2016年8月20日土曜日

6266 タツモ - '16/06の「担当ファンドマネージャーの見方」

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6266 タツモ


タツモは、半導体装置を製造している企業です。四季報の同業他社に6246 テクノスマート6264 マルマエ

<絶えざる挑戦の末に>

半導体/液晶製造装置は浮き沈みの激しい分野です。特に、小規模な製造装置メーカーは特定の工法や顧客に依存 していることが多く、市場全体の需要変動よりさらに大きな波にさらされることがしばしばあります。特定の工法や顧客との 心中を避けるためには新分野の開発が不可欠ですが、それらの成功確率は必ずしも高くありません。それでも挑戦を繰り 返し、現在有望な局面を迎えている企業の一つがタツモ(6266)です。

同社は液晶業界の草創期から製造装置に取り組み、東京応化工業(4186)との協業によってカラーフィルター加工装置 では一定のシェアを握りました。その後、ガラスの搬送方法や販売形態に大胆な改良を加えつつ、現在でもこの分野は同 社の主力事業となっています。2004年の上場後、同社は様々な新分野への進出を図りました。具体的には、液晶用偏光 板、反射防止フィルム加工、有機EL照明、半導体接点加工、半導体薄型加工、半導体洗浄、半導体搬送、太陽電池、プ リント配線板検査機、X線検査機などです。半導体洗浄の分野では中堅装置メーカーの買収も行いました。しかし、これら のほとんどは成功せず、2014年には2期連続の大赤字で企業の継続性に関して疑義を付記される状況に陥りました。

しかし、大幅なリストラを行なった後は、同社に流れが向いてきました。液晶製造装置の分野では、同社の新方式を高く 評価する韓国企業が、中国での生産急拡大を開始しました。半導体薄型加工の分野では、当初想定していなかったパッ ケージ加工の分野でスマートフォン向けに採用が進んでいます。買収した洗浄装置メーカーも一時は赤字に陥っていまし たが、最近は独自の薬液回収装置が画像センサー向けに好調で、フラッシュメモリーの多層化でも需要増が期待されます。 過去の経営がバランスを欠いていた点は否めませんが、やはり挑戦を続けることは、不可欠であると言えるでしょう。


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