2013年9月25日水曜日

'13/08の「担当ファンドマネージャーの見方

大和住銀日本小型株ファンドの月次。8月は9386 日本コンセプト

<物流業界のニッチ分野>
 物流業界は全体的に価格競争の厳しい地味な業界ですが、その中のニッチ分野で優位を築き、高いシェアを占めれば安定的に高収益を得ることが可能です。当ファンドではそういったニッチ企業に数多く投資していますが、今月紹介する日本コンセプト(9386)もそういった例の一つです。
 同社は化学薬品の輸送に用いるタンクコンテナの賃貸業に特化した企業です。タンクコンテナとはコンテナサイズの金属枠の内側にタンクを取り付けたもので、タンカーで輸送するには少量過ぎるが、ドラム缶では本数が大量になってしまうといった場合に適した輸送方法です。海上と陸路の両方を利用する場合には、積み替えが不要という特長もあります。化学薬品の積み替えは手間がかかるだけでなく危険な行為でもあるため、それを行わずに済むのは大きな利点です。また、タンクの整備されていない需要地では、そのまま長期保存に用いることも可能です。
 同社が設立されたのは1994年です。当時、タンクコンテナの利用は欧米では拡がっていましたが、日本では規制の問題などもありほとんど使われていませんでした。同社は当時の規制緩和の波にも乗って一つ一つ問題を解決し、大手化学メーカーを中心とする顧客を開拓していきました。顧客開拓と平行して各コンビナートに洗浄機能を備えた拠点を整備してきたため、現在国内では他に類を見ない物流網を完成させています。タンカーと異なりタンクコンテナは片道輸送だけでは儲からないため、顧客網・拠点網の存在は大きな参入障壁となっています。
 目下の業績も好調で、円安メリットもあり2013年6月中間期は47%増益となりました。中期的にも、日本の化学業界がコンビナート完結型から得意分野特化型への転換を進めるなかタンクコンテナによる輸送機会は増加すると予想され、同社もそれを見越して米国を含む世界ネットワークの強化に着手しています。

日本コンセプトはちょっと目を掛けてた銘柄ですよ(過去形)。




珍しく上場後、中計を発表し「この程度か」とがっかりした記憶はあります。

一時期、シェールガス関連だと勝手に囃し立てられて相場になったこともありました。シェールガス自体を運ぶのではなく、シェールガスを製品にするための触媒の運送を、これから始められたらいいなあって話をIRに記載していただけなんですけどね。

ヨサゲなポイントはIRの人が良くまとめているのでそちらを見てくださいな。




勿論、アレなポイントもあります。


  • 利益の大半はデリバティブ取引による影響
    実力値よりかなり下駄を履いている状況です。一概にPERとかで判断しない方が宜しいでしょう。
  • 資産の大半が化学用タンクコンテナ
    総資産137億円の内、タンクが76億円で半分以上占めてます。経営者曰く「持たざる経営ではなく持つ経営」を目指しているらしく、保有する事によりレンタル費用がそのまま利益になりますし、洗浄など自分らの施設でやりやすくなり、結果的に利益に繋がると説明しています。
    タンクの資産価値は正しいのでしょうか。償却期間を含めて怪しいものです。私はちょっとしたリスクとい見ています。
  • 借金多過ぎ
    ある意味、タンクレバレッジ経営なので腑には落ちるのですが、成長産業特有の売上げの伸びではないんだよねえ。


ビジネスとしては面白かったし事業の内容は分かりやすかったし、業績を伸ばすにはタンクを買い増せばいいという実に分かりやすい勝ちパターン、ってのがお気に入りでしたね。近場の埠頭にタンク置き場があって虚業ではナサゲというのも判断材料に入れてました =)

上場直後の800円台をウロウロしていたあたりで仕込んで1200円あたりで全売却という内容だったかと思います。結果的に短期売買になったけど、ボキュにしてはよくやった方がかな =)

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