6640 第一精工
今週ご紹介する「第一精工」は、精密金型加工をルーツとしたコネクタ(電子機器の配線接続のために用いられる電子部品) メーカーとして進化を続けています。1963年に金型専門メーカーとして創業した同社は、1000分の1ミリという高精度で加工 する技術を研ぎ上げてきました。そして精密金型での実績を積む中でコネクタ製造にも進出し、当初は大手コネクタメーカー の下請けという立場でしたが、その過程で海外での最適地生産や一貫生産体制など、現在の同社を支える基盤を着々と築き 上げてきました。そして2004年にファブレス(工場を持たない)コネクタメーカーの「アイペックス」社と経営統合し、同社の精密 加工技術と「アイペックス」の開発力が融合した独自性の高いメーカーへ進化を遂げました。以来、同社は超精密技術による モノづくり力を結集した高付加価値コネクタを供給するメーカーとして、業界内で存在感を高め続けています。例えば、世界に 先駆けて開発した『細線同軸コネクタ』は、極細の同軸細線を一括して結線したもので、超小型ながら大量の電気信号を伝送 できるコネクタです。その高い性能が評価され、ノートパソコンをはじめ、タブレットPC、スマートフォンなど多くの機種に採用 されました。近年では、無線通信用の『RF同軸コネクタ』や、高周波ノイズに対応した『基板対基板用コネクタ』などの有力製品 が多くのノートパソコンやスマートフォンで採用されており、同社の成長牽引役となっています。
コネクタ領域での成長に加えて、同社は中期を見据えた新規事業開発にも積極的に取り組んでいます。多くの開発が行わ れている中で、『静電容量型トルクセンサ』(回転する力やねじる力を検出・制御するセンサ)が大手産業用ロボットメーカーに 搭載されるなど、一定の成果が出てきています。持続的な成長に向けて、技術力と開発力を活かした同社の事業展開が続き ます。
この企業は思い出深いですね。
細線同軸コネクターの一つに、PCとディスプレイを繋ぐコネクターがVESA標準規格に選ばれた時があって、その時は一気に売上とそれ以上に利益が伸びて、こんなこともあるんだなあ、と感心したものです。その後、DisplayPortに主役を持っていかれてしまい、特需はなくなってしまいました。
前期は、為替の影響(円高)の影響をモロに食らってしまい、前期は赤字決算でした。後期は円安に救われたもののPC、スマホの低迷で売上はトントンだったようです。
今後、この企業の強みの一つである高速伝送技術(データ通信の速度を上げる仕組み)が必要なコネクターの売上を伸ばしていきたいとのこと。自動車用のセンサーは、一度組み入れられると長く使ってもらえることもあり、安定した売上を計上しています。自動車用のコネクターにも注力。
ここの社長の小西さんは若い人でして、IRフェアで見かけた時はそうとは知らず、IR担当かと思ってdisり芸から会話を始めました。お恥ずかしい限りです。前向きに丁寧に事業を説明していまして、好印象でしたね。
とはいえ電子部品ですのでかなりのシクリカルでして、資金の投入タイミングは難しいとは思います。
- 株主・投資家情報 | 第一精工株式会社
IR本拠地。決算説明会資料、動画、中期経営計画あり。
- http://apl.morningstar.co.jp/webasp/pdf/weekly/2006073104_W_20170224.pdf
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