2015年12月2日水曜日

9790 福井コンピュータHD - ジェイリバイブ (15.11.27週次)

ジェイリバイブ(SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ) まとめページ

9790 福井コンピュータHD


福井コンピュータHDは、建設関連のソフトウェア(CAD)を開発・販売する企業です。四季報の同業他社に4667 アイサンテクノロジー

今週ご紹介する「福井コンピュータホールディングス」は、建築・土木・測量向けCADシステムの開発・販売で独自の事業展開を進めています。CADシステムとは、コンピュータによる設計を支援するシステムであり、国内外の様々な企業が開発にしのぎを削っています。そのような市場環境のなか、同社の建築CADは1986年の発売以来、ユーザー数を着実に増やし、2014年の導入社数は全国で約37,000社を数えます。そのうち約4分の3を占めるユーザーが工務店や設計事務所であることから、中堅中小の住宅事業者から高い支持を受けていることがわかります。同社の主力製品である3次元建築設計システム「アーキトレンドZERO」は、設計図の作成はもちろん、設計図を元にした立体図の自動作成や建築費用の積算など、住宅設計に必要な機能を1本のシステムに備えていながら、手頃な価格で導入できる点が評価されているためです。加えて、同社は測量CADと土木CADも手掛けており、建設業界が必要とする3分野のCADシステムをワンストップで提供できる点も、顧客から支持される要素となっています。

既存事業との相乗効果を狙って、“3Dカタログサイト”と呼ばれる新サービスを2016年春に開始する予定です。リフォームや新築の際に、一般消費者(施主)は様々な住宅設備や建材のカタログやサンプルを見て、完成イメージ想像しながら商品を選定することが多くなります。3Dカタログサイトでは、サービス開始時点で約100社のメーカーの商品を三次元データとして収録し、同社のCADシステムを利用する住宅事業者がウェブサイト上で商品を図面にあてはめて、完成イメージ図を施主に見せながら打ち合わせができるため、業務の大幅な効率化が期待できます。数多くの住宅事業者とメーカーに同サイトの活用を促し、同社の建築CADの付加価値を高め、さらなるシェア向上を狙っています。

ソフトウェア業には珍しく月次を公開しています。

利益に注目すると利益率は7%を超えています。これはパッケージ販売を中心としている証左です。CADという分野は、ある程度規格が決まっているのでカスタマイズする必要が少ないので、その分、人件費が掛かりません。とても利益が出やすい事業でしょう。

CADのシェアについて検索してみたのですが、分かりませんでした。ひとくくりにCADと言っても用途によって使われ方が異なっており、電子分野で強くても土木分野では一切使われない、ということも度々あります。広範囲で使われているのはAutodesk社のAutoCADでしょうか。

国内の建設・土木CADの分野では高いシェアを持っているらしいですし、四季報にも首位と記載されていますのでそこそこ高いシェアがあると思われます。

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この銘柄は、パッケージ中心ですので一時的に売上が上昇する傾向が強いと考えまして、アベノミクス真っ只中では主力にしていました。建設業にお仕事が集まるってことは設備投資にもおカネが回ってくるだろう、と。実際、回ってきたんですけどね =)。当時、ちらちら月次見てましたもん。

その後、消費増税の影響を強く受けるだろうと踏んで売却しました。消費増税で1年ちょい経った今、やっぱり株価が上がり始めていますね。未だに建設業の設備投資意欲はソコソコあるんだと思います。

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繰り返しになるんですが、ソフトウェア業では「受注型」か「パッケージ型」かどうかを確認してください。

「受注型」は、利益率7%前後で推移し、売上の規模が増えても改善しません。規模の経済性が働かないビジネスモデルだと思ってください。どんなに優れた開発者でも、設計・実装の速度は大して変わりません。ソフトウェア業というのは、他人の生産性を向上することは合っても自分の生産性を向上させることはとても難しいのです。労働集約型なのですが、1人あたりに要求される技術力は高く、賃金は高めな所もあるのですが、派遣に頼ってる部分が強く、遠目からみると「これ奴隷売買じゃね?」的なことが横行しており、闇は深いのです。

「パッケージ型」は、開発費が嵩む場合が多いのですが、ヒットすれば利益率は青天井です。ソフトウェアの特徴なのですが、ソフトウェアを複製するコストはほぼ無料でして、1パッケージあたりの粗利は初期の開発費程度になります。開発費以上売り上げてしまえば後は売上=利益になりやすいのです。

このビジネスモデルで有名なのはゲーム業でしょか。ゲームを設計し市場に出回るまで半年~3年掛かります。3年以上掛かるケースもあって、この開発期間中は、売上が一切ないので赤字が続きます。開発が終わる近辺では広告費を支払って宣伝をしないと売上が伸びませんのでここでもコストが掛かります。更にゲームが消費者に受け入れられなく売れないとなると、開発費が丸々損になり、下手をすると倒産となります。このようなチンピラビジネスなので、上場する企業が絶えないのです =)。

最近、ソーシャルゲーム(ソシャゲ)が注目されています。今までのゲーム業ですと販売開始3週間でほぼ売上のピークを付けるのですが、ソシャゲは、サービス開始後でも売上が長く続きます。顧客を飽きさせないように、サービス開始後でも様々なイベントを用意しユーザーを飽きさせない努力をしています。出荷後でも開発費は掛かるのですが、広告費は口コミで広がるので左程掛かりません。一度、売れれば末永く儲かるのがソシャゲなのです =)。

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纏めると、月次からすると未だに建設業の設備投資意欲は強いようですので、ビジネス環境は悪く無いと思われます。

福井県に本社があるというのも割と魅力的でして、他より人件費が掛かりにくい傾向はあるでしょうね =)。優秀な人材を登用するのは難しいとは思うのですけれども。

  • http://apl.morningstar.co.jp/webasp/pdf/weekly/2006073104_W_20151127.pdf

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