方針
今回は4/30に決算発表があった3598 山喜の決算短信の1ページ目だけをみていきます。
基本的な見方については、決算短信の1ページ目だけ見たいの! - おまえらのための財務分析を参考にしてください。このページの肉付けの形をとります。
3598 山喜
今回は「平成27年3月期 決算短信[日本基準](連結)」が対象になります。
業績予想を見ていきましょう。
四季報予想と比べるとやや弱めでしょうか。前期に同業のCHOYAの卸売部門を買収しているのですが、この分の影響はあまり出ていない感じを受けました。
2ページ目以降から業績予想についての思惑を読む必要がありそうです。
※ネタバレ
何のヒントもありませんでしたorz
※ネタバレ
何のヒントもありませんでしたorz
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次に業績を見ていきましょう。
四季報予想と比べると営業利益、純利益とも上回っています。
この理由については4/28の上方修正にありました。
1.の特別損失計上はあったものの、国内販売において百貨店向けを中心とするドレスシャツ販売が好調に推移し売上高、営業利益が増加したことに加え、ドル高による為替差益計上額が当初予想を上回ったため、通期連結業績予想を修正いたします。
為替差益と固定資産の特損をぶつけてきたようです。どちらも一時的な利益と損失ですので、将来の業績への影響は少ないですね。売上面では大して増えていないように見えるのですが、利益面でのインパクトがあったのでしょうかね。でもこの利益は一時的なものなので過度な期待は禁物でしょう。
その2で説明しましたが、経常利益→純利益で何もなければ4割程税金を差し引かれるのですが、この銘柄も純利益が底上げされています。2ページ目以降でその理由を探す必要があるでしょう。
※ネタバレ
純利益は、少数株主損益と負ののれん代の影響を受けてます。勿論、PERからは差し引く必要がありますよ。少数株主損益の方は判断が難しいですね。
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次に配当を見ていきましょう。
業績予想では減益だったのですが、配当は前期を踏襲するようです。配当性向44%は頑張っている方でしょう。ただ前々期の配当性向16.3%というのも見えており、安定配当を目指していないのかもしれません。
配当政策に関しても2ページ目以降から読み取る必要があるでしょう。配当は株主の権利ですし、株主総会でも槍玉に上がりやすい事項でもあります。
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次にキャッシュフロー(C/F)を見ていきましょう。
営業CFがマイナスなのが気になります。2ページ目以降から理由を探る必要があるでしょう。
財務CFがプラスなのは、以下の理由が考えられます。
- 銀行から借金してきて現金が増えた
- 株主から増資をして現金が増えた
一般的に財務CFはマイナスの銘柄が多いです。財務CFがマイナスになる理由は以下の通り。
- 銀行におカネを返して現金が減った
- 自社株買いをして現金が減った
- 配当を支払って現金が減った
- 法人税を支払って現金が減った
営業CFで現金を稼いで、その一部を投資CFと財務CFに回して、トータルの現金比率は前期と左程変わらない、というのが理想でしょう。
営業CFを投資CFにも財務CFにも回さずに現金を貯め込むと株主から圧力を受けることになります =)。
営業CFを投資CFにも財務CFにも回さずに現金を貯め込むと株主から圧力を受けることになります =)。
※ネタバレ
営業CFがマイナスなのは、M&Aによる負ののれん代の影響が強いようです。同様に棚卸資産(在庫)も増えていてこれもマイナス要因です。直接現金で棚卸資産を増やした訳ではナサゲ。在庫の資産価値が如何程なのかがキモでしょうね。M&A後は在庫を減らすべきなので、この辺で一時的に利益率が下がる傾向があるのですがこの場合、長期では悪くないオペレーションになります。
財務CFがプラスなのは、借金と増資(ライツ・オファーリング)です。増資のおかわりがあったら嫌ですね。
まとめ
財務分析をするのはとても難しい銘柄のように思えました。財務からは見えていない、強い何かがあるのなら別なのですが現時点で企業価値を図るのは厳しい印象です。株主優待があるので株価の下値は固いように感じました。
いやあ難しい。
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4/28の上方修正で上げ、4/30の14:40の決算開示で下げ、翌日の5/1に元の株価に落ち着いたという状況のようですね。
4/28の上方修正で上げ、4/30の14:40の決算開示で下げ、翌日の5/1に元の株価に落ち着いたという状況のようですね。
よくこんな面倒な銘柄を触ってるよなという印象はあるのですが、勝ち組推奨らしいので私の見えていない何かがあるのかもしれません。少なくとも私は決算短信から見出すことは出来ませんでした。何があるんだろうか。
いつものB/Sの確認。GMOクリック証券の財務分析より。
M&Aの影響もあって太りましたね =)。
今後は棚卸資産を中心に痩せていく必要があるでしょう。株主資本が増えたのは業績よりは増資の影響を受けての事で、あまりよい太り方とは思えません。PBRが0.5倍程度とお安いのですが、在庫や固定資産の価値がB/Sに記載している通りなのかは疑問に感じています。
続いてフリーキャッシュフロー。
んー鳴かず飛ばず感が見えないでもないです。株主にとって嬉しい状況は少ないのかもしれません。
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