2015年9月8日火曜日

7821 前田工繊 - ジェイリバイブ (15.09.04週次)

ジェイリバイブ(SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ) まとめページ

7821 前田工繊


前田工繊は、土木関連資材を扱っている企業です。四季報の同業他社に4212 積水樹脂7856萩原工業5959 岡部

今週は、社会インフラの整備・維持に貢献するユニークな土木資材を軸に、事業領域を拡大しながら成長している「前田工繊」をご紹介します。同社の主力製品は、『ジオシンセティックス』(ジオ:土地+シンセティックス:合成繊維)と呼ばれる土木技術と繊維の特性を融合した技術から生み出されています。これは網状・棒状・帯状など様々な形態の繊維やプラスチックを用いた独自の工法で、従来の鉄やコンクリートを用いた工法と比較して安全かつ経済的である上、環境負荷が小さく景観も損なわないという利点があります。昨今、度重なる自然災害への対応やインフラの老朽化への対策が喫緊の課題となる中で、同社は「防災・減災」「補修・補強」「自然環境」などのテーマを掲げて重点的に製品開発を進めており、豊富な品揃えを誇っている点が強みとなっています。さらに最近では、河川や護岸の緊急復旧時や根固め工で使用する『パワフルユニット』、雨水から法面を保護して浸食を防止する『ガードレインシート』などの新製品を上市しています。
同社は1918年に人絹の繊維工場からスタートし、1972年に繊維を素材とした排水管を開発してこの分野に参入しました。その後は建設会社や大学などと積極的に共同研究を行って製品開発を進め、さらに必要な技術や新しい分野への展開についてもM&A(企業の合併・買収)も活用して積極的に取り組んでいます。例えば、2013年11月に買収を通じて自動車用の鍛造ホイール事業に参入しました。買収によって同社の信用力が加わり、さらに最新鋭設備も導入できたため大手自動車メーカーからの受注が拡大しています。将来的には、繊維と鍛造、相互の技術を活かした製品開発強化も目指しています。また、2015年7月には事業譲渡を受けて「未来テクノ」を設立し、防衛省向け商材への参入も果たしました。こうして時代のニーズを汲み取りながら、自ら進化を遂げていくことを通じて継続的な成長を目指しています。

ざっくり特徴を挙げると以下のとおり。

  • 土木系資材が主力
    建設と比べ、土木は需要が需要が安定しているのが特徴です。建設は景況感によって売上が大きく左右されますが、土木は官公庁が中心で景気が悪くても一定の需要があります。なので安定的な成長が見込めるんだとか。
  • 積極的なM&A
    前田工繊はM&Aで規模を大きくしている企業です。積極的に中小企業の同業に声をかけて、折り合いがつくと吸収する形を取っているようです。IRフェアで駆り出されてたM&Aで吸収された企業の営業の方に聞いた感じですと、M&Aによって窓口が広がって売上が伸びたと営業スマイルで説明を受けました。
  • 消極的な海外戦略
    以前、中国に合弁会社を作って製品を出荷していたのですが、いつの間にか勝手にコピー品が作られるようになり勝手に経営をし始めたので手を切った経緯があったとのこと。その後、契約を撃ち切った企業は勝手に「前田工繊」の社名で製品を販売しており、手に負えないんだとか。
    過去の失敗もあってか海外進出は消極的でした。

'07/08上場。当時、東証2部に上場していた時は全然人気がなくてですね、日に1、2単元の売買場あればいい方で、全く売買のないこともありました。鞍替え上場と東日本大震災のタイミングで随分評価されてしまいましたね。前にIRフェアにも出展してまして、社長とその一族の方と思われる経営者総出で事業を説明していた記憶があります。

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この銘柄は、インフラ赤字関連として注目しています。

今後、先人達が作ってしまった橋梁や道路を維持するだけでかなりのコストを支払うことになるでしょう。今まであったインフラを見殺しにして効率性を重視するような政策を打てる国民性ではないので、今後もこれらのコストを払い続けることになるはずです。

そのような環境で安定してキャッシュを生み出せる企業として注目しています。M&Aによる残存者利益もあるでしょうね =)。

  • http://apl.morningstar.co.jp/webasp/pdf/weekly/2006073104_W_20150904.pdf

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