2013年10月7日月曜日

【投資アイディア】 決算短信から求める配当性向

今回は決算短信から配当性向を求める方法について説明します。

教材は6409 キトーの公開情報を使います。今回は、2013/03月期の決算短信を参照しています。

決算短信|IRライブラリー|IR情報|キトーグループ




配当性向の求め方


配当性向は以下の計算で求まります。

配当性向 = 配当金 ÷ 純利益

必要なのは今期稼いだ純利益と支払う配当金。どちらも決算短信の1ページ目に記載しています。重要ですからね。


純利益は10.23億円。


支払われる配当金の総額は2.57億円。計算するまでもなく配当性向は25.2%と記載されています =)。

なにこの茶番。

25.1% = 2.57億円(配当金の総額) ÷ 10.23億円(純利益)

ビミョーに端数が合っていないのですが、PERの時と同じく誤差の範囲でしょう。




会社四季報でも配当性向

配当金の総額が無かったので代わりに1株配当を用いました。

配当性向 = [DL・1株配当(円)(0)]/[DL・1株益(円)(0)]*100

ちなみに[DL・1株配当(円)(0)]と[DL・1株益(円)(0)]は、共に会社四季報予想ではなく企業発表によるデータでした。結構、四季報データ推しして面倒なスクリーニングをさせることが多いのに、今回ちょっとした発見でした。

条件値を付けなくてもいいのですが、全社で検索するともれなく3000社以上のデータ全部を出力する事になってアレなので、今回は、3期連続配当性向40%で今期予想の配当性向も40%予想である銘柄を抽出してみました。




検索数は231件

ケチな日本企業ばかりかと思いきや、結構配当性向の厚い銘柄が多かった印象です。平均40%に近い銘柄は至って安定経営、悪く言うと新規の投資先が見当たらない銘柄が多いですね。魅力的な銘柄が揃ってます。

逆に、毎年配当性向100%越えしている銘柄もあって、これは大丈夫なのか色々不安です。タコ配と言って利益以上に配当する事は禁じられています。100%越えしている銘柄は利益余剰金を減らしてでも配当している状況でして、このまま事業を継続できるんでしょうか。

上位20銘柄をキャプチャしてみました。


かつてハゲタカファンドにやられた3571 ソトーは貫録ですな =)。未だに投資信託状態ですので仕方のない所でしょうか。大手製薬企業は概ね安定して高い配当性向を維持しているようです。特許切れ問題も近い事ですし、このまま維持できるかやや不安ですね。

配当性向が高い銘柄は、不動産賃貸業等、本業とは関係が薄い事業で儲けている場合があるようですね。隠れ土地資産銘柄とかの抽出にも使えそうな気がしてきました。




配当性向の使い方


配当政策は上場企業であるならもっとも重要視される経営課題です。対象の企業がどのような配当方針でいるのか確認してください。無配であっても何らかの方針があるはずです。配当方針を明示していない銘柄は捨てて構いません。株主をないがしろにしすぎです。

配当性向は20~30%の範囲で収まるのが一般的です。これらを踏まえて以下の事項を確認しましょう。


  • 配当性向を決めているかどうか
    一定の配当性向を定めている銘柄が殆どです。純利益が想定より多く稼げた場合、配当性向を保つのなら増配する可能性があります。増配は株価が動きます。急激に伸びるというよりはじわじわ適正な価格に向かって進む感じでしょうか。狙い目です。
    例えばキトーの場合、配当性向は20%目標です。今期予想は20%ギリギリの配当ですので、多少の上方修正が入っただけでも増配が確定するはずです。後は分かるだろ、俺がいいたい事は =)
  • 配当性向20%以下の銘柄
    利益を株主に還元しない理由について確認してください。配当するよりはそのおカネを今の事業に費やした方が長期的に見て有利だと経営者が判断した場合に、配当性向を低くする傾向が見られます。当然、どの分野にどの程度の資金を注入するか明言しているはずです。それが見当たらないようなら、少なくとも配当を理由に投資しない方が宜しいかと思います。
    成長性が重要視されますので、キャピタルゲインが期待できそうもなければ投資する価値は少ないかもしれません。
  • 配当性向40%以上の銘柄
    配当を続けられる体力があるかどうか確認してください。本業が鉄板のビジネスモデルで参入障壁が高く、さりとて他の投資先が見当たらない銘柄に多い傾向にあります。本業以外の不動産賃貸業の儲けがそのまま配当に回っている場合もあります。
    ビジネスとしては安定している場合が多いのでインカムゲインが目的ならイケてるかもしれません。
  • 純利益が赤字の銘柄
    純利益が配当の原資ですので、赤字の場合、減配もしくは無配になっているはずです。赤字でも配当を行っている場合は、利益余剰金が十分にあるか確認してください。経年で利益余剰金が減り続けている場合、継続企業としても不安があります。
  • 新規上場(IPO)銘柄
    新規上場銘柄は、配当性向は20%以下が多いです。折角、上場による様々なリスクを負ってまで、市場から資金を調達するのですから、その資金を事業に活用する場合が殆どです。たまに高い配当性向のまま上場する銘柄とかありますが、何のために上場したのか考察してみるといいかもしれません。節税目的の場合、株価は上がらないでしょう。相続目的だとそもそも低い株価になっているでしょうから狙い目かもしれません。




相変わらず人気が集まらないのは決算短信に興味が無いのか、俺の書き方が不味いんだろうか(ノД`)・゜・。。

まあそもそもPVが100/日という完全に雑魚レベルのブログなので測定結果に意味があるのかどうかですら不明だ。まあいい。しばらく続けてみる。

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