2015年10月30日金曜日

1384 ホクリヨウ、6093 エスクロー・エージェント・ジャパン - 今日の決算説明会さん (15.10.21)

決算説明会(@gantky1)さん、まとめページ

1384 ホクリヨウ


ホクリヨウは、鶏卵を生産している企業です。'15/02上場。四季報の同業他社に1380 秋川牧園1381 アクシーズ2924 イフジ産業





いつものB/Sの確認。GMOクリック証券の財務分析より。

緑の有形固定資産が全体の6割を占めてますね。多分、養鶏場でしょう。

現金が増えているのは上場時に売却した株券の影響でしょうね。その分、株主資本も増えています。B/Sが急激に太っているのは、M&Aで同業他社を吸収した影響かと思われます。

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概ね装置産業であることは分かっていただけるだろうか。

毎年、6億円近い設備投資を行い6億円程度の純利益を得ているようです。シンドいですね。多分、設備投資は毎年一定額は必要でしょう。養鶏場も老化しますんでね。製造業と異なり、設備投資しても粗利が改善することは少ないでしょう。養鶏場を増設してもそこから生産される卵は、一定ですからね。

事業リスクに鶏卵の相場変動というのがありました。これらを軽減するために卵価安定基金制度というのがあるらしいですね。政府からの援助の一種でしょうか。生産性を高めたとしても需給のバランスが合わなければ下落する一方で、鶏さんに「今日、卵産まないでくれますかね」とも頼めないし「お前らタダ飯食ってんじゃねえよ」って飼料を与えないわけにもいかない、という。

生産性の向上がアダなることが多いのがこの産業の特徴でしょうか。

ちょくちょく鳥インフルエンザ的なイベントが発生しますし、飼料の高騰も地味に強い影響を受けます。これもまた飼料安定基金制度という制度があるらしく、援助なしでは安定した経営が成り立たないのでしょう。

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纏めると、人口動態からすると成長産業とは言い難く、輸出産業か加工産業に進出するのでないのであれば、資金繰りが厳しくなった鶏卵事業を吸収するようなM&Aが唯一の成長パターンかと思われます。沿革をみると、近年毎年のようにM&Aを行っているようです。

役員の顔ぶれを見るとチラホラ老齢の元銀行員が含まれており、資金繰りの厳しいところを狙う嗅覚でもあるんですかね、知らんけど。

従業員の平均年齢は46.5歳。若くはない。


6093 エスクロー・エージェント・ジャパン (エスクローAJ)


エスクローAJは、金融・不動産関連のアウトソーシングを行っている企業です。'14/03上場。四季報の同業他社に4351 山田債権回収管理総合事務所9746 TKC






エスクロー・エージェント・ジャパンから決算説明会の動画を見ながら書いてまする。

  • コンサバな業績予想
    業績予想の上振れは、かなりコンサバにみて数値を出したのが原因のようです。前回の下方修正で厳し目にみることにしたらしい。
  • 景気動向に左右されやすい業態
    事業内容からすると、金融・不動産業の景況感に左右されるっぽいですね。参考指標として新設住宅着工戸数、フラット35借入金利、中古マンションの成約・新規登録件数の推移をあげていました。
  • 2017年の消費増税に警戒
    今回の消費増税で随分影響があったとの判断。次の消費増税の影響を鑑み、景況感に左右されない事業(中古住宅、相続等)にシフトしたい。
  • 労働集約型のビジネスの克服
    BPOは人頭で売上が決まる事業。人からネットによるシステムに置き換えていきたい。
  • 下期は抑えめの利益
    成長への先行投資を強める予定。

財務内容を詳細に説明しているのが好印象ですね。

以下は現時点での中期経営計画。


来期は、本社移転を考えてるらしく利益は出にくい模様。まあ仕方ないですよね。

今後の市場環境についての見通しが興味深かったので載せてみる。



  1. 中古住宅の流通促進
    空き家対策ですね。中古住宅の流通が増えてくるのではないかとの見通しのようです。今後、政府が何らかの対策を練ってくるはず。政策次第では注目される事業になるかもしれません。
  2. 相続課税件数の増加
    相続税増税の話ですね。これは既に色んな所で影響が出ているようです。今後、変動年金のようなクソ金融商品が再開発されるかもしれませんね。
  3. 金融機関の人材不足とローコストオペレーションニーズ
    外注化が更に進むって話ですね。多分、この流れは変わらないでしょうね。責任と対価で大きく開きが出来てしまっている状況で、社会問題になっていますが改善されることは無いでしょう。対価に似合った労働を供給することに注力することになると、ますます米国型経営になっていくのでしょうね。
  4. ネット環境を活用した取引の拡大
    電子商取引が更に進むって話ですね。金融業ですとIT化と相性が良いので随分取り込まれた感じでしょうか。不動産も割と相性がいいので取り込まれるのは早いでしょうね。それ以外のレガシーな産業のIT化というのが今後のテーマであると思っているのですが、エスクローAJとは関係ないですね。

いつものB/Sの確認。GMOクリック証券の財務分析より。


おカネの塊ですな。

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纏めると、規模が小さいことより景況感に強く影響されやすい事業内容になっていますが、それを克服しようと色んな対策を練っている段階で、成長期業としては糊代が大きいように感じました。

立ち位置としても今のところ、需要が高く、従来の事業を置き換える業態を多く持っています。


嫌いじゃないぞ =)

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