2018年5月25日金曜日

6543 日宣 - '18/04の「担当ファンドマネージャーの見方」

大和住銀日本小型株ファンドまとめページ

6543 日宣


日宣は、広告宣伝支援サービスを提供する企業です。'17/02上場。四季報の同業他社にレッグス[4286]CDG[2487]アイドママーケティングコミュニケーション[9466]

<販売促進の手法は無限>
小型株調査の楽しみの一つは、驚くようなニッチ分野のビジネスモデルを知ることです。日本経済が成熟して低成長が続く中、多くの企業が必ずしも大きくはない収益機会を求めて知恵と工夫をこらし、新たな事業形態を編み出してきました。今回紹介する日宣(6543)も、細かなビジネスモデルを生み出し続ける企業の一社です。

同社はもともと販売促進用の印刷物を制作する会社で、1970年代に取引を開始した旭化成(3407)のヘーベルハウスの販促資料と、1990年代に急成長したケーブルテレビ各社の番組表が事業の二本柱です。さらに、同社は単なる受託事業に飽き足らず、さまざまな販売促進手法を編み出してきました。

同社が始めた事業の中で最も独特なのは、製薬会社がスポンサーとなり、地域の医師が出演する医療情報番組です。製薬業界では、接待規制などの要因で新たな販促手法が求められており、出演医師の知名度向上や潜在患者の掘り起こしにもつながるこの手法が一部の企業に受け入れられました。放送媒体としては、当初は同社と縁の深いケーブルテレビ各局を利用していましたが、近年では制作費の安いラジオ局にシフトしています。

また、ここ数年はホームセンター専用やドラッグストア専用のフリーペーパーを買収し、より販売促進に役立つよう改善を加えてきました。ドラッグストアでは、顧客向けだけでなく従業員向けのフリーペーパーも制作し、陳列代行業者と契約して彼らの手渡しにより店員に配布しています。フリーペーパーは大量の部数を用意するのに費用のかかるビジネスモデルですが、店員に配布対象を絞ることでコストを抑えて販促効果をあげることを目指しています。

同社の新規事業の一つ一つは小さなものですが、それらを不断に事業化することで新たなビジネスモデルを生み出し続ける企業風土を醸成しています。個人的には、最近ありがちな「個人データをできるかぎり収集して分析することで販売促進につなげる」という論法よりも、少なくとも聞いていて楽しいと感じています。

'17/02上場。


印刷業から広告業への展開は興味深いですね。

いつものB/Sの確認。GMOクリック証券の財務分析より。


上場直後に得たキャッシュを借金返済に使ったのが見て取れます。とはいえ業態からすると巨大な設備投資を必要とはしないでしょうから、今後、得られた現金の使いみちに注目されるのかな。上場理由が気になります。

予想PER12倍、ROE28.57%、予想配当利回り2.47%あたりが割安感を誘ってる感じはします。

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