2015年1月31日土曜日

【株主総会メモ】 4666 パーク24 (15.01.28開催) &今日の決算説明会さん

時期的に決算説明会さんも株主総会に参加されたのかと思うので今回は合併号としました =)。

4666 パーク二四


パーク24は、コインパーキング「タイムズ」駐車場を経営する企業です。四季報の同業他社に2353 日本駐車場開発3251 駐車場綜合研究所4809 パラカ



タイムズは、地主さんから土地を買い入れ駐車場を経営するビジネスを行っています。地主さんのメリットとしては、遊休地をタイムズに貸し出すことで安定した賃貸収入と節税対策があります。タイムズのメリットは、土地を保有しないビジネスなので土地を購入する資本を必要としないことです。難しい言葉で表すなら所有と経営の分離ですかね。株主と経営者と同じ立ち居地に近いでしょうか。

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前期は増収減益でした。交通量の低下と絡んでいます。以下はパーク24の決算説明資料より。


2014年2月の大雪の影響と4月からの消費増税が主な落ち込みの要因です。タイムズのビジネス上、交通量と駐車の利用数(稼働率)が比例します。稼働が少なければ減収要因になります。

コインパーキングという特性上、賃料は内税になります。消費増税分の3%をそのまま価格転嫁できません。今まで100円でやっていたものを103円にすることが難しいのです。今かどうしている集金機は1円にまで対応していないのも理由にあります。営業努力、つまり賃金体系の変更でも吸収できたのは1%程度で、これも減収要因になっています。

「こいんいっこいれる」の呪縛ですな =)。

増益の要因は、営業体制の変更でより地域密着型に変えた所、功を奏したとのこと。グループ化によって、今までフォローしていない地域の営業が進んだとしています。

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もう一つのセクター、モビリティ事業(カーシェアリング、カーレンタル)が黒字になったというトピックスを挙げていました。

前期で5年目に入っているのですが、この事業はかなり収益になるまで時間が掛かる、先行投資が先行する事業だそうです。他社に先駆けて黒字になった理由は、駐車場スペースを流用しているため、地代を差っ引くことが出来たからとのこと。

そりゃあ他社と比べれば有利ですよね。シナジー、バリバリです。

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いつものB/Sの確認。GMOクリック証券の財務分析より。


素晴らしい株主資本の伸びですね =)。

2009年に固定資産が増えているのは、カーシェアリング事業を開始したからでしょう。このタイミングでマツダのレンタカー事業を買収しています。固定資産の内訳は、土地ではなく商材である自動車が主です。

土地と違って自動車は減価償却ができる資産です。先行投資分、利益が削れる反面、税金面で優遇されますし、償却が終わっても利益を出せる資産も結構あるはずです。設備投資事業では注目しておいた方がいい項目ですよ、これは。

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纏めると、今後の成長性と配当に満足できるのなら悪くない投資先かと思われます。

一応、駐車場の需要はまだまだ残っているという認識でした。新しいビジネスを検討するよりもまずは駐車場事業とカーシェアリング事業を順調に伸ばしていく事が成長に繋がると考えているようです。見積もりが外れてなければビジネス環境は悪くないですね。

強いて言うなら特需っぽい需要はあまりナサゲなのと、消費増税の影響は今期前半まで減益を引きずるのが懸念になりましょうか。

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引き続き株主総会メモを続けます。



パーク24の株主総会に参加しました。

目的は、西川さんを一目見たかったためです。ミーハーなんですな =)。

場所は、ホテル グランパシフィック LE DAIBA。台場と言う陸の孤島でして、交通の便は決して良い所ではないところでしょうか。株主質問でもクレームが出てまして「駐車場経営の癖して自動車で会場に来れないとかあり得ないだろ」と。午前10時開始だったのですが、あの時間でもゆりかもめ線でぎゅうぎゅう詰めでした。台場を総会に利用する企業はたまにあるのですが、ちょっと困りますね。

参加者は500人会場で400人程度。かなり集まった方ではないでしょうか。爺さんが多かったのですが、ヤングもソコソコいました。株主とは毛色が違う人達もいたのですが、地主オーナーさんかもしれません。

質疑応答、決算説明会の質問は以下の通り。


  • 純利益が減った理由は?
    上記を参考にしてください。
  • 情報管理について対応どうよ?
    会員情報は重要な情報であるとの認識はある。従来からPマークを取得している。2年に1回監査をしてもらっているが今年で4回目になる。

    よりによってPマークとかw。でもPマークをマトモに守ろうとすると相当の手間なんですよ。正直者が馬鹿を見る程度の分量はあるのですよ。ベネッセもPマークは取っていたようですけどちゃんと守っていたかと言うと疑問な訳です。逆にPマークを守らせるための暴力も用意されていないので、守るかどうかは運用側次第と言う事になりますかね =)。
  • 原油安の影響は?
    少ない。個人の場合、ドライブが増える可能性はあるのでプラスになるかもしれない。法人の場合、原油安だから巡回が増える、と言う訳でも無いので影響は限定的。
  • 円安の影響は?
    少ない。為替変動が大きいとリスク要因になって景気が悪くなる程度の影響はある。
  • 消費増税の影響はいつから気が付いたの?情報公開が遅くね?
    気が付いたのは4月から。月次・日次で確認している。4月の時点ではお盆~秋口にかけて改善していくと予想していたが、結果的には年末まで悪い状況が続いた。当事業は、交通量の外部環境に依存してしまう傾向が強いので、先を想定するのが難しかった。
    消費増税分は、料金設定の変更で賄おうとした。通常、年1万回の料金変更を行っているが、今期は1.2万回変更したがそれでも吸収できなかった。
  • カーシェアリング事業の地代を払ったら黒字化はいつになるん?
    地代を払うと長期に渡って厳しい。同業他社と比較して黒字化が早かったのは地代の分を引いているため。そもそもこの事業は地代を駐車場ビジネスに転嫁する事を想定して始めたビジネスとの認識。
  • 訪日観光客対応、どうよ?
    レンタカーは対応済み。欧州のレンタカーであるヨーロッパカーと連携している。今後、アピールしていきたい。カーシェアリングは、国際免許に対応したい。駐車場に関しては未定。
  • 配当方針どうよ?
    公開していない。配当性向50%を目途にしたいとは考えている。配当は特にキャッシュを多く必要としていない分を回している認識。今期は減益だったが今後、増収増益が可能であるメッセージであるという意味を込めて増配した。
  • 駐車場の解約費ってどれくらい?
    約4.25億円。解約率の増加がこのビジネスの最大のリスクと考えている。解約率が6~8%に収まることを想定している。規模が大きくなると解約費は増える傾向になってしまう。
    法人の大規模な土地だと、他に転用される可能性が高く、解約率が上がる。それよりは法人より個人、大規模より小規模、商業地より住宅地を中心に開拓する事で解約率を下げていきたい。
  • 借入多くね?借入返せば利益伸びるんじゃね?
    借入の大半は、レンタカー、カーシェアリング事業。140億円を自動車に投じている。この資金は銀行から調達している。政府の政策でエコカーを購入すると金利補助が出るので、かなり安価に借入している。今後も、自動車は借入で投資していく方針。

    安定したビジネスなら借入した方が節税効果がありますよね =)。トータルでレバレッジを掛けるなら増資より借入の方がより良いし、事業が上手く回ってるんだからレバレッジを利かしても問題ないでしょう。経営センスの問題だわな。
  • 駐車場ビジネス、オワコンじゃね?
    統計では、まだ供給が足りていない状況。立地を見極めればまだまだイケる。小規模の駐車場を点在されることで需要を掘り起こせる。
  • カーシェアリングの成長どうよ?
    5年目にして黒字化を達成した。成長は早い。ただ会員数が増えると稼働率が高くなってしまい、使いたい時に使えない顧客が増えることになるので満足度が低くなってしまう傾向がある。稼働率が低い所を中心に顧客獲得していきたい。
  • レンタカー事業、オワコンじゃね?
    工夫次第で伸ばせると考えている。車種を増やすなど色々模索している。
  • カーシェアリングの会費、個人も無料にしてよ!
    もう少し体力が付いた時点で検討したい。直近では幽霊会員を減らしたいこともあって難しい。ちなみに法人:個人=35.5:64.5と個人が多い状況。男女比だと76:24で男性多い。

    法人だと平日の稼働率が高くなるので優遇したいのでしょう =)。察したれ。
  • フラップのない駐車場を検討してよ!
    実験的に検討はしている。が、フラップレスは非常に怖いという印象が根強い。創業時には料金を支払わない顧客が20%いて苦労した。今は対策して1%程度まで下がっているがそれでも抵抗がある。エリアによって特性があって、住宅地ならフラップレスにしても影響は少なそう。
  • 海外展開どうよ?
    韓国、台湾で同様のビジネスを展開しているが、他に展開する予定は無い。現時点で国内だけで2桁成長が可能との認識。
  • 駐車場前の除雪頼むよ!
    検討はしている。広範囲になるとやっぱり厳しい。
  • 達成率の開示はよ!
    内部では高い達成率を設けているが外部に公開する予定は無い。半期・通期の業績予想と月次で十分であるとの認識。
  • 電子マネーで消費増税対応だよ!
    検討している。現時点では100円のコンセプトは重要。50円単位10円単位にすると追加の設備投資と管理コストが加わってくるので一概に対応しにくい面もある。
  • 年間の損害はどんな程度?
    全体の0.17%程度。金額は非公開。少ない認識。0%にするのではなく、これ以上増やさないよう対策を練っていきたい。
  • カーシェアリングの損害はどんな程度?
    全貸出の0.32%で年間1万件程度。金額は非公開。
  • 稼働率の目標の公開はよ!
    稼働率は目標にしていない。稼働率が低くても利益が出るなら開発する。投資には利益の額だけをみている。月次を見誤るので注意されたし。
  • ウチのロボ洗車取り扱ってよ!
    後でな。

  • 社外取締役がいないんだけど?
    現時点で入れていないが、ルール化も視野に入れている。
  • 監査役会の開催、少なすぎ><
    監査役会としては年6回だが毎月の定例会にも毎回参加してもらっている。
  • 監査役、少な過ぎね?
    内部監査は15名で行っている。
  • 主要株主の「千寿」ってなんぞ?事業は何やってんだ?
    私(西口さん)の親族の資産管理会社。事業は、特にしてないかな、、、。

    ちょっとワロタ。個別株主の状況は特に言及するべきではないんだが、まあ、自分の会社だしね =)。
  • ISS社のレポートについて

    ISS社は議決権行使の助言サービスを提供している世界的な企業。今回、ISS社のレポートで西川さんの選任を否定するレポートが出たらしく、賛成票は大体75%程度で他社と比べてもよくない。否決の理由は社外取締役を選任していない事のみ。大口機関投資家に対しては、理由を説明し納得をしてもらい賛成してもらっているが、それ以外の機関投資家はISS社のレポートに沿って否決してきたらしい。


10時開催→11:30閉会後、会社説明会→13:30頃閉会。相当な長丁場でした。

総会や会社説明会での質疑応答は、かなり積極的でして議長である西川さんが仕切るまでずっと続いていました。市場で評価されている銘柄と言うのはそれなりの株主に支えられていることがよく分かります。

逆に株主総会で株価の話ばかりに集中するようですと、質の低い株価形成になりやすいのかなとも。

開催場所はアレでしたけど、総じて悪くないという印象でした。


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