければなりません。また、その人たちが担当できる企業というのは限界があります。1人あたり数社程度が限界じゃないでしょうかね。

ウィルス対策ソフトウェアのようなパッケージとは異なり、規模の経済性は働きにくいと考えるが妥当でしょう。

監視サービスのシステム一式を置いてもらって監視する業務は数が捌けそうですけど、この辺りはシステム性能よりは営業力が問われる分野でして、ラックがそのあたりを得意としているかはビミョーではないかなと思うんですよ。

前に9783 ベネッセHDの漏えい問題の時に、ラックと組んだ報道を見てカタリスト来るんじゃね?と思ってポジションは持ってみたものの、株価が走らなくてガッカリしたものです。

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いつものB/Sの確認。GMOクリック証券の財務分析より。


総資産が痩せていますね。こりゃ意外。

ざっくり見た感じですと無形固定資産の部分が減っているのが気になります。その他流動資産の比率が高いのと、その他負債も比率が高い。株主資本は残念ですな。配当性向が高いのかな?

と、ざっくり目星を付けて決算短信を眺めるのがコツです。

無形固定資産は、のれん代でした。過去、大きな買収をしたのでしょうか。買収した企業は利益に貢献したのでしょうか。この辺りは深堀した方がいいかもしれません。多分、またM&Aをする事でしょうし。のれんの比率が高い場合、のれんの償却も一応目を通しましょう。

(7)のれんの償却方法及び償却期間
のれんの償却については、5年間の定額法により償却を行っております。
ただし、システムインテグレーションサービス事業の旧ディーラー事業の継承により発生したのれんの償却については、10年間の定額法により償却を行っております。

のれんの償却だと定額法が多いですね。5年は早い方かな。「旧ディーラー事業の継承」って何ですかね。

その他流動資産は、前払費用でした。長期契約の外注費あたりなんでしょうか。他のソフトウェア事業より規模が大きいのが気になります。契約が長いとなると、その間に不採算案件になったり契約変更になったりしてあまり気分のいい勘定項目ではないですね。

その他負債は、前受収益でした。これはいいですね。この勘定項目は、事業を請け負ってその分の前金として確保した現金が負債として計上されています。負債であるものの利息を払う必要がある訳ではなく、サービスを執行することでこの勘定項目は無くなります。サービスを提供する前におカネを貰えるというのは、受ける側が強い立場である必要があります。

配当性向は3割を続けているようでした。3割程度ならもう少し株主資本が伸びていいはずなのですが、利益率が低いのが影響しているのかもしれません。

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纏めると、セキュリティ事業は、ソフトウェアへの投資が増えるのと同時に伸びていくと思われます。マクロ景気の向上が確認できる度に、人材不足を補う形でソフトウェアへの投資が増えていくと思っているのでセクターとしては悪くないと思ってます。マイナンバーは、そのキッカケの一つでしかないでしょう。

既存の人材をSI事業からセキュリティ事業へ人材が移動できるようだと期待できそうですが、専門性が強いですので難しいでしょう。となるとM&Aで関連事業を拾っていく感じで規模を広げるのであれば、成長性に期待できるかもしれません。

でもなあ。

売上330億円、純利益13億で、従業員1491名と言う事は、1人あたりで換算すると2200万、87万とまあ平均的なSI屋さんですよね。

現時点の株価はカタリスト働き過ぎで実需から離れている気はするんですよ。


3036 アルコニックス


アルコニックスは、非鉄を扱う専門商社です。四季報の同業他社に7637 白銅8075 神鋼商事8065 佐藤商事




中計やら櫻井さんとの対談動画等を見ながら書いてまする。

前に取り上げた3173 大阪工機と同じ流れを感じます。将来のパイを考えると、規模を縮小しなければならない過程で、同業他社で交渉しやすかったのでしょう。今後、こいうパターンで成長する企業が増えてくるのかもしれません。


昔の話なんですが2300 きょくとうに投資した時がありました。老齢化するクリーニング店を吸収する形で規模を広げやすい環境化にあるんじゃないか、という思惑でした。クリーニング自体は縮小するものの、無くなるとは到底考えられませんし。で、私が投資した頃は、買収よりも閉鎖の速度が早くて思うように売上が伸びない状況でした。衰退早過ぎです。花屋とクリーニング屋はコンビニで取り扱うのが難しい分野なのですが、最近、またコンビニでクリーニングを伸ばそうとしている所を見掛けました。いやはや。

いつものB/Sの確認。GMOクリック証券の財務分析より。


売掛金、棚卸資産の比率が高いですね。商社のビジネス上、仕方のない所ですが、売掛金には引き続き注意をした方がいいかもしれません。行き過ぎると江守GHDのようなパターンになりかねないですからね。


株主資本が順調に増えてるのは好印象でしょう。チョイチョイ増資がありますけど。

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纏めると、PER/PBRの点で見ると妙味がありそうな銘柄です。

棚卸資産の多くはレアメタルや非金属でしょうから、金属相場次第でP/Lの見た目が大きく変わる事もあるかもしれません。特にレアメタル相場は見えにくいので注意が必要でしょう。今の所、レアメタルの価格は暴落しているらしい話は聞くので、今より更に急落するとも考えにくいんですがどうなんでしょうね。

レアメタルでニュースがあると株価が動くことが多い銘柄ですので、投資しやすいのか悩む所です。

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