2019年1月28日月曜日

【読書感想文】 1%の人が知っている99%勝てる株が見つかる本 (山本 潤、皆木 和義) (19.01.28記載)

読書感想文まとめ

1%の人が知っている99%勝てる株が見つかる本
山本 潤 皆木 和義
かんき出版 (2019-01-21)
売り上げランキング: 467

山本さんと皆木さんの共著。実は両者とも面識があります =)。


著書のインベストメント投資家から「自立する」投資家へは私の投資人生の中で大きく影響を受けていて度々紹介したりします。最近もインベストメントを読み直したのですが、当時と違った印象でして、投資家として少しは成長したのかも知れないなと思わんでもないです。


とはいえ。

山本さんの書籍は、難解な表現や専門用語が散りばめられており読解に非常に時間が掛かります。しかもアクがあるというかクセがあるというか、山本節に付き合う必要があり、途中で放り投げてしまうケースも聞いたことがあります。それくらい難しいんですよ。

そんな中、今回の新刊は非常に読みやすい!(※山本さんの著書の中では)

読みやすさに結構感動しました。本人曰く、かなり出版社と妥協したとのことですが、もっと妥協してください><。

今回の著書では、配当を意識した2段階DDMモデル(割引配当モデル)の簡易版を紹介している、ようです。自信がないのはあまり活用していないからでして、今後はもう少し勉強します、はい。


著書では、粗利ではなく営業費用売上比率を用いているのが気になりました。これは山本さんは製造業がお好みなのが関係してるのかと想像しました。

製造業は、不景気時に大きく在庫調整が行われる関係上、粗利を大きく落とすことが多いです。逆に営業費用なら、人件費、輸送費、研究開発費のもろもろのコストですので、大きな変化はないのでこちらを優先にしたのかと考えました。

本人に実際に聞いたところ「営業費用と売上はマイナスにならないから」とのこと。数学ではマイナスという値は扱いにくいんだそうです。

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皆木さん担当の第三章は、経営者の資質と優れたビジネスモデルに注目した投資になります。実はこっちのほうが私好みだったりします =)。

昔、学んだビジネスモデルですとポーター教授『競争の戦略』入門ザ・プロフィットくらいでして、古典に近いモデルなんですな。その点、皆木さんの著書は、ポーター教授以外にも、コトラー、ドラッガー(イノベーションと企業家精神―実践と原理)、BCGのPPM分析と幅広く取り扱っています。ひとつひとつは非常に深く、書籍にもなるほどですので理解するには時間が掛かると思いますが、本書で紹介されたビジネスモデルの分析はの紹介としては十分役立つのではないかと思います。

またビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書バリュー・プロポジション・デザイン 顧客が欲しがる製品やサービスを創るなどの比較的新しい書籍も取り上げており、この手のビジネスモデルへの情報収集を怠っていない姿勢は見習いたいところです。


×:キトー[6409]で成長株をみつける5ステップを検証してみる


ウチのサイトで唯一、ポジショントークが許されている6409キトーで山本さんの検証をおこなってみます。


ステップ1:営業費用売上比率1.15以上


2018年3月期の決算短信より。


うん、もうダメじゃんorz。

営業費用売上比率1.15以上ということは、売上利益率13%以上でないとダメということか。なんてこったこれは困った。

銘柄変更せねば。


◎:JACリクルートメント[2124]で成長株をみつける5ステップを検証してみる


キトーで乗り切るつもりだったんじゃが急遽差し替えました。


ステップ1:営業費用売上比率1.15以上


2017年12月期の決算短信より。


1.50倍なのでOK。


ステップ2:配当性向5割以上



前期56.0%、今期予想67.6%。

5割以上なのでOK、ステップ4へ。


ステップ4:中期経営計画の有無、事業戦略が明確か


中期経営計画(中計)は大体、決算説明資料に載せてある場合が多いです。そうではない場合もあるので注意が必要です。

以下は2018年2Q決算説明資料より。

中計があるのでOK、ステップ5へ。


ステップ5:20年後もあるか?


人材紹介事業自体は、20年後も無くなることはないでしょう。

同業他社であるリクルートHDは広く求人を募集しマッチングさせる、謂わば下手な鉄砲数撃ちゃ当たる的な方法であるのでマッチングの精度を上げるためにAIやビッグデータを活用することは十分考えられます。今までやっていた方法が変わる可能性はあってもマッチングビジネス自体は20年後も必要とされると思います。

一方でJACRは、高求職の人材を一本釣りするする方法でマッチングさせます。満足度が重要になるので機械に置き換わるのには時間がかかるはずです。職人芸を必要とするからか賃金も高めですが今の所、それ以上の収益は残せています。

とはいえ。

業界自体の参入障壁は低く、誰でも参入できる状況にあります。このような栄枯盛衰が激しい業界で20年生き残れるか?と言われると自信はありません。20年の間には経営者も様変わりしているはずです。

山本さんの回答例を見る限り、世の中に存在し得る事業はいずれもなくならない、というノリで承認しているあたり、私の考えすぎなのかもしれませんけどね。居酒屋チェーン店であるヨシックス[3221]だって、居酒屋自体は無くならないという回答だったもんなあ。外食が20年生き残るって相当大変だと思うんだけどね。

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