2013年10月29日火曜日

【会社四季報】 会社四季報で確認する「ざっくり企業価値評価(DCF)」

M&Aという観点から見た企業価値 - 「ほんとうの株のしくみ」読書感想文のつづき。

今回は「ほんとうの株のしくみ」で提唱している「ざっくり企業価値評価(DCF)」を求めていこうかと思います。





何が便利なの?


事業価値と財産価値の双方から理想株価を導き出します。

  • 事業価値 (収益バリュー)
    企業が毎年積み重ねる利益を基準に価値を算出します。
    ざっくり版では、一律6%の期待利回りで計算しています。本来なら利益が安定している銘柄ならば期待利回りはもう少し下げるべきですし、景気に連動していて利益が一定でなければ期待利回りはもっと上げるべきでしょう。
  • 財産価値 (資産バリュー)
    企業が持っている資産を基準に価値を算出します。
    ざっくり版では、「流動資産」と「投資その他資産」と「流動負債」から算出しています。建物はどうでもいいとして土地を考慮に入れないというのはどうなんでしょうね。本当に価値がある土地なのに未だに簿価が昭和初期の価格だったり変なのは結構あります。また「投資その他資産」の中の資産は例えるなら「闇鍋」です。社歴が長ければお宝もあったりするんですが、ベンチャー企業ですとお仲間企業の未公開株だったりして「それ資産価値あんの?」ってのは多いです。この見分け方については、気が向いたら説明します。

GMOクリック証券に口座を持っていれば、書籍と同じ表が見られます。操作についてはクリック証券の銘柄スクリーニングはもっと評価されるべきを参照してね。


レッツスクリーニング!


今回は記載されたまま算出します。算出の理由については書籍を読んでみてください。

こんな感じ。



スクリーニング結果の上位20銘柄。


概ねクリック証券と同じような数値にはなったと思うが全く同じではありません。

注意点は以下の通り。


  • 対象は連結銘柄のみ
    「投資その他投資」がDL(ダウンロード)にありませんでした。仕方なくデータを連結から持ってきた関係上、単独銘柄は除いています。単独銘柄の場合、一律0扱いになるようです。
  • ざっくりDCFの推移が表示できなかった
    本来の意味からすると、2期前、3期前と比較して安定している銘柄を抽出したかったのですが株数が最新しか取得できないらしく断念しています。となると営業利益は3期前位の平均を取った方が良いはずなのですが、そうするとクリック証券の出力に合わなくなるし、書籍通りにスクリーニングする意味も無くなってくるのでこれも断念。各自、補完してください。
  • 桁あふれ多数 X-(
    少しでも溢れるとすぐ1に集約されるようで苦労しました。式を色々入れ替えて溢れない工夫をしています。


クリック証券のをあんちょこにしながら色々調整して気が付いたのですが、実績の営業利益を基準として計算されているので、製造業は不利でしょうね。今年は来期予想が良い銘柄が多いですし、輸出産業は概ね好調なのですがそれが反映されていません。

この辺は妄信せず、自分で組み立てるしかない気がします。


ということで色々試してみたくださいな。

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