2017年3月17日金曜日

オススメのファンダメンタルズ分析本 - おまえらのための財務分析

読書感想文まとめ

方針



会計を知ったからと言って株式投資で儲けられるかどうかってのは疑問なのです。会計が分かったとして「いい会社」を判断するには必須の知識ではあるのですが、株式投資でもう一つ必要な「いいタイミング」を図ることは出来ないんですよ。

株式投資は「いい会社」を「いいタイミング」で売買することで初めて儲かります。

で、この「いいタイミング」というのが実に難しくてですね、テクニカルや需給に頼ることが多いのです。例えばDUKU。さん著の1勝4敗でもしっかり儲ける新高値ブレイク投資術では、新高値銘柄(需給)で銘柄を選び、テクニカルで売却することで稼ぐ話が書いてあります。この中でも財務分析が関係ないかというと、そうでもなくて彼なりのシナリオと判断の中に財務分析のバックボーンがあるとみています。表には出てきてないですけどね。

今回は、「いいタイミング」すら財務分析を絡めて判断するというガチファンダ系の書籍を紹介していきます。当然、手法からすると株価が安くならないと話しにならないので買うタイミングは「逆張り」になります。相場がいい時はあまりワークしない手法なのですが、悪くなりだすと途端に守備力が上がります。

今のうちに知っておくってのもアリだと思いますよ =)


知ってそうで知らなかった ほんとうの株のしくみ


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この書籍の特徴は、財務分析の基礎と投資の付き合い方の説明の上手さです。

企業をまるごと買うとしていくらで購入するか、という命題を基礎から解説しています。企業に価格をつけるという作業自体に正しい解はないのですが、過去の収益性と現在持っている資産価値からある程度の価格を付けることができます。その手法より、価格の低い銘柄を買い、本来あるべき価格まで戻るまで持ち続ける投資法の説明をしています。

長期のバリュー投資の基礎となる考え方なので是非学んでみてください。書籍のお値段もお値打ち価格です =)

更に企業分析を深めたいという方には、同著者の書籍「デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座」をオススメしています。こちらの方はやや難しいかもしれません。



現役大学教授がこっそり教える 株式投資「必勝ゼミ」


現役大学教授がこっそり教える 株式投資「必勝ゼミ」 (PHP文庫)
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この書籍の特徴は、単純明快な資金投入と売却時期です。

ぶっちゃけて言うと低PBR銘柄で自己資本比率の高い銘柄を仕込んで3ヶ月程度で回していく手法になります。この書籍を読んでた当時はPBRの意味すらよく理解してなく、この方法で何故儲かるのかが理解できませんでした。ちなみにこの書籍、2005年の出版です。

キャラ故か書評が随分荒れてて悲しいのですが、記載されている手法は一つの完成形でしょう。ワークするかしないかはそれこそ自分で試してみて、自分なりのアイディアを付け加えていくのがいいんじゃないでしょうか。

ただ残念ながら今の相場では、合致する銘柄は殆どありません。それが原因なのか最近の出版本はブレブレでして、当たり判定を広めにとってみたり、成長株にも手を出してみたりと散々でした。

彼の投資アイディアはこの書籍だけで十分です。

ちなみに超バリュー投資入門 (よくわかる!シリーズ Lesson)は、本書の解説をDVDに纏めたものなんですがかなりお安い。TSUTATAにレンタルDVDも置いてありました。


投資家から「自立する」投資家へ


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パンローリング株式会社
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この書籍の特徴は、ファンダメンタルズ分析の深掘りです。

決算短信や有価証券報告書で表されてる数値が、いかに信用できないものかを具体例を交えて解説していきます。これらの数値を鵜呑みせずに実際の企業の実力値を予想し、将来の利益を予想する訓練をしていきます。

このチェックリストが膨大でしてね。当時は真面目にこのチェックリストを埋める作業を繰り返しまして、分からないことがあればすぐに図書館で調べたりしてました。我ながら若いねえ。多くの人が本書を途中まで読んで消化不良になってしまうかと思われます。それくらい濃縮された内容です。私も消化できてるのか怪しいくらい。

取引の方法には主眼は置かれていないので退屈かもしれません。財務分析をするのならここまでしなければならないのかもしれません。

読者に大量の宿題を押し付ける書籍、そんな感じです。

勢い余ってDVD ファンダメンタルズ分析入門セミナーを買ってしまい、我ながら若気の至りやのうと思ったり。当時の私には必要な情報だったけど、今はどうかな?マンガ版のマンガ 決算書でわかる株式投資入門もあるんですが、あの濃縮した内容のほんの少しだけの紹介になってるのであっさり読めました。オススメはしません。



バリュー投資の教科書



この書籍の特徴は、バリュー投資のまとめです。

著者の角山さんは、投資家の面と著者の面があって、様々な所から投資アイディアを拾ってきては書籍として紹介するのを得意としているようです。処女作は、資産バリュー投資に注目したグレアム風投資法(超特価バリュー株「福袋銘柄」で儲ける週末投資術)でしたし、その次は収益バリュー投資に注目したバフェット風投資法(株価4倍「割安成長株」で儲ける収益バリュー投資術)でした。このあたりで資産を伸ばしていきます。

そんな集大成の書籍が「バリュー投資の教科書」です。

色んな投資本の美味しい部分をチョイ摘みした書籍でして、これを活かすには自分で深掘りをする必要があるでしょう。そのキッカケを作ってくれます。

私は結構評価してますよええ。やっぱりインデックス運用本を出版したあたりがアレだった気はします。


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