2013年10月26日土曜日

M&Aという観点から見た企業価値 - 「ほんとうの株のしくみ」読書感想文

やはり9割方「なぜか日本人が知らなかった新しい株の本」の焼き直しでした。前の書籍は既に電子化してしまったため、紙の書籍としては手元に残っていなかったので改めて購入しました。600円はお値打ち価格でしょ。




目次は以下の通り。

第1章 株式投資で儲けるしくみ
第2章 「価値」ってなに?
第3章 企業の価値を暴き出せ!
第4章 価値の「源泉」を見抜くには?
第5章 なぜ株価は上がるのか?
第6章 「感情の罠」にはまらないために

前半は、M&Aでよく用いられているDCF法の説明と簡易DCF法の計算例について書かれてます。

DCF法は、普段はあまり見掛けない評価基準ですが、MBOを掛ける時の適正価格として見かけます。ザラ場でMBO関連の開示情報が出た時に色んな数値が出てきて「急いでいるのにムカつくわー」という記憶しかないかもしれませんが、その書類にDCF法による価格というのが提示されています。

最近MBOして一時市場から撤退したシンプレクスHDのMBO資料には以下のような記述がありました。

シンプレクスHD「MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ」より

DCF法(ディスカウント・キャッシュフロー法)は、会社を丸ごと買うとしたらいくらが適正かという基準の一つとして用いられます。「金のガチョウ」がいたとしていくらが適正価格なのかという例に使われることが多いですね。


株主価値 = 事業価値 + 財産価値 - 負債


で、株主価値と現在の時価総額と比べて割安・割高を判断します。算出方法や概念については本書を読んでおくんなまし。

算出結果についてはクリック証券の銘柄スクリーニングはもっと評価されるべきを読んでほしい。

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後半はビジネスモデルの見抜く方法について割かれています。

中でもカタリストによる売買は私の好物でもあります =)。本書では代表的な9つのカタリストとして以下の例を挙げています。

  1. 増配 - 増配はトリック!?
  2. 優待の充実 - 株主優待は投資家を釣るアメ
  3. 自社株買い - 自分の会社がいちばん割安?
  4. IRの充実 - 語る企業は理解される
  5. 新製品・新事業展開 - 投資かは新しいモノ好き
  6. 上場 - 舞台の違いが人気の違い
  7. M&A - 買収という名の起爆剤
  8. 分割/最低投資単元の引き下げ - 「小分け」で売れば買われやすい
  9. マスコミの影響 - マスコミの影響は短期に起こる

どうです?面白そうでしょ?

私は5.とか7.あたりが主戦になりましょうか。2.は優良な優待信者に極めて適正な価格でお譲りするパターンが多くて、最近は優待を受け取る事が少なくて寂しい限りです =)。




余談。


やや面倒臭い話なのですが昔、著者の山口さんがSheresを起業しまして、その時に開発したのがバリューマトリクスという商材でした。その後、売却する形でSheresの商材はGMOクリック証券に引き継がれることになります。

クリック証券の銘柄スクリーニングはもっと評価されるべきが正にそれです =)。
会社四季報で確認する総資産現金比率(仮)のB/Sのグラフも見易かったでしょ?
是非、利用しておくんなまし。

で、またちょっと面倒な事にバリューマトリクス売却後、山口さんのお兄様が起業しましてバリエーションマトリクスというサイトを立ち上げています。本書ではそちらを使って説明がなされていたりします。で今の所、トヨタ自動車[7203]を見る限り、前のバリューマトリクスと変わり映えしない状況ですので、まあなんか、GMOクリック証券に口座があれば大体は済んでしまう感じですので、今後に期待でしょうか。




ほぼ雑談。


頭でも触れましたが本書は、2005年に出版された「なぜか日本人が知らなかった新しい株の本」に加筆・修正を加えた形になっています。主旨は一切変わっていないですので、前のを読んでいるなら今回新しく買う理由はあまりないんじゃないかとは思います。またブックオフで100円本の定番として今も売っているので600円が勿体ないなら旧版でも十分事足ります。

ブックオフが近場になくて今まで読んだことが無いというのなら、今回の新書はお勧めです。

9476 中央経済社から4298 プロトコーポレーションに変わってました。流石に中央経済社だとアレですもんね。だがプロトもどうかとは思うんだがどうなんだろ。ソフトバンクのスプリント買収の件についてもちょろっと記載していたし、どこをどう修正したのやら。


お魚を貰うのではなくお魚の釣り方を学ぶ、って奴ですな。何を売買したかではなく、どうしてそれを買ったのか、重要なのはそこでしょう。そこがはっきりしないと売却時期に迷うはずです。

もっともマネー雑誌はお魚を並べ過ぎのような気がしないでもないけどな。あの様じゃ、選びようにも選べないだろう。

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どうでもいい話だが、お魚の話は老子らしい。いいこというやん。

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