6502 東芝の不適切会計って何が起きたの?
- 東芝、不適切会計9件確認 第三者委さらに調査 :日本経済新聞
- 東芝「不適切会計」、今後の焦点は何なのか | 東洋経済オンライン
- 東芝揺るがす不適切会計、発端は国内原子力案件か|inside Enterprise|ダイヤモンド・オンライン
- 東芝が不適切会計で第三者委、全役員の報酬減額 | Reuters
目標を達成するために現場が数字をナメたのが原因のようです。例えると、本来50%完成したと報告するべき案件を高い業績目標を達成するために70%完成した、と嘘の報告をしていたというケースがあったようです。
これは売上が数年掛けて達成される事業で問題になります。
東芝は、発電所や水処理施設など数多くインフラ施設に関わっているのですが、これらの施設は1年で完成するものではなく数年掛けて完成する場合が殆どです。ここで問題なのは売上をいつ計上するべきかと言う問題があります。
確実なのは、設備が完成し、顧客に譲り渡し、全ての現金を回収したことで売上とする事です(完成基準)。しかしこの売上の計上をすると、工事中はコストだけが積み重なっていつまで経っても赤字となってしまいます。そうなると正しい会計とは言えませんし、税収も滞って面白くないでしょう。
そこで会計には「進行基準」というルールがあります。
進行基準とはなんぞ?
顧客が少数で、単価が高く、完成に時間が掛かるようなビジネスを行っている企業は特に注意が必要でしょう。顧客が複数で、単価が安くて、完成に数十分程度で終わる外食産業と比べると、リスクが高い産業とも言えます。
- 2498 ACKグループ、2484 夢の街創造委員会、8864 空港施設 - 今日の決算説明会さん
ACKGで少しこの件について触れてます。
ホントは難しい売上高
上記に挙げた外食、サービス業での現金商売を行っている所は売上高で問題になることは少ないんですよ。問題は売上や資金回収に時間が長い企業です。
度々例に挙げるNOVAの件は象徴的でしょう。
度々例に挙げるNOVAの件は象徴的でしょう。
この事件から、売上は生徒が講習を受け終わった時点で計上する事が推奨されています。強制ではないっぽくて割と悲しい銘柄があったりなかったり。この会計の変更で会計上の売上を大きく落として株価を下げた時は、チャンスを感じましたね =)。GABAは仕掛けやすいいい銘柄でした(過去形。
かように会計が理由で利益を落とす銘柄と言うのは、チョイチョイあってですね、本来の実力値を勘違いして売却することが多いんですよ。
会計変更は割と狙い目なのです =)
割と怖いソフトウェア業
ソフトウェア業も進行基準を採用している銘柄が多く、景況感が悪くなると問題が表面化する場合が多いように感じています。過去、粉飾事件が多く発生したのもソフトウェア業でしたし。
で、まあ何故取り上げたかと言うと、ゲームというかソシャゲどうなんですかねえ、という話に繋げたくてですね。「ソフトウエア仮勘定」という素敵な勘定項目がありまして、ソフト開発に必要とした経費を後回しに出来るんですよ。
たとえば開発費が1000万円かかり、それを5年で処理する場合、初年度の償却費は200万円となり、未償却の開発費800万円は繰延資産として残す。この800万円の開発費に換金価値はないが、次年度以降も売り上げを生む資産と位置付けられているわけなのである。
--- 開発費 -繰延資産として認められる会計方針の変更:PRESIDENT Online - プレジデント
5年間儲け続ける予定で1年目の経費を少なく計上できる。つまり利益の調整が出来るんですな。経営者の判断次第で。
1つ注意しなくてはいけないのは、会計処理の仕方によっては利益を過大に見せる効果がある、ということである。開発費を一括計上すればその年度は費用が多くなり、利益が圧縮されるし、逆に費用を分割して処理すれば、費用が減って利益が大きくなる。
--- 開発費 -繰延資産として認められる会計方針の変更:PRESIDENT Online - プレジデント
ゲームの場合、既に開発中のソフトで売上を見込んでいたけど、市場状況が変わってしまい公開してもサーバー代すら稼げそうもないゲームも出てくる訳です。そうなると開発中のソフト、資産として計上していた残骸が一気にゴミになる訳です。しかも資産価値はほぼゼロ。
この手の会計テクニック(?)を使って上場してくる企業とかありそうな気はするんですよ。実際、開発中のゲームを取りやめて一気に減損したIPO銘柄もありましたし。
ソシャゲの市場環境が悪くなるにつれ、顕著になってくるかと懸念しておりまする。「潮が引いて初めて誰が裸で泳いでいたかわかる」というバフェットさめのアレですよアレ。
- 東葛人的視点 - NRIの“決算の謎”から改めて「進行基準」を考えてみた:ITpro
- 開発費 -繰延資産として認められる会計方針の変更:PRESIDENT Online - プレジデント
- ソフトウエア取引の“売上”を減らす「新会計ルール」の衝撃 (前編)、(後編)
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纏まんなかったが公開しちゃうw
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