7821 前田工繊
今週は、社会インフラの整備・維持に欠かせない独自の土木資材の製造・販売を軸に、積極的なM&A(企業の合併・買収)で 事業領域を拡大する「前田工繊」をご紹介します。同社の主力製品は、土木技術に繊維の特性を融合したジオシンセティック ス技術(ジオ:土地+シンセティックス:合成繊維)に由来することが特徴で、網状・帯状・棒状など様々な形態の繊維製品や プラスチック製品です。これらを活用すると、金属やコンクリートを主体とした既存工法による土木工事と比較して、安全かつ経 済的であるうえ、環境負荷が小さいという利点があります。度重なる自然災害への対応やインフラの老朽化への対策が喫緊の 課題となるなか、同社は防災・減災、補修・補強、自然環境保全などのテーマを掲げて製品開発を進めることで、競争力を高め ています。
土木と繊維を融合させてきた同社は、“混ぜる会社”であることを標榜しています。それは積極的なM&Aにも表れており、 直近では衣料・産業資材用ポリエステルを素材として多種多様な糸を作る「ダイイチ」を子会社化(2014年10月)、防衛省向け 繊維製品やキャンプ・防災用テント等の製造・販売を手掛ける会社から事業を譲り受けて「未来テクノ」を設立(2015年6月) しています。糸や繊維を事業領域とするこれらの会社は、既存事業との間で相乗効果が生まれることが期待されます。一方 で、2013年11月に子会社化した「BBSジャパン」は、自動車用アルミ鍛造ホイールの製造・販売を主力事業としており、一見す ると既存事業とは縁が薄そうに見えるため、同社が今後どのように“混ぜる”のかを注視したいところです。もちろん、その前の 段階でも業容拡大に貢献しており、2016年9月期第1四半期の「BBSジャパン」の営業利益は前年同期比で約3倍に拡大してい ます。同社は引き続きM&Aを重要な事業戦略と位置づけ、持続的な成長を図る方針です。
16.01.15からの続きです。
特に大きな変化はありません。2Q決算もほぼ無風。
- http://apl.morningstar.co.jp/webasp/pdf/weekly/2006073104_W_20160506.pdf
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