2015年2月7日土曜日

7412 アトム - おまえらのための財務分析

いえね。

なんかGMOクリック証券の『財務分析』の見方がよく分からないから説明してくれよう、とか言ってくるんです。でまあ「気が向いたら説明したるよ、で、どんな銘柄がお好みだい?」って聞いたら

7412 アトムで」

とかほざくんです。実績PER 150倍前後の銘柄を財務分析しろ、と。もうやる前から割高なのは分かってるじゃないですか、、、orz。

もうどうなっても知らないからねっ。




株価分析


株価分析は、M&Aの指標の一つとして使われているDCF法の手法に基づいて、理想株価を算出しています。

で、この株価分析で示されている割安度は検索ができます。知らない人が多そうだったので以前、記載しておいたのですが、それすら読まない人の対応までは考えてないよ =)


で、早速、アトムを確認しましょう。GMOクリック証券様のサイトから多めの引用になるので、もしクレームがきたら即爆破するからね。

アトムの株主価値をみてみましょう


今の状態で会社丸ごと購入するなら幾らが妥当かという数値です。

ざっくり今の事業を買うなら130億円あたりが妥当で、それを株数で割ると69円になります。これと現在(2/6)の株価である812円と比較すると10倍以上割高ですよねってのが上記の結果です。

ここで重要なのは同業他社との比較です。四季報の同業他社の結果は以下の通り。

  • 2753 あみやき亭:フェアバリュー
    関東圏中心の焼肉屋。決算短信の発表に定評。優待有。
  • 3091 ブロンコビリー:55%割高
    名古屋地盤のステーキ屋。ロードサイドに展開。直近の決算が悪くなく業績予想もかなり積極的で株価続伸。分かってはいたんだが近場に店舗が無く判断に迷い、結果手を出せずorz。優待有。
  • 3097 物語コーポ:37%割高
    焼肉屋をはじめとする多店舗展開。優待有。

焼肉屋チェーンを集めてきたようですね。アベノミクス前に景気が良くなると肉が売れるってひふみ投信の藤野さんが言ってましたけど、まさにその展開になっています。3銘柄共に月次を出しているので手を出しやすい銘柄でしょう。優待もあるしね =)。

とまあ、イケてる業種故にそこそこ高い株価になっているようです。ただし、10倍以上の割高を肯定できるほどではないでしょう。上記から分かる事はそんな程度です。

次に倍率評価を見てみましょう。



数値よりもコメントに注目してください。「+」ボタンを押すことでコメントがすべて表示されます。これ結構、気が付きにくいU/Iですよね。

割高以外の何物でもないですな。


財務諸表


財務諸表を見ていきましょう。財務諸表のボタンを選択してください。


ここで確認するのは資産の流れです。

どのようにしてこの銘柄は成長していったのか、財務諸表の流れから考察していく過程が重要なのです。これが見えてくると次の3年が薄らとみえてきます。経営者の発言を鵜呑みにするのではなく、自分で判断することが投資家にとって重要な財務分析だと確信します。まあ財務分析なんかしなくても株で儲けられる人はイッパイいるんですけどね =)。

まず私が真っ先にに確認するのは橙色の株主資本です。この部分が総資産(バーの全長で資産全体のことね)と共に順調に伸びている銘柄は成長株として有望です。大して伸びていない場合でも、自社株買いや増配を通じて株主に還元している場合もあります。これも業種によって見方が色々あるのですが外食なら右肩上がりであるべきです。

パッと見、2008年度から2009年度にかけて大きく総資産が膨らんでいます。同業他社と比べて有形固定資産と無形固定資産の比率が大きいのも気になります。ここからは決算短信や有価証券報告書(有報)や沿革から確認します。

ツールはあくまで調査するとっかかりにしか過ぎません。

  • 2009年に総資産が増えた理由
    沿革をみるとコロワイドの子会社との合併が理由のようです。コロワイドは主要株主で現在7割チョイを占めています。合併の時に比率が増えたのかな。
    有報を見ると親会社のコロワイドから優先的に食材を購入してるようですね。また転換社債やら子会社株を押し付けられたり、資金調達のためのアトム株売却とか酷い親ですなw。時価総額からするとコロワイド1000億円に対してアトムは1100億円程度。既に逆転してますがな。
  • 有形固定資産の中身
    建物が6割、土地が2割程度。多分、土地は賃貸契約で建物の比率が増えているのはロードサイド中心だからかな。土地の比率が高い場合、土地の価値が問題になります。建物と違って償却出来ないので、長い目で見るとあまり好ましくない資産であることが多いです。
    逆に沿革が長い企業となると昔のままの資産価値で登録していたりするので狙い所でもあります。こいうのを隠れ資産銘柄といって相場が難しくなった時に突如動き出す傾向があります。パッと見のB/Sからは確認できないので有報を使ってマメに確認するしかないんですけどね。面白いんですよ =)
  • 無形固定資産の中身
    のれん代でした。資産にのれんが計上されていると言う事は、コロワイドからお高い買い物をしていてそれがナカナカ償却出来ていないというのが見て取れます。償却方法は10年の均等償却で一般的な方かな。つかコロワイドから株購入でのれん代が追加されてるw。

親が色々酷い。

コメントも全部確認しましょう。コメントは機械的に作成されているのですがかなり的確です。


1、2、4番の項目は流動比率の問題です。前に説明した通り、外食は現金商売なので売掛金が殆ど発生しません。なので流動比率は悪くなってしまう傾向にあるのですが、気にする必要は無いでしょう。

3番は、固定資産の比率が高い事を警戒しています。コロワイドも絡んでいるので面倒な事になっているのですが、直近の売上とキャッシュを見る限り、即死する程悩ましい感じは受けませんでした。長期的な資本効率の悪さはあるんでしょうけど、親の介入が大きいかと。

次に損益計算書(P/L)をみていきます。


やはり2009年が一つの分岐点ですね。2010~2011年は確認してませんけど、多分、会計的なものでしょう。2011年からの伸びは順調です。

フリーキャッシュフローは、この銘柄は色々例外が多いのでスルーします。


まとめ


ざっくり見た感じでは今の株価を肯定する程の魅力は見つけられませんでした。財務分析とは別の魅力で今の株価が維持されているのかと思います。ざっくり確認した感じですと、やはりコロワイド関連であることと優待の魅力が強いように感じました。時にこの銘柄に関わっている人たちの声を聞くこともまた重要な事なのです =)

財務分析の欠点として先々の成長性を織り込んだ株価を算出するのが難しいです。成長性をかっていく投資ならまずは経営者の方針を参考にしつつ、過去の財務内容で経営者の経営の信憑性を図っていく作業になろうかと思います。

最後に

「ここだけ見ればいいってのを教えてくれよ!」

と依頼されて作ったコンテンツなのですが、そんなのは言うまでもなく

「そんなんあるわけねえだろ( ゚Д゚)ゴルァ」

と言うのが私の答えです。

財務分析を中心に投資をするとなると陰湿な投資法になります。例えばennさんの投資法はまだ正統な方で、かつて私が提唱した総資産現金比率(仮)とか、どうやってこの銘柄は退場するのだろうかと言う逆算から利益を吸い上げてやろうか、というやり方だと財務分析が俄然ワークしてきます。

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本格的に財務分析をするとなると結構、知らなければならない項目が多いのです。

取り敢えずですね、

  • 割安度で検索
  • 興味を持った銘柄の同業他社と比較
  • 明らかに劣っている点がない事を確認
  • ヤフー掲示板で過疎ってて誰も注目していないことを確認

こんな感じでも結構悪くない投資になるんじゃまいかと思ってます。レッツトライ。後、調べてて思ったんだが案外、あみやき亭が面白い感じを受けたので後でこっそり調べるけど公開はしない =)

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こんなシリーズを後、2~3回続けようかと思ってる。要望があればmentionsでも投げておくんなまし。


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