2018年7月28日土曜日

7250 太平洋工業をみてみよう - おまえらのための株式投資

おまえらのための株式投資まとめ

7250 太平洋工業


太平洋工業は、トヨタ向けの自動車部品を製造する企業です。自動車用タイヤバルブは高シェア。四季報の同業他社にユタカ技研[7229]愛三工業[7283]




左側の部品はタイヤバルブ、右側の部品はプレス製品です。売上の7割はトヨタ向けのプレス製品が占めています。残り3割はタイヤバルブという部品なのですが、利益率が17.3%(2018年度)と高収益なのが特徴です。特にバルブコアという部品のシェアは国内100%、海外25%(と聞いたんだけどウェブだと20%超になってんね)。

タイヤバルブは、タイヤの空気注入口にあたる部品で空気圧を保つパーツです。このパーツはEV化の影響は受けないでしょう。



ポイント:同業のタイヤバルブを買収予定



イギリスに本社を持つ自動車部品企業から、米仏のタイヤバルブ3社を買収することになっています。この買収が上手くいくと年200億円程度の売上が加算され、全世界地域に生産拠点を持つことになります。

現時点で開示している業績予想にはこの買収が盛り込まれておらず、仮に買収できたとすれば今期業績の上振れが期待できます。四季報予想では売上ベースで織り込んでいるようにみえるのですがどうでしょうか。

7/26の開示によると7月中に株式取得完了を目標としていたのですが、8月に延期になってしまいました。やや不安材料でしょうか。


ポイント:TPMS製品の法規制の動き


TPMS(Tire Pressure Monitoring System、タイヤ空気圧監視システム)は、タイヤの空気圧を監視する製品で、空気圧が足りなくなると運転者に警告を発します。

外国の高速道路事情は、日本と異なりきれいに舗装されてなく凹凸が多いとのこと。タイヤの空気圧不足でこのような高速道路を走行すると大きな事故につながっています。このような状況で、タイヤの空気圧を監視するシステムの装着を義務付ける国が増えています。

ちなみに日本は高速道路の舗装状況が良いという理由で義務化には至っていません。とはいえ最近のGSは無人が多くなっており、空気圧をみてくれるタイミングが減っているように思えます。大きな事故が多発するようですと義務化が進むかもしれません。


決算説明資料より。中国の装着義務化は大きなビジネスチャンスにつながるかもしれません。


ポイント:車体軽量化によるハイテン部品の増加


ハイテン(High Tensile Strength Steel Sheets、高張力鋼板)は、強度の高い鋼板です。近年、鉄鋼に付加をつけるため研究開発が進められている素材です。

ハイテン部品を多用することで自動車車体の軽量化が期待されています。

加工には冷間プレスとホットスタンプという方式があります。ホットスタンプは、ハイテンを加熱し柔らかくした状態でプレスする方式なのですが、加熱時にススが付いてしまい見栄えが悪くなってしまう欠点があります。冷間プレスは常温でプレスするために綺麗な鋼板のまま加工でき、目に見える部分にも活用できる利点がある一方で、一レベル高いプレス機を必要とします。

太平洋工業は冷間プレスも可能な高機能なプレス機を各国に整備することで、トヨタから様々な部品の受注を見込んでいるようです。


今後も各国に設備投資が必要のようですがハイテン部品では先行しており、先々の受注・採用に手応えを感じているようでした。

ハイテンについては太平洋工業以外に丸順[3422]でも同様の取り組みを聞きました。業界全体の流れかもしれません。設備投資が進んでいる企業には注目したいところです。




ポイント:中期経営計画



うん、悪くないんじゃないかな =)。

0 件のコメント:

コメントを投稿