2019年4月13日土曜日

【株主総会メモ】1994 高橋カーテンウォール工業 (19.03.28開催)

株主総会メモまとめ




高橋カーテンウォール工業[1994]の株主総会に参加してきました。今回が初めてになります。

目的は、経営陣の顔を拝んでおきたいのが一番でした。実はこの銘柄、保有期間が長くなりまして一体どういう業界なのか直接聞いてみたい希望もありました。

ただこの日は他にも株主総会がありまして、実際に参加できるかビミョーでした。10時に虎ノ門近くで株主総会に参加し、11時にここの株主総会に参加するというかなりの強行スケジュールでして、間に合わなければ議決権行使だけでいいかな程度の気持ちでいました。

結果、大遅刻でした ><。遅刻はしたものの質疑応答にはなんとか間に合ったので、その分のメモ書きを残しています。

ちなみにこの日は3社、株主総会をハシゴしています。過去の記録では4社が最高です。オミヤ目的で株主総会を巡回しているオバ様には敵わないのですが、どの株主総会にもきっちり株主質問に立っているのでこの点ではオバ様らより上回っているかと思われます(なんだそれ)。

場所は、昭和薬貿ビル。大都会の日本橋の端っこにある小さな雑居ビルでした。コレド室町の近くにあってあの雑居ビルというのはなかなか感慨深いものがあります。ぶっちゃけ迷いました。参加するのなら早めに向かうことをオススメします。

参加者は、30人規模の会場で15人と想定していたより参加者が多かったように感じます。製造業の株主総会には珍しく、殆どが個人投資家でした。しかも若い。注目度の高さが伺えました。

質疑応答は以下の通り。

  • コスト増(人件費・材料費)を受注に転嫁できているのか?
    転嫁できている。
    ただし上げすぎても良くないと考えている。扱っているコンクリート壁の競合である海外製のガラス壁にコストで負けてしまう。コストでガラス壁に需要が取られてしまうことを懸念している。
    輸送ではドライバーが不足しており輸送費が高騰している。
  • 来年以降の受注状況どうよ?
    今年竣工分が7割、来年以降は3割程度の受注状況。
    主要顧客のゼネコンが竣工状況を直前まで教えてくれないので来年以降の需要は見極めが難しい。コンクリート壁の納入は工事の後半なので工期が遅れると納入も遅れる。ゼネコンの言うとおりに納入できるケースは少なく、そこまで考慮して売上予想を立てている。

    情報の伝達の遅れは業界の悪習のようです。もっと強く言えないのか聞いたんだけど力関係から難しいと諦め気味のようです。良くないですね。
  • 米中貿易戦争の影響どうよ?中国への依存度は?
    中国から調達しているのは金物(金具?)だが10%程度なのでインパクトは少ない。
  • 高力ボルト不足の影響どうよ?
    一部活用している。建設業と自動車業で取り合いになっているようだ。

    直接の影響は少なそうだが、ゼネコンの施工が遅れればコンクリート壁の納入も遅れるので影響がないわけではなさそうだ。高力ボルトに限らず、局所的に欠品が続くのが最近の傾向かもしれない。極端な需要に対して生産性を上げることを躊躇しているのかも。成熟社会というか衰退社会いうか。
  • 東京五輪後の建築需要どうよ?
    減少しないとみている。今は東京五輪の影響で建設費が高騰しており、建設を控え気味とみている。
    輸入ガラス壁が安くなっており競合している。コンクリート壁の進化は遅れているのが懸念点。製品のラインナップを増やしていきたい。
  • 上場メリットどうよ?
    議論ある(あるんかい)。
    最近、入社した社員は上場企業を理由に選んでくれているようだ。狭い業界なので株式が非公開だと世間とのズレが広がることを懸念している。上場会社故に気付くことが多いのはメリットと感じている。
  • 鞍替え上場どうよ?
    最近、入社した社員に聞いたんだが東証一部に関しては反応が薄い。一部にふさわしい実力が備わった時に検討したい。
  • 働き方改革どうよ?
    世間とのギャップを感じている。納期が非常に厳しい業界なので働き方改革の流れに似つかわしくない状況はある。社会の流れに沿って対応していきたい。
  • 定着率どうよ?
    若い人が辞めることが増えてきた。
    入社後にミスマッチを感じ辞めることが多いようだ。8~10名と多めに取っていて少し増えている状況。ダメージはない。
  • 売上と利益のバランスが悪いように感じるのだが?
    人間関係の結びつきが強い業界なので強く言えないことが多い。
    売上のコントロールが難しいのはゼネコンとの付き合いを重要視しているからで、長い目で見ればプラスになると考えている。

    よく言えば持ちつ持たれつ、悪く言えばベタベタの業界に感じた。他社を出し抜く意欲は感じられない。残存者利益系の企業にありがちではあろう。
  • M&Aどうよ?
    積極的に同業他社をM&Aする予定はない。これ以上プレイヤーを減ると相見積先が減ることになりコンクリート壁全体の需要が減ってしまうことを懸念。今くらいの社数で切磋琢磨するのがよいのではないか。
    ちなみに工場の一つはライバル企業から撤退を機に買収した。この手の買収には応じていく予定。
  • 個人向けIRを積極的にやってほしい!
    検討する。今までは機関投資家への対応が殆どだった。

    決算説明資料は素晴らしい出来だと称賛しておきました =)。機関投資家と付き合っていく内に成長したのかと思われます。

11時開会(多分) → 11:20質疑応答 → 12時閉会、オミヤなし。

社長がとても温和な人でして、株主質問に対して丁寧に回答していたのが印象的でした。機関投資家に育てられたのでしょうね。

この企業は残存者利益を享受する一方で、ゼネコンの動向に左右されやすいようです。ゼネコンに嫌われないよう細心の注意を払っているように感じました。一方で成長意欲に乏しく、シェアを広げたり扱う製品を増やしたりする気は少ないようで終始、受け身で典型的な下請け企業にみえました。

逆に言えば成長によってキャッシュを減らすことがない、理想的なキャッシュカウ企業とも言えるわけで魅力といえば魅力でしょう。財務はピカイチですし利益率も高いです。

大きく株価が変動する企業ではないはずだったのですが、ここ2年間で大きく振れていました。出来高からすると個人投資家が増えたのかもしれません。

こんなとこかな。


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