<チェーン展開の徹底は難しい>
全般的に好決算の目立つ今上半期の中で、厳しい状況に置かれている業界の一つが食品スーパーです。円安による輸入商品・原材料の価格上昇という悪状況の中、無理な安売りに走ったにもかかわらず客数を伸ばせず、大幅な減益に陥る企業が続出しました。その中で、マイペースな価格政策を続け増益を確保した企業の一つがハローズ(2742)です。
同社は中四国に展開する食品スーパーで、一括大量仕入を背景とした低価格プライベートブランドと大手メーカー製品の安売りを武器としています。発祥の地は広島県東部ですが、四国への出店強化を見据え、3年前に瀬戸大橋に近い岡山県南部に本社・物流センターを移転し、全店への商品供給を行なっています。
同社の企業としての特徴は、あくまでもチェーン展開による利点を引き出すため、店舗建築や売場構成をできる限り揃えている点です。米国などでは当たり前のことですが、国土が狭く消費者の好みも多様な日本においては、このことの徹底は必ずしも容易ではありません。同社は地方立地であることに加え、後発企業で規模もさほどまだ大きくないことから、今後数年間かけて高知県・愛媛県南西部を除く四国への展開が一巡するまでは理想的な形で店舗網を築けると予想されます。
もっとも、現在商品政策の面でチェーン展開の利点を享受している同社も、店舗運営についてはまだ十分な作業の効率化ができていない模様です。同社のコメントによると、他地域で同様にシンプルなチェーン展開を行なっている同業者に比べ、自社の労働生産性はかなり劣っているとのことです。チェーン展開の最大の利点の一つはセンターへの業務集中による店舗作業の軽減であるため、逆に言えば、同社には今後一層の収益改善あるいは価格競争強化の余地があると考えられます。
この銘柄もバリュー投資家の中では有名な方でしょうか。とはいえ少し見ない間に随分株価を上げたようですね。同業他社の9956 バローは前にひふみ投信が持っていた記憶があります。直近の株価は債権回収が出来なくなりそうな開示が出てから下がり続けているようです。
暇なので同業他社を集めてみました。
- 2742 ハローズ
中国・四国中心の食品スーパー。売上高842億円。月次有。優待有。 - 9956 バロー
中部中心の食品スーパー。売上高4312億円。月次有。優待有。 - 9974 ベルク
埼玉中心の食品スーパー。売上高1331億円。優待有。 - 8182 いなげや
多摩中心の食品スーパー。売上高2209億円。優待有。 - 9977 アオキスーパー
愛知中心の食品スーパー。売上高924億円。優待有。 - 8196 カスミ
茨城中心の食品スーパー。イオン系。売上高2284億円。月次有。優待有。 - 8194 ライフコーポレーション
新潟中心の食品スーパー。売上高5199億円。 - 8279 ヤオコー
埼玉中心の食品スーパー。売上高1331億円。月次有。優待有。 - 9948 アークス
北海道・青森中心の食品スーパー。売上高4340億円。月次有。優待有。
後、マックスバリューシリーズとか弱小食品スーパーは面倒になって省略。
概ね今期は増収減益。利益率3~5%程度で低めだが確実に売上を稼ぐ傾向にあります。PER15~30倍と高め。優待殆ど採用しています。信用売り残が多い銘柄がちらほらあるんですがちょっとした踏み上げが怖い気がするんですが大丈夫なんでしょうか。
確かに食品スーパーの中ではハローズの売上と利益成長性は魅力的ですね。
前に青森中心で展開していたユニバースという銘柄をヲチしていたのですが、アークスが吸収してしまいました。今後も低成長率故にM&Aを積極的に考えてくる中小企業は多くなるかとは思います。M&Aの対象になるような企業は面白いでしょうね。
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