株主総会なう pic.twitter.com/VdSffSLZJH
— Mc.N@休職中 (@SyncHack) 2015, 5月 24
2337 いちごGHDの株主総会に参加してきました。目的は、やっぱり経営者のスコット・キャロンさめに会ってみたいってのがありました。
彼の有名なのは2007年の5448 東京鋼鐵へのM&Aでしょうか。あの時は連日報道されてまして、投資に手を出していなかったら「勝手に企業経営に口出してんじゃねえよ」と思ってたでしょうね。あの事件から株主の権利が意識されるようになったように感じています。今考えると彼は、日本のコーポレートガバナンス・コードの先駆者かもしれません。村上さんも今の時期に出てきたら、印象は変わったのかもしれませんよね。
わが国企業の一部は、戦略や業績に口うるさい機関投資家、とりわけ外国人投資家の影響力を削ぐため、個人株主の育成に注力している節がある。穿った見方をすれば、個人は経営など分からないと高を括っている、「モノ言わぬ株主」と甘く見ているとも受け取れる。
今回の事件は、そのような個人株主からの「しっぺ返し」といえよう。正当な根拠に基づいて真摯に説明責任を果たさないと、企業経営はままならぬ時代が到来した。もはやサイレントマジョリティー(モノ言わぬ多数派)など存在しないと、経営者は肝に銘じるべきである。
-- 「いちごの乱」とは何だったのか(PDF)
場所は、第一ホテル東京。新橋駅近くの小規模なホテルでした。駅から近いのは助かります =)。
参加者は、500人規模の会場で400人程度。この規模の企業にしてはかなりの人数です。日曜開催と言う事もあって背広組は少なく、個人投資家が8割は占めてました。ヤング多めでしたが、熱心に話を聞く初老の女性とかもいて、かなりの熱気を感じました。成長企業が持つ、特有な高揚感というか、説明しにくいんですがそんな感じです。
ボッチ感皆無ですし、日曜開催なので働いている人も参加しやすいでしょう。株主総会初心者でも参加しやすい環境なのでお勧めしておきます。
質疑応答、会社説明会の内容は以下の通り。
- 営業CFがマイナスで不安だ!
安心してほしい。営業CFは会計上、販売用投資不動産を購入するとマイナスになる。不動産がキャッシュを生むので事業上、必要。現段階では不動産を買っても大丈夫と判断。平均借入期間を9年まで伸ばした。大手と比べても長くなっている。事業の安定性を評価してもらっているという認識。
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補足するとですね。
この手の事業は営業CFがマイナスの方が堅調です。要は不動産転がしですので、手持ちの不動産が無くなると売上が増えていきません。売上成長を目指すのなら、不動産を売却する速度よりも不動産を購入する速度の方が早くなります。典型的な自転車操業ですね =)。
ただし、リーマンショックのような逆回転が起こると手持ちの不動産を売却してキャッシュを確保する必要に迫られ、そこで不動産が売却できないとお父さんと言う事になります。
キャッシュが必要になるのは、銀行が資金回収を急ぐからでして、長期借入を増やすことで急なキャッシュ確保の必要性を減らす効果があります。安定性が増しているというのはそいう話です。 - 定款変更の可能株数増加の狙いは何?増資?また増資?
将来への機動性を考慮した。株式交換等の可能性に備えるため。増資は今の所、考えていない。 - 前の株主総会では増資は考えていないとか言っといてその半年後に増資しましたよね?
考えてなかったのは本当。その後、環境が変わり最終的に増資を選択した。低成長を目指すのなら増資しないという選択肢もあったのだが、弊社は経営スピードを重視しており、痛みを伴う程の速度を持っている。あの増資のお蔭で今、高い利益を上げる事が出来た。あの時、増資しなければ成長できなかったかもしれない。株主には感謝している。
市場を無視をしてはいけないのと同時に、市場の言いなりになってはいけない。
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増資についてここまで真摯に答えてくれたケースは見たことがありません。正直、感動した。
- JPX400銘柄に選定されたとしてもすぐ外されるようだと困るんだが?
JPX400に選定されるには3年平均の事業が評価されるのですぐに外されると言う事は無いのではないか。 - メガソーラ事業、どうよ?
成長野心に燃えている。再生エネルギーは社会的存在意義が高い。個人への売電については今の所、計画に無いが検討項目にはある。現段階では、販売チャネルを持っていないので難しい。他社と組んで実現できないか、検討してみたい。 - 障がい者採用どうよ?
達成できていない。社会責任として認識している。 - 女性採用どうよ?
6:4で男性が多い。不動産業にしては女性が多いとは感じているが今後も採用は検討したい。管理職では女性3割。研修も積極的に行っており自然な形で管理職が増えていくのを期待している。 - IRとかどうよ?アナリストとか無視されてんじゃねえの?
最近、アナリストの報告書が増えていて買い推奨が多くなってきている。状況は良くなっているとの認識。IRは機関投資家向けを増やしたい。善い株主が増える事を期待している。
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個人向けも増やしてくれよw - 投資有価証券は増やす予定あるの?
現在行っていない。昔、投資したのが残っている程度。合弁会社への投資は随時現金化を行っている。 - オリンピック後はどうよ?
予想しずらいし、予想して事業を計画するのは危険と考えている。オリンピック後の建設業は厳しいかもしれないが、弊社はB/Sの流動性を重視しており市場の変動に備えている。どう転んでも大丈夫。 - 太陽光発電、全国に散らばっているようだけど?
北海道は土地が広く気温が低いので発電効率が高いのだが、降雪が欠点。対して九州は、台風などの気候変動が激しく安定しない。広くポートフォリオを構築する事でリスクヘッジを行っている。 - 地震のリスクどうよ?
物件は首都圏が中心で、不動産の価値は建物より土地の方が高い。また震災に強い物件が揃っている。ただし津波はどうしようもない。計算できない。首都圏は津波の被害にあいにくいと考えている。 - 次の中計はいつ出すんよ?
今期中に出したい。時期は未定だが早く出したい。 - スコットさんの役職変わるようだけどこれからどうなっちゃうの?
今回の人事は権限の委譲で、今後も接し方は変わらない。
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2人の会長と2人の社長という謎権限なのが面白い。どんだけ船頭が多いんだよw - 太陽光発電の利回りは?
NOI 10.4%を想定。8割借入。インフラファンドが決まると出口の一つとして検討したい。この場合、NOI 6~8%あたりで売却する事になるのではないか。
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正直よく分かっていないのでメモしただけ。インフラファンドは東証が計画しているやつでして、体のいいゴミ箱出口戦略として注目を集めています。話を詰めている状況のようですので期待していいのかも知れません。 - 今の不動産は安いの?高いの?どっちなのー?
高いとは思っていない。デフレの時期とインフレの時期では状況が大きく異なる。
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4人の経営者に不動産の価格について聞いていく事になるんだが面白かった。 - つまりいちごGHDに投資すればいいんですね?
ありがたい話なのだが一気に資金を投入する事はお勧めしない。例えば100ある資金の内、70を購入に充てて30は相場の下落を待つような投資が良いと思う。
株価が下がっても嬉しいと思えるのが投資。
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どいう流れでこの話になったのか失念してしまったんだが「下がってもうれしいと思えるのが投資」というのが強く記憶に残っていたのでメモしてみた。
同意だ。
10時開催 → 10:25質疑応答 → 11:35閉会後、会社説明会 → 13:15閉会。
この業種、全然詳しくないので間違った認識があるかもしれません。正確な情報はIR情報の資料を参照してください。理解できていないのは端折ったりもしてます。
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印象深かったのは、キャロンさんが総会後の休憩室に足を運び、積極的に株主の質問に答えていたところでしょうか。株主総会後の見送りのエレベーター前でも株主に対応していました。勿論、キャロンさん以外のIR担当の方も積極的に株主の質問に対応していましたよ。
素晴らしいですね。
早めに開会前に行ってもIR担当すらいなかったり、閉会後はそそくさと会場を逃げ出して株主の質問にすら答えようとしない経営者が多い中、株主との対話を重要視する姿勢が感じられる、素晴らしい株主総会でした。他の経営者にも是非見習ってほしい所です。
説明会では自分たちの社会的意義を強く説明していました。
古くなった不動産を買い入れ、建物を壊すことなくリニューアルし、不動産の価値を引き上げる事業は社会的に意義がある、と。リニューアルによって経済耐用年数を引き上げることができ、既存の資産を有効活用できる。少子高齢化社会では、新しく建物を作るより効率的であり省資源化にも役立つ、というのが彼らの主張でした。
使命感を持つ経営のようですね。社会の流れに逆らわないのであれば、この事業、強いんじゃないかな。
使命感って人を動かすのよ =)
今日のオミヤ pic.twitter.com/x49WZ30gDL
— Mc.N@休職中 (@SyncHack) 2015, 5月 24
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