2015年9月2日水曜日

6240 ヤマシンフィルタ - 日経IRフェア2015

6240 ヤマシンフィルタ


ヤマシンフィルタは、建機の油圧フィルタを製造している企業です。四季報の同業他社に7265 エイケン工業5942 日本フイルコン。'14/10上場。



実は立ち寄る予定がなかったんですが、話を聞いているうちに結構面白いんじゃまいか、ということで色々聞いてきた。

この企業の強みは、建機用油圧フィルタのシェアが高いことです。国内で7割、海外でも6割のシェアがあるそうです。油圧フィルタには、以下の2通りの売上があります。

  • ライン用
    建機と共に売上が上がります。建機が売れれば売れるほど売上が上がりますが、建機が売れないと売上が落ちます。フロー型ビジネスですね。
    4年に1回程度に建機のモデルチェンジがあるそうで、そのタイミングで他社に負けないよう、開発に力を入れているとのこと。ゆくゆくは国内7割のシェアを8割まで持って行きたい、というかそいう気持ちがないと他社に負ける。

    今回1Q決算で減収減益だったのは中国市場で建機の販売が急激に落ちたためです。通期下方修正しなかったのは、補給部品の需要が見込めるからとのこと。
  • 補給部品
    フィルタ部分で消耗品です。建機を稼働させると徐々に動作油が劣化していき、フィルタが汚れていきます。汚れたまま使用すると可動部分が故障しやすくなるそうで、定期的な交換が必要になります。ストック型ビジネスですね。
    補給部品は、各建機会社によって求められる品質が異なり、高いスペック要求に答えるためにフィルタ部分も自社で独自に開発しているとのこと。他社はフィルタを外注しているのでこの手のノウハウが無いんだそうな。
    ライン用よりも利益率は高い。

ライン用と補給部品の売上は半々。

ライン用が出荷されればその分、補給部品の売上も増えていくことになります。説明会ではジレットの例をあげてました。バフェットが好む銘柄としてよく取り上げられる例ですよね =)。

  • なんで上場したの?
    建機フィルタのシェア拡大とともに、次の成長分野である産業用フィルタへの開発費に当てるため。他分野への進出にはM&Aも検討している。

    油圧フィルタを使っている機器は複数あるんですが、参入障壁は高いと思うんですよね。新規事業への参入は、M&Aによってノウハウとパイの足がかりを作るのが手っ取り早いでしょう。油圧フィルタ自体は、幅広く使われていますし代替はナサゲ。フィルタを独自に開発しているノウハウがあるので技術的な障壁は少ないという認識のようでした。
    多分、技術の問題よりはパイが広がっているわけではない分野に乗り込むことの抵抗が大きいんじゃないかな。だからM&Aは重要だと思ってる。
  • 為替の影響どうよ?
    受けにくいようにしているが、影響を全く受けないということは無い。
  • なんで1Q減収減益のタイミングで株式分割したん?
    株主数を増やす目的で当初から予定していた。

    株主数を増やす意味って、鞍替え上場なんでしょうな。優待もあるし =)。
  • 隠れたIoT銘柄ってなんぞ?w
    油圧フィルタにセンサーを設けて、劣化具合を検知し、交換タイミングを知らせる仕組みを研究している。

    GPSがどうのこうの言ってたけど多分違うような。コマツの事業と似た感じはある。建機マネージメントの一環に組み込まれたら多少のビジネスにはなりそうだ。油圧フィルタ単体で通信手段を持ったら笑うで。
  • Webにある中期経営計画、数値目標が無いんだが?
    公開していない。

    決算説明会の資料の方には記載があった。なんだかな。3ヵ年計画では売上成長率を6%とし、営業利益率10%を目指すとのこと。

他分野への進出あたりが上手く行くことを期待しちゃうな。もう一つ柱ができればかなり安定しそうだ。時間を買う意味でもM&Aが手っ取り早いとは思うが、折り合いがつきやすい事業ではない気がする。寡占化が激しそうだもんね。

割と気に入ったのは、社長の山崎さん自らIR会場で会社説明をしていたところでしょうか。精力的な印象が強かったですね。四季報にも「個人投資家向け説明会は、証券会社店舗会場に月2回ベースの全国行脚目標」とありました =)。

メモが間違ってなければ9/11に櫻井英明の投資知識研究所に呼ばれているらしい。IRページに載せておいてよ。



直近ですと鞍替え上場と優待ですかね、やっぱり =)

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