2019年4月20日土曜日

【株主総会メモ】6184 鎌倉新書 (19.04.19開催)

株主総会メモまとめ




鎌倉新書[6184]の株主総会に参加してきました。今回が初めてになります。

目的は、株主総会に参加する権利を持ってましたので参加してみました程度の希薄な理由でした。やや気になったのは前社長である相木さんの退任でしょうか。このあたりの状況は詳細に語られることなく、イマイチ不透明というかよく分かりませんでした。

場所は、ベルサール八重洲。東京駅・日本橋駅近くで利便性はそこそこ高く、株主総会が多く開かれる場所です。ただ多目的ビルのようで入口が判りにくい場所にあります。今回は案内の人が多く立っていたので悩むことがなかったのですが、ちょっと注意が必要な場所であります。

参加者は、200名規模の会場で60人程度。机あり。シニアが多めでした。顧客層でもあるんでしょうか。セビロ少なめ、女性ちらほら。株主質問で女性の方も発言してましてかなり積極的な株主総会でした。参加しやすい株主総会でしょう。1月決算銘柄なので他の株主総会と重なることはないかと思われます。

質疑応答は以下の通り。

  • 相木さんの退陣どうよ?
    本人の申し出。私事と聞いている。

    さっぱりとした回答。語る要素はなさそうだった。
    相木さんは数年前に創業者の清水さんが引き抜いた生え抜きの楽天の経営者。当時は驚きましたね。相木さんのおかげでIT系はかなり進捗したように感じました。
  • 相木さんと共に退任した人はいないのか?
    1人もいない。前期は2年目の正社員1名のみが退社している。離職率はかなり低いと自負している。

    IT系でこの離職率はすごいですね。
  • プロダクト開発部の設置による影響どうよ?
    「葬儀」から半分は3週間後に「仏壇」を探し、安定した後は「お墓」を探す傾向がある。
    今までは「葬儀」「仏壇」「お墓」が一貫したサービスとして扱ってなく、各事業部が各々事業を伸ばしていた。横連携が少なかった。今回のプロダクト開発部の設置により一気通貫でサービスを提供できる環境になり、単価向上が望めるようになった。

    これ地味にいい改善ですよね。前期にコールセンターを強化した強みがより発揮できそうだ。

  • 新規事業見直しどうよ?
    買収したCare Pets(ペットシッターサービス)とパソコン教室はシナジーがないと判断し、清算している。今後はシナジー強い就活サービスに集中したい。
  • ペット事業の撤収どうよ?
    検討していた時点では有望だった。その後、運営を通じてユーザー獲得の難しさと従業員の違いを感じ撤退した。
  • パソコン教室に貸し付けは返ってくるのか?
    返ってこない。P/Lには影響ない(?)。
  • ホスピタル事業はどうよ?
    現状、介護施設はやる気ない。設備は持たない経営を行いたい。
  • 高齢者はネットが厳しいんじゃが?
    Webを使わない方向を模索している。日本郵政との取り組みがその一例。
  • 日本郵政との取り組み実績どうよ?
    現状、大きな収益はないが拡大予定にある。
  • 終活サービスは協業ではなく競合になるのでは?
    ユーザーが望んでいるサービスを提供したい。
    家族葬(Story)や散骨事業(ハウスボートクラブ)は業者(サプライヤー)から嫌われており空いている事業であるが需要は大きいと見ている。

    事業が大きくなると競合しそうだが今の規模なら大丈夫なんじゃまいか。
  • 相続サービスは既得権益が大きく反対があるんじゃね?
    ユーザーが望んでるサービスを提供したい。
    相続サービスは情報格差がひどい。ユーザー側に情報を提供し、適切な価格になるよう事業を展開したい。反対は危惧していない。
  • 散骨事業の投資どうよ?
    デューデリジェンスに300万円、買収に5000万円程度。既に黒字事業で売上1億円、利益は数百万円程度。既存事業とのシナジーは高いとみている。
  • Webを介さず中抜きするユーザーや事業者はいないのか?
    以前はあったが今はない。コールセンターやメールを通じてユーザーと直接コンタクトを取っていることで効果がある。プレゼントなどメリットを増やしている。事業者側からの報告もお願いしている。
  • 金融業への参入どうよ?
    特に考えていないが可能性は否定しない。
  • 来期以降どうよ?
    新規事業への投資をし、利益率が減っている。
  • 離職率が低いのはなんで?
    事業者は直接人の死と向き合うのでメンタルをやられやすく離職率が高い事業だが、弊社は間接的なのであまり影響はなくストレスは少ない。

  • 従業員の獲得どうよ?
    前年度以上、採っていく。人件費は以前よりは減っている。人件費では採用コストが高くなる傾向が強いのだが、上場を機に知名度が向上し採用コストが減っている。従業員を通じた縁故採用に力を入れている。
    人材はシステム開発、コールセンター、営業、新規事業に配置したい。

    縁故採用はかなり有効のようだった。最近、様々な企業から聞く。
  • 新規事業どうよ?
    コストは人件費が主。今期の売上は5000万円を予定。新規事業の終活サービスは、葬式後の手続き処理のお手伝い、不動産の事務処理などの相続サービスなど。ユーザーは悩んでいるが、これまではユーザーに提案できていない。
    3年程度を目処に黒字化を目指す。
  • 家族葬どうよ?儲からなくなるんじゃね?
    確かに売上は減るかもしれないが金額的には大きくない。全体の1%程度だろう。
    家族葬でも墓や仏壇の需要はある。単価は徐々に下がる傾向にあるが、数量はそれ以上に増加している。

    家族葬で新しい事業が増やせるんじゃまいか、という質問のつもりだったんだが。

  • 配当性向どうよ?
    継続安定配当・バランス重視。更なる成長への投資を続けていきたい。今回、配当性向は3割になっているが3割に拘っているわけではない。
  • 株主優待どうよ?
    検討中。実施するなら事業に関係する優待にしたい。

    口調からは積極性は感じられなかった。
  • 自社株買いどうよ?
    現状、検討はしていない。

10時開会 → 10:30質疑応答 → 11:40閉会、オミヤなし。

株主総会中に事業内容を説明、株主質問を長く受け付けるスタイルでした。事業内容説明については決算説明会の内容とほぼ同じで、数値的な話はむしろ決算説明会動画の方が詳しいです。

相木さんの退陣については、あまり語らなかったところ見ると創業者との確執があったのかもしれません。平和裏にクローズしたことを喜ぶべきでしょうか。

成長性については、ペットやらパソコン教室よりずっとシナジーが高い就活ビジネスに傾倒したのは良い傾向と思っています。サ高住への誘導とか面白そうかと思ったんですけどどうでしょう。亡くなる前の終活までフォローできるようになると、遺品整理等のサービスへの展開もしやすくなるかもしれません。

今期は既存ビジネスの成長の鈍化を懸念しつつ、新規事業の展開を見守ることになりそう。既存ビジネスの伸びが鈍化するとなると厳しい株価になりそうです。

創業者の清水さん、やっぱ話が上手いわ。トップ営業が続く限り大丈夫じゃないかな。

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