2018年12月9日日曜日

6566 要興業 - 今日の決算説明会さん (18.11.30)

決算説明会(@gantky1)さん、まとめページ

6566 要興業


要興業は、産業廃棄物の運送・処理・リサイクルを行っている企業です。四季報の同業他社にダイセキ[9793]タケエイ[2151]FUJIKOH[2405]







過去の記事は以下の通り。


廃プラスチック問題については以下の記事を参考にしてください。


以下はタケエイの決算説明資料より。


事の始まりは、廃プラスチックの輸出先である中国が環境問題を理由に輸入をすべて禁止にしたことに始まります。昨年12月に急遽決まったことで、今まで廃プラスチックの輸出でリサイクル処理していた業者が処理できずに、廃プラスチックが停滞することになります。

同業であるFUJIKOH[2405]の個人向けIR説明会で廃プラ処理の問題について聞きました。


  • 廃プラ処理の値上げは?
    廃プラの受け入れが全体の5%→35%まで増えている。
    9月あたりから順次行っており受け入れてもらっている。廃プラは環境問題もあってそのまま埋め立てることが難しい。焼却処理をする必要があるが処理が追いついていない状況が続いている。
  • 廃プラ焼却場の新設どうよ?
    廃プラ処理場は、認可に5年、設置で1.5年掛かり、計6年半が必要になる。だが不思議なことに廃プラ発電(廃棄物固形燃料)としての認可だと2年、設置に6ヶ月程度とかなり早い。
    廃プラ発電を検討したいのだが太陽光発電がネックになっている。太陽光発電で認可は取っても設置をしない業者が問題になっているが、この業者のせいで電線が繋がらない状況が続いている。近場に電線を繋げられないと売電ができないので困っている。
  • 中小企業のM&Aどうよ?
    出回っている産廃業者の価格が高騰しており苦慮している。
    産廃業者の高齢化が進んでおり、同時に後継者不足にもなっている業種になっている。産廃業者としての認可が大変時間がかかるのでM&Aの需要は高い。

    今後、救済型のM&Aが増える業種として注目していたりします。業者間との流通が大きいからか仲は良いようで、大きな資本に吸収されるようなM&Aが増えてくるとみています。まあでもM&A価格が高くなっているってのはちょっとしたネックかもしれませんね。
  • バイオマス発電どうよ?
    検討はしたが安定した燃料確保が難しいと判断している。ペレットを利用した発電は採算性に疑問がある。

中国の環境問題で日本も環境問題のあおりを受けている状況でしょうか。短期に廃プラの処理能力を増やすのはかなり難しいようです。政府から何らかの特例か補助をしないと、今後のインフラ整備に影響が出てきそうな気はします。

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要興業の話に戻します。


産業廃棄物は、収集 → 分別 → 処理 → 埋め立ての工程で処理されます。

産廃業者はこの工程のすべてを行うのではなく、例えば収集をメインとしている企業は、ゴミ収集車でゴミを収集し、分別を行う他社に処理を委託します。また分別をメインとしている企業は、金属やゴムや廃プラスチックに仕分けて、それを処理を行う業者に委託します。

要興業は、収集から処理まで一気通貫で行えることを強みとしています。

廃プラスチック問題では中国に輸出ができなくなってしまったために委託コストが跳ね上がったため、要興業にとってはマイナスになりました。順次値上げを行っているそうですが、そのラグがあるために利益を削ることになりました。

一方で古紙事業は、同じく中国の規制絡みでプラスになっています。

中国は5月、不純物の多い米国の古紙の輸入を実質的に一時禁止。8月には米国の関税発動に対抗し、米国の古紙に25%の報復関税を課した。米国より割安で距離も近く、品質の良い日本の古紙に買いが集まった。
-- 古紙「爆買い」で段ボール危機 米中貿易戦争の余波  :日本経済新聞

EC事業は日本でも中国でも今後も伸びるでしょうから古紙の需要は長く続くかと思われます。中国の独身の日(11/11)前後までは高値を維持していたでしょう。段ボールを固める溶液を製造しているハリマ化成グループ[4410]は中国の影響で増収でしたし、東洋刃物[5964]は段ボールを切断する刃物が売れてるんだそうな。話が逸れたね。

決算説明会さんが推してるミダック[6564]は、収集から埋め立てまで一貫で行っている一方で、リサイクルは他社に委託していることより比較的、廃プラスチック問題での影響を受けていないようです。リサイクル業は、古紙や廃プラスチックや金属の価格で大きく事業が左右される傾向が強く、その手の事業には手を伸ばさないとのこと。

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産廃業者は、担当する工程で強み・弱みが分かれるので調査すると興味深いセクターだと思います。東京五輪やその後のインフラ整備など、建設需要の裏には産廃需要もまた多くあり、許認可事業であるがゆえの参入障壁もあります。

近年、産廃業の上場が多くなってきているのも世の中の流れなのかもしれません。

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