2013年10月15日火曜日

【新米ニート日誌】 日本型労働と生産性

ニートの癖に生産性とは、書いてて我ながら恐れ入谷の鬼子母神(古っ


工場とホワイトカラーを比べてホワイトカラー、生産性低過ぎワロス、という流れ。

そりゃそうだ。

ホワイトカラーは生産性を上げにくい業態ではある。自動化できない部分は、どうしても手作業で何とかしなければならない。手作業というのは非常に時間が掛かる。なのでこの手作業の部分をどう自動化するかが腕の見せ所で、パソコンを使いこなせる技術が必要な訳だが、今の40~50代には期待できそうなスキルではナサゲ。

プログラマーも状況はホワイトカラーに近くて、設計から後の工程は人足計算になりがちだ。設計が絵空事で、現場が魔改造するケースが多々あって、このような状況を人はデスマーチと呼ぶんだねえ。いやあ怖い怖い。

製造業は、日々数値として結果が出るため、目標にしやすいという点がある。目標が出来るとそれに向かって工夫をする、というのはこの民族は得意だ。受験とか正にそうだろう。後、機械による自動化がしやすいのでこれも生産性にかなり寄与する。一番のコストは人件費だからね。同じモノを作るにしたってコスト(人件費)が省ければその分、生産性は上がる。

生産性=利益と思って差し支えないと思う。

生産性を上げる以外に、国が、企業が、家計が、より豊かになる方法もありません。

多分、この指摘に違和感を覚える人は多いと思うのですがどうもそうらしい、というのを随分前に山形さんが指摘してるので是非一読してもらいたい。興味深いですよ。

賃金水準は、絶対的な生産性で決まるんじゃない。その社会の平均的な生産性で決まるんだ。
-- 生産性の話の基礎 - 山形浩生 の「経済のトリセツ」

この後、ノビーが絡んできて、当時は経済学に興味無かったので大罪に気が付かなかったのですが、こんな茶番に有名所の経済学者が続々と回答してくれるなど、面白い流れでしたね。ということで各々が生産性を高める工夫をしないと、賃金は一向に上がりませんよって話なんだが、まあそんな捨てたもんじゃないよねってフォローもある。

ぼく自身、来年までには少しは成長するだろう。あなたも成長するだろう。今日ぼくが出会った人すべてが、よほどの不運に見舞われない限り、まちがいなく何らかの形で成長をとげることだろう――少なくとも、成長するだけの潜在力を持っていることだろう。それを考えたとき、経済成長しなくていいとか、してはいけないとかいう連中の物言いは、噴飯もののアホダラ経でしかない。
-- 経済成長は、ぼくたちの努力や成長の総和でしかない。 - 山形浩生 の「経済のトリセツ」


流石だ、山形さん。たまにはノビー討伐してくださいよ。

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最近、拾ったブログで興味深い指摘があった。

要はブラック企業の経営者は自分に都合のいい所だけを取り出して使っている。
「メンバーシップ型」の長所と「ジョブ型」の長所を合体させた無敵経営だ。
-- 私はブラック企業の経営者だった - 9bit Party

よもや労働形態がキメラ合体しているとしか思えない。非常にバランスの悪い状況を続けて、その臨界点が今になって表立ってきているのかもしれない。メンバーシップ型で年功序列を続けているシニアとジョブ型を強要されているヤング、上手く回る訳がない。

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工場勤務だった時に、工場長に向かって先輩が言い放った言葉を今も覚えている。

「貰った分しか働きませんから」

彼は正しかったのだ。

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