<我が道を行く工作機械メーカー>
工作機械業界は、円安や製造業各社の収益改善といった外部環境好転の割には冴えない状況にあります。汎用性が高く市場規模の大きいNC旋盤などの分野では、日本企業同士の競争が激しく円安メリットをフルに享受できないうえ、依然として台湾・韓国メーカーに比べると高コストであることが要因です。中でも好調が目立つのはアップル以外での採用が急速に進んでいるスマートフォン用金属筐体向けの小型精密旋盤ですが、市場が狭いため急速に飽和するリスクも高いと言えます。そういった業界環境の中で、独自性の高い事業展開に注目している企業が太陽工機(6164)です。
同社はツガミ(6101)、ユニオンツール(6278)で研削技術を担当していた渡辺社長が1988年に独立して設立した企業です。当初から研削盤に特化し、何度かの不況時にはその後倒産した池貝や現在の親会社であるDMG森精機(6141)の支援を受けつつ、現在まで技術を磨いてきました。
研削の対象となる製品は、エンジン、トランスミッション、ベアリング、切削工具など特定の数分野が大きな比重を占めます。同社はデンソー(6902)や日本精工(6471)などの顧客に密着し、彼らのニーズを取り込んだ製品開発を行なってきました。また、国内親密先との関係で築いた技術力を用いて独自に開発した航空機エンジン用研削盤では、いきなりGE、ロールスロイスの2社に本格採用されました。
日本の機械メーカーが生き残っていくためには、付加価値の高い分野に事業を絞り込むことが不可欠です。研削という特殊な分野に特化し、一流の顧客に選ばれている同社は立派にその条件を満たしていると言えます。
太陽工機は、工作機械を製造している企業です。'07/12上場、森精機子会社。四季報の同業他社に6125 岡本工作機械製作所、6158 和井田製作所、6159 ミクロン精密。
2/13に3Q決算&上方修正が入ったようで早速株価を上げていますね =)。自動車産業の設備投資意欲が相当強い感じがありますね。
当第3四半期では、平成26年10月30日から11月4日にかけて開催された日本国際工作機械見本市「JIMTOF2014」で前回実績を大きく上回る受注を確保することができました。また自動車関連企業からの複数台受注を多数獲得した他、国内の軸受関連企業からの大口受注も獲得することができ、受注水準は着実に増加してきております。
(中略)
当第3四半期累計期間の受注高は5,841,464千円(前年同期比70.9%増)となりました。
日本国際工作機械見本市は、面白いですよ。
以前、工作機械への投資に興味を持った時に参加しました。ガチ勢というよりは、学生や見物客も多く参加していまして賑やかでした。ユニオンツールとかのドリル勢も上場、非上場の企業の有名所の全てが揃っていて、規模に応じたブーススペースになっていたりして、業界の規模をこんな所で知り得ることが出来たのは収穫でしたかね。後、ファナックの展示は華やかさには欠けるものの、製品の実用性を引き出すデモをしていて、学生さんたちに人気でした。
流石にIR担当がいる訳ではないので、その手の質問が出来る訳ではないんですが、同業他社の事とかは結構聞きやすい雰囲気でした =)。
逆に投資していた企業のブースを見に行ったらあまりお客さんが立ち入っていないようで、結局資金を引き揚げたことも。後から言うのもアレですけど投資タイミングは良かったですよ =)
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3Qの受注高は素晴らしいですね。見本市の効果はテキメンですな。
他の自動車産業に強めの同業他社を見た感じでも、かなり受注状況はイイですね。人件費高騰を睨んでの事か、日本に出戻り投資になっているんでしょうか、さてさて。
受注状況については日本工作機械工業会で月次を公開しているのでそれを確認してみることをお勧めします。割とニュースにもなる統計です。2月の月次は相当良さそうな感じですねえ。
ちょっと気合い入れて調べてみますかね =)
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工作機械は、受注高で判断するのが宜しいかと思います。
工作機械の特徴として、1台あたりの売上が数千万~数億という単位ですので売上の変動が激しいです。受注生産が基本でして、受注を受けてから3ヶ月~半年、長いので数年で売上になることがあります。額が額ですので、売掛金の回収は遅めな企業が多く、景気が急に悪化すると回収が難しくなり、あえなく黒字倒産というケースもあるのでこの辺りは注意が必要です。
売り手側が強い場合、前受金を受け取ってから受注する企業もあります。こうなると資金繰りに苦労する事が無く、安定した経営が出来るので確認してみましょう。太陽工機の場合は前受金に近い項目は無いようですね。
受注高は高ければ高い程イイわけでもないです。
材料の高騰や為替の大きな変動により、経営を圧迫し、それを価格転嫁しようとしても受注後では難しいという話はよく聞きます。受注を捌くために外注費を多く計上する事になると、利益を減らす事にもなります。どの程度が適正であるかというのは生産設備のキャパによって違うのですが、大体半年程度の受注が一般的かと思われます。棚卸資産回転率との兼ね合いは考慮しておく必要があるでしょう。
ま、景気は悪くない状況ですので、多くを心配する必要は無いかもしれませんけどね。
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と言う事で、久しぶりに工作機械への投資を検討してみますね =)
- http://www.daiwasbi.co.jp/products/search/fund/pdf/20150130_kogataSB37M.pdf
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