6785 鈴木
今週は、微細金型技術を強みとして成長を続けている「鈴木」をご紹介します。精密部品用プレス金型の製造を祖業として 1933年に創業した同社は、「ゼロへの挑戦」と形容される徹底的な精度追求を理念に、精密金型の設計・製造技術を磨き上げ てきました。その中でも売上高の8割を占める部品事業は、精密金型を活用した量産加工ビジネスであり、特に電気・電子機器 のコネクタ用部品の製造に強みを持っています。同社では主に多機能端末(スマートフォンやタブレットPC)などに使われるコンタクト(端子)と呼ばれるコネクタの金属部品を製造していますが、端末の小型・薄型化に伴いコネクタコンタクトに対する微細 化の要求が強まっているため、これに応えることができる数少ない企業として高く評価されています。また、プレス加工によるコンタクトの製造にとどまらず、コンタクトをプラスチック樹脂に封入して最終製品に近い形にするモールド加工まで手掛けるなど、より付加価値の高い分野の売上構成比を高めています。
さらに、その活躍の場は電気・電子機器にとどまらず、年々電装化が進む自動車にも広がっています。同社の自動車電装部品コネクタは、自動車用ワイヤーハーネス(電気配線システム)を構成する部品となり、協業相手である「住友電装」を通じて 国内外の自動車メーカーに採用されています。多機能端末や自動車という生活に欠かせない製品に、同社の高い技術が活用 されています。
コネクタ用部品の量産加工事業は、生産ラインの自動化・省力化技術も磨き上げ、特定の工程における自動機器の製造・ 販売を新たなビジネスとして育成しています。なかでも医療関連での評価は高く、医療機器組立用の自動機器を顧客が購入 し、それを「鈴木」の工場に設置し、止血バンドなどの医療機器を同社自らが組み立てることもしています。このような高い技術 力を競争力の源泉として、同社は持続的な成長を目指しています。
いつものB/Sの確認。GMOクリック証券の財務分析より。
製造業らしく資産の半分は土地と建物ですね。有価証券を多めに握ってるのが気になるところでしょうか。上下が激しいのでフツーに株式投資しているのかもしれません。
次にFCF。
安定してキャッシュが稼げているのはコネクター企業の特徴かもしれません。去年、大きめな設備投資をしたのかな。
この銘柄のおそらく残念な所は、製造業にしては利益率が低いことでしょう。コネクター自体は、おそらく競争力の低い汎用品に近い製品なのかもしれません。一方で研究費は微々たる費用で済むので需要さえあればそれなりにキャッシュが溜まる業界なのでしょう。付加価値の高いコネクターを製造するところだと6806 ヒロセ電機が有名です。ヒロセ電機の利益率は20%を超えています。鈴木の利益率は5~6%程度と製造業としては魅力に欠けます。
自動車産業や医療器具への取り組みを評価してのレポートですので、これから利益率を向上させていく可能性は高いとみているのでしょう。ただこれは今までのお得意先とは異なる新たな事業展開なので速やかに利益率を伸ばせるとは考えられないんですよね。
とはいえ17.02.13の2Q決算発表&上方修正で大きく株価を上げているので、もしかして私が見落としている何かがあるのかもしれません。
- IR情報|鈴木
IR本拠地。決算説明会資料、動画あり。
- http://apl.morningstar.co.jp/webasp/pdf/weekly/2006073104_W_20170310.pdf
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